自治体法制執務雑感

2017-03-24

[]例規の立案で間違いやすい例(52) 21:43

警察法施行規則の一部を改正する内閣府令(平成27年内閣府令第13号)
   (略)
第7条を削り、第8条を第7条とし、第9条から第12条までを1条ずつ繰り上げ、第13条の前に次の1条を加える。
 (厚生管理室)
第12条 (略)

「前に」をできる限り避けるのであれば、「……、第8条を第7条とし、第9条から第11条までを1条ずつ繰り上げ、第12条を第11条とし、同条の次に次の1条を加える」とすることになろう。

2017-03-17

[]10年前の個人献金を問う意義 20:44

稲田氏、籠池理事長夫妻から政治献金認める
稲田朋美防衛相資金管理団体が2007年、森友学園籠池泰典理事長夫妻から1万2000円の寄付を受けていた。稲田氏は14日の参院予算委員会で「記憶にはないが、指摘されるのであればそうだと思う」と認めた。風間直樹氏(民進)が明らかにした。
政治資金収支報告書によると、稲田氏の資金管理団体「ともみ組」に対して07年3月12日、籠池氏夫妻がそれぞれ6000円を寄付した。籠池氏は過去に使用していた「籠池靖憲」名義だった。
毎日新聞2017年3月14日配信

今何かと批判されているから擁護しようというつもりはないのだが、ザル法と言われる政治資金規正法にあって、このような形で責任を追及することは、ある意味同法の予定しているところなのかもしれない。しかし、疑惑のある行為を最近行った者及びその配偶者から10年前に受けた1万2,000円の個人献金を取り上げて問題視する行為は、個人献金を否定する行為としか思えない。

政治家自らが政治資金規正法を否定するような行為をしていることについて、当人や周囲はどう感じているのだろうか。

2017-03-10

[]別表を用いる意義 23:01

食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)
(表示の方式等)
第27条 第24条及び前条の表示は、次に定めるところによりされなければならない。
(1)  (略)
(2) 第24条及び前条に規定する事項のうち、別表第25に掲げる事項にあっては容器包装に、別表第25に掲げる以外の事項にあっては容器包装、送り状、納品書等又は規格書等に表示する。
別表第25(第27条関係)
名称(農産物(放射線を照射した食品、保健機能食品及びシアン化合物を含有する豆類を除く。)、鶏の殻付き卵(保健機能食品を除く。)及び水産物(保健機能食品及び切り身又はむき身にした魚介類を除く。)を除く。)
放射線照射に関する事項
乳児用規格適用食品である旨
シアン化合物を含有する豆類に関する事項
あんず、おうとう、かんきつ類、キウィー、ざくろ、すもも、西洋なし、ネクタリン、バナナ、びわ、マルメロ、もも及びりんごに関する事項
食肉(鳥獣の生肉(骨及び臓器を含む。)に限る。)に関する事項
生乳、生山羊乳及び生めん羊乳に関する事項
鶏の殻付き卵に関する事項
切り身又はむき身にした魚介類(生かき及びふぐを除く。)であって、生食用のもの(凍結させたものを除く。)に関する事項
ふぐの内臓を除去し、皮をはいだもの並びに切り身にしたふぐ、ふぐの精巣及びふぐの皮であって、生食用でないものに関する事項
切り身にしたふぐ、ふぐの精巣及びふぐの皮であって、生食用のものに関する事項
冷凍食品のうち、切り身又はむき身にした魚介類(生かきを除く。)を凍結させたものに関する事項
生かきに関する事項

もちろん別表を上記のように用いてもよいのだが、複数の条で用いているわけではないし、単純に項目も列記しているだけである。上記の程度であれば、号の細分の形で書いてしまった方がよいのではないだろうか。

2017-03-03

[]例規の立案で間違いやすい例(51) 21:42

建築基準法の一部を改正する法律の施行に伴う国土交通省関係省令の整備等に関する省令平成27年国土交通省令第5号)
建築基準法に基づく指定資格検定機関等に関する省令の一部改正
第2条 建築基準法に基づく指定資格検定機関等に関する省令平成11年建設省令第13号)の一部を次のように改正する。
 (略)
 第15条に次の1号を加える。
(14の2) 工作物の仮使用認定を行う者としての指定

末号なのに、なぜ枝号としたのだろう。

2017-02-24

[]「協働20:14

元我孫子市長で中央学院大学の福嶋浩彦教授は、『時の法令NO.2019』(P41)において、一般に「協働」という言葉で語られている連携であっても、責任や権限の持ち方は全く違うものがあるとして、次のように記載している。

協働」という言葉は、もう使わなくてもよいと考える。普通に「連携」「協力」と言えばよい。連携や協力ならいろんな関係があると誰もが思う。しかし、協働と言うと何か特別な一つの関係だと思ってしまい、実際の責任や決定権がかえって曖昧になる。

私は、「協働」という言葉を聞くと、十数年前のまだ「協働」という言葉が法律で使用例がない頃、原課から条例で使いたいとして相談を受けたことを思い出す。

今では「協働」という言葉は、普通に法律でも使われており、むしろ安易に使いたがる言葉になってきている。例規審査をしていた頃、原課の案で住民と連携しようがない施策についても「協働」という言葉が判を押したように用いられていたことがあり、時には「一住民である私とどのような協働をしたいのか言ってみてくれ」と言って、その言葉を使うのをあきらめてもらったこともある。

福嶋教授とは多少意味合いは違うのかもしれないが、私は、ある施策で民間団体と協働するという場合、協働することが自己目的化してしまい、本来その施策で果たすべき効果を考えないような風潮を感じ、辟易していたこともあったので、「協働」という言葉を使わなくてもよいのではといった考え方には大いに賛同するところである。

言葉は変わるが、防災対策を考える場合に「減災」という言葉がよく使われる。つまり、災害に対して被害をゼロにすることはできないので、「防災」ではなく「減災」を目指すべきということであるが、最近防災専門家が、「減災」という言葉は被害があってもいいと考えることを肯定することになるので適切でなく、行政としては「防災」を目指すべきと述べるのを聞いた。

はやりの言葉には、賞味期限があるということかもしれない。