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法華狼の日記

3000-01-01 このダイアリーについて

hokke-ookami3000-01-01

日記の主な話題は、アニメやネットや歴史認識についての感想。


記事リストは以下。自作小説、へのへのもへじ、アニメや諸文化や歴史にまつわるデマ、等々。

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2017-06-20 上げたのは2日後

[][][]『大江山酒天童子

源頼光と部下による鬼退治の伝説には、知られざる裏の歴史があった。

平安時代の末期、藤原道長が専横をふるっていた。たびたび都は盗賊に襲われ、鬼妖怪が跋扈する。

そこで大江山に潜入した坂田金時たちが見たのは、妖術をもちいて政権の転覆をねらう酒天童子の一団だった……


酒呑童子伝説を素材に、1960年大映京都が制作したオールカラー特撮映画。敵味方にオールスターを配置して複数の伝説を引用しつつ、1時間50分ほどの尺にまとめている。

大江山酒天童子 : 角川映画

1958年の『日蓮蒙古大襲来』や1966年の『大魔神』のような、東宝円谷とは異なる特撮技術を目当てに鑑賞したが、残念ながらミニチュア特撮の見せ場はなかった。合成の雰囲気づくりは良かったが、ほとんどの鬼や妖怪は動きの少ないハリボテ*1ですまされ、スタジオセットの多用もあいまって歌舞伎などの舞台劇のよう。

あくまで妖術戦争に仮託した反乱劇の体裁であり、妖怪を生みだす妖術も幻覚くらいの位置づけ。そうと理解すれば大映らしい極彩色のカラー設計や、時間経過のテロップが画面奥から飛んでくる演出、流麗なカメラワークに俯瞰の構図、大江山に吊るされた死骸の実在感*2、峡谷に設営された巨大な城門のセットなど、それなりに見どころはあったのだが……


また、物語が戦乱劇として素晴らしかったかというと、オールスターを善玉にしか描けない限界のためか、全体として葛藤の踏みこみが浅い。

悪政をふるう貴族に命令されて前線に追いたてられる武士と、かかげた理想がくすみつつある反乱者という対決構図は好みなのだが、酒天童子に致命的な失敗をさせないため略奪時の暴走が末端の問題で終わってしまう。貴族の悪政にしても、序盤の権勢をふるう描写や、道長が酒天童子の妻を拉致した因縁くらいで、庶民の苦しみまでは描かない。

貴族から武士に権力が移る未来を信じて酒天童子が身を引いて終わるにいたっては、拍子抜けというのが正直な感想だ。せめてその決着までに充実した戦いを見せてくれれば印象が違ったろうが、酒天童子を演じる長谷川一夫の年齢ゆえか、わざわざ一騎打ちしながら短時間で終わる。貴族の末路も描かないので、娯楽作品としてカタルシスがない。

女性に化けて渡辺綱を襲った伝説がある茨木童子を、最初から女性妖術師に設定して、放浪していた酒天童子に反乱の首謀者の座をゆずった過去描写などで、当時としては主体的な女性の活躍を描いていたりと、物語も細部には見どころがないではないのだが……

*1:造形の質そのものは悪くないのだが、とにかく登場した場所から動かない。

*2:38分ごろ、ロケ地は秋吉台。ただ死骸のプロップが現代の目線でもよくできているのに、直後の妖術師との対決BGMがノンキすぎて、初見は面食らってしまった。

2017-06-18 上げたのは1日後

[][]自民党議員による表現規制請願において、心底から党派的な思考しかできないrag_en氏、他

発端は、漫画や映画などの暴力/性描写の規制強化の請願を自民党議員が出したことを伝えるツイート

このツイートに対するブックマークが、表現規制に対する反対そのものは意見が一致しながら、与党への態度で割れている。

はてなブックマーク - 漫画・アニメ・ゲーム・映画の表現規制問題さんのツイート: "漫画や映画などの暴力/性描写の規制強化を推進する「青少年健全育成基本法案」の制定を求める請願が国会に提出されました


そうしたブックマークに対するブックマークのコメントを見ていると、表現規制反対を優先せず*1、メタな立場から語ることを優先するid:rag_en氏の姿があった。

はてなブックマーク - はてなブックマーク - 漫画・アニメ・ゲーム・映画の表現規制問題さんのツイート: "漫画や映画などの暴力/性描写の規制強化を推進する「青少年健全育成基本法案」の制定を求める請願が

ソジャ界隈の党派性脳っぷりが、本当に醜悪。/自分達が「揶揄」しかしないから、真っ当な指摘をしてくる他者の言説も「揶揄」にしか見えないっていう、いつもの。本当にこの界隈、自身らの鏡像を他者に重ねるよね。

「ソジャ界隈」と他人を独自の概念で粗雑にくくることこそが党派性による思考だろうに、その粗雑にくくった相手に「党派性脳」を見いだすという転倒。「本当にこの界隈、自身らの鏡像を他者に重ねるよね」が自分自身のことではないかと省みることはないのだろうか。

実際、私と同じような批判id:houjiT氏にされているのだが、「我々の界隈」という自身の党派的な発想は前提としているのであった。

はてなブックマーク - はてなブックマーク - はてなブックマーク - 漫画・アニメ・ゲーム・映画の表現規制問題さんのツイート: "漫画や映画などの暴力/性描写の規制強化を推進する「青少年健全育成基本法案」

http://b.hatena.ne.jp/entry/285793272こんなブ※残してる人がよく言うよなー感すごい。まぁ、自身らが「分類」されるのを拒否ってるだけだよね?と。/“党派性脳”の意味も理解してないご様子だし、本当に思考の残念さ全開。

はてなブックマーク - しかし「嘲笑を優先」「ソジャ界隈」とか自分達で箱作って人をぶち込んどいて、「党派性」?勝手に人を籠った扱いにしてるだけやろ。「あれは党派的だから付き合えない」が党派性の表

rag_en “「あれは党派的だから付き合えない」が党派性の表出”…なんてトンデモ論をやらかす辺り、正に党派性脳なんよなぁ。『(党派に拘泥する)我々の界隈を批判してくる奴等こそ、党派に違いない!』なんて妄想レベル。

与党の議員として請願が出された時に対しては、支持者というくくりが想定されて、その態度が問われることは民主国家であればしかたないと思われる。もちろん支持者でないならば関係ないのだから無視すればいい。


さらに、ブックマークで興味深いコメントをしている人物がいる。id:clamm0363氏とid:gatorera氏、そしてid:anschluss氏だ。

自民支持層の中で表現規制に反対する割合が増えれば党の方針も変化していくだろうし、だからこそ自民支持を公言しているオタク層は大きな声で表現規制に反対してるんだろ。党派性で皆が動いてると思わん事だ。

定期的に出てくるこの手の請願にうんざりしつつ、それでも反対の声はあげなきゃなぁ/いつも思うが、野党を支持する人達は、与党支持派は与党の行い全てを肯定してると思ってるんだろうか?だとしたら愚かすぎる。

ここのブコメ見て、ああやっぱり左とは相容れねえなと再確認した。「俺たちがお前らクソオタ共の権利を擁護してやってんだ」って傲慢さが滲み出ている。

それぞれのコメントが単独で書かれたならば、必ずしも整合性がないというわけではない。

ところが前後して、民進党が新しく擁立しようとする人物が規制推進派だったという話題においては、下記のようにコメントしていた。

民進党が都議選であのイザンベール真美を公認候補に追加 - Togetterまとめ

内心の自由が侵されるとしてテロ等準備罪に反対するのであればこのような候補者を選んだ時に説明に窮するだろう。仮に同様の主張を持つ候補者が多数当選した時、民進党は内心を罰する立法を行う覚悟があるという事。

前回の都知事選の時の鳥越氏擁護も大概だったけど、今回、内心ですら規制しようとするこの人を、言論の自由は自民よりも民進の方がーって言ってた左派の人たちは、どんな方法・言葉で擁護・応援するんだろうか。

ジハーディストを公認する民進党。2010年の都条例に共産党と一緒に疑問を呈した民主党はどこへやら。次の選挙で全員落選していただく他あるまい。

与党が所属している政治家として請願を出した時は是々非々で判断することを主張して、野党が都議選で擁立しようとした人物の場合は政党全体を否定するよう主張する。


ここまで書いてきたこととは別に、こうした請願がくりかえされていることをもって重大視するのではなく、むしろくりかえされることへの慣れと諦観が目につくことも気になる。

ブックマークを読んでいるとid:wideangle氏もそのような観測をしていた。

数年単位で追ってる連中は「また自公のいつものが来たぞ」って感じだと思う。困ったことに。(いい加減毎度のことだから激烈な反応にならないのはあるかも)

実際、以降にコメントしたid:hal9009氏からは、そのようなあきらめが感じられる。

ここ数年毎年出てる。吹き上がってる左翼が全然人権に興味なんかもってないのが如実にわかるブコメ群w要注意なのは確かなんだが消耗戦なんかすりゃマイノリティが勝てるはずもなく

勝てなくても、やるんだよ……くらいの意識でないと、社会に訴えつづけることは難しいものだ。

*1:発端のツイートそのものにはコメントどころかブックマーク自体をしていない。

2017-06-17

[][]野党のふがいなさを歓迎していたエコノミストが、野党にヘボ将棋の責任を負わせるまでの2ヶ月間

「かんべえ」のハンドルネームで知られるエコノミストの吉崎達彦氏が、共謀罪にからめて、サイトの日誌で下記のようにコメントをしていた*1

http://tameike.net/comments.htm

<6月14日>(水)

○将棋の世界では、「緩手」<「疑問手」<「悪手」<「一手バッタリ」(その一手で勝ち目が無くなる)などといった表現がある。その中でも最上級の悪い手を、「ココセ」と呼ぶ。その心は「ここに指せ!」(そうしてくれれば、俺が勝ちなんだけどなあ)である。

○国会戦術の世界で「ココセ」が飛び出した。昨日、「共謀罪」ことテロ等準備罪の審議の最中に、民進党が金田法相、山本地方創生担当相の問責決議案を提出したのがそれである。与党から見れば、こんなにありがたい話はない。「そうか、あんたたちは真面目に審議に応じるつもりはないんだな!」と審議を打ち切る絶好の口実を得た。これで共謀罪は今週中にも強行採決できてしまうだろう。

○民進党が何を考えて問責決議案みたいな中途半端なカードを切ったのか、ワシの鈍い頭ではサッパリ分からない。最大野党がこんな調子だから、「安倍一強」になるわけであって、その責任は重いと言わざるを得ない。共産党の陽動作戦に乗っちゃったのかなあ。蓮舫さん、こういうときは「相手が一番嫌がる手を指す」ものであるますよ。

経済政策だけに期待するといった理由で自民党を与党にしたこと、もはや誰も強行採決や閣議決定を止める方法がないこと、この時点で「ココセ」しか残っていないことは決まっているのであって。そういう意味では野党などより吉崎氏の責任がはるかに重いのだという自覚をもってほしい。

むしろ、吉崎氏のような人々は、責任を負いようがないほど野党が弱くなることを相対的に選んだはずだ。「与党から見れば、こんなにありがたい話はない」ではなく、“私から見れば、こんなにありがたい話はない”であるはずだ。

事実わずか2ヶ月ほど前の吉崎氏は、世論が二分にわれて争う近年の諸外国と比較して、日本の自民党一強状態を歓迎していた。

http://tameike.net/diary/apr17.htm

○まあ、日本はそういうこととは無縁で良かったなあ、と思います。これって不甲斐ない野党に感謝すべきなんでしょうか。個人的には長島昭久さんに「がんばれ!」と伝えたいところです。

現状で野党のとりうる選択肢は最初から限りなく無に近く、どれほど無茶な虚偽も矛盾も自民党であるかぎり許されているという現状認識がなければ、そもそも理解できるものもできないだろう。

駒数が違うだけならともかく、一方は王将をとられても負けを認めず、それが立会人に見逃されている。そのような状況で将棋が成立するはずがない。

*1:リンクしたアドレスは月が変わればこちらのアドレスに移行されるはず。http://tameike.net/diary/june17.htm

2017-06-15

[][]『ドリーム 私たちのアポロ計画』に比べると、『新感染ファイナル・エクスプレス』はずっとマシだったな、という良かった探し

『釜山行き』から韓国やゾンビという中核を隠すような邦題に変えたことは違和感があったが、それでもB級娯楽映画らしいことや列車が舞台となることは表現されていて、内容を反映した邦題であることも嘘ではない。

「邦題は『釜山逝き』じゃダメなのか」「いやそれもダジャレじゃねえか」 - 法華狼の日記

たとえ評価が高くとも、単館系や未公開の映画は現在でも少なからず原題とかけはなれた邦題がつけられるとはいえ、邦題がつけられる以前から期待されていた作品がこうなるというのはつらいところだろう。もし原題で知られる以前から邦題がつけられていたなら、また反応は違っていたとも思うが。

一方、原題が知られる以前の問題で、違う計画を副題に持ってくるのは違和感がはるかに大きい。

【更新】タイトルと内容が違う…?大ヒット映画の邦題「私たちのアポロ計画」に批判 配給会社に聞く

「私たちのアポロ計画」とする邦題を巡って、SNSを中心に批判的な意見も出ています。

映画の中では月面着陸に成功した「アポロ計画」ではなく、人類初の有人宇宙飛行を目指す「マーキュリー計画」を中心に描いているから。

「その上で、日本のお客様に広く知っていただくための邦題として、宇宙開発のイメージを連想しやすい『アポロ計画』という言葉を選びました」

原作のノンフィクション「Hidden Figures」(「隠された(人たち/数字)」のダブル・ミーニング、映画原題と同じ)では、マーキュリー計画に関するエピソードだけでなく、より前後に広い時間軸が描かれているそう。

ただの宇宙計画よりも「アポロ計画」という固有名詞がなじんでいるという判断からして、不思議な感じがある。


最終的に副題をはずして『ドリーム』だけに変更となったが*1、これでは宇宙開発を描いた作品ということすらわからない。

たしかに原題そのままでも内容がつたわらないし、ダブルミーニングも消え去ってしまうが、意訳する方法はいくらでもあるだろう。たとえば隠されたことと数字のダブルミーニングで「数えるべき人たち」にするとか、どうしてもドリームを組みこみたいなら乗算と駆けるのトリプルミーニングで「NASAでかける夢」にするとか。

*1恋愛要素をプラス、誤解を招く表現…「アポロ計画」だけじゃない、映画邦題の問題点 町山智浩さんに聞く「変更に至った理由としては、ファンからの意見を汲んだ本国からの変更要請、報道をきっかけに広がった批判への対応などが考えられるという(注:実際の経緯は、配給側に追って取材予定)」