自治体法制執務雑感

2018-04-13

[]削った条を追加すること 21:16

条を全部改正するのでなく、一旦削った後に追加することは、全く用例がないわけではないが、原則は行うべきではないだろう。

そうすると、次の一部改正命令は、どうなるだろうか。

地方公務員等共済組合法施行規程等の一部を改正する命令(平成27年内閣府令・総務省令・文部科学省令第2号)
地方公務員等共済組合法施行規程の一部改正)
第1条 地方公務員等共済組合法施行規程(昭和37年総理府令・文部省令・自治省令第1号)の一部を次のように改正する。
  (略)
第121条から第153条までを削る。
第120条の次に次の7条を加える。
第121条〜第127条 (略)
第127条の次に次の款名及び27条を加える。
第2款 退職等年金給付
第128条〜第153条 (略)
第153条の2 (略)
  (略)
第162条の2から第162条の11までを削る。
第4章の次に次の1章を加える。
第4章の2 実施機関積立金及び退職等年金給付組合積立金等の管理及び運用
第162条の2・第162条の3 (略)

前段は、途中に枝条がある場合は、その都度それを削ることになるが、それがないのであれば、次のようにすべきだろう。

第121条から第127条までを次のように改める。
第121条〜第127条 (略)
第127条の次に次の款名を加える。
第2款 退職等年金給付
第128条から第153条までを次のように改める。
第128条〜第153条 (略)
第153条の次に次の1条を加える。
第153条の2 (略)

後段は、次のようにすべきだろう。

第161条の次に次の章名を加える。
第4章の2 実施機関積立金及び退職等年金給付組合積立金等の管理及び運用
第162条の2及び第162条の3を次のように改める。
第162条の2・第162条の3 (略)
第162条の4から第162条の11までを削る。

2018-04-06

[]例規の立案で間違いやすい例(61) 21:38

私立学校教職員共済法施行規則等の一部を改正する省令平成27年文部科学省令第33号)
私立学校教職員共済法施行規則の一部改正)
第1条 私立学校教職員共済法施行規則昭和28年文部省令第28号)の一部を次のように改正する。
  (略)
第24条第1項第7号及び第9号から第13号までを削り、同項第8号を同項第7号とし、同号の次に次の1号を加える。
(8)  (略)
第24条第1項第14号中……に改め、同号を同項第9号とし、同項第15号を同項第10号とし、同条第2項第1号中……

次のように、第9号から第13号までの削りは、第8号の追加の後とすべきである。

第24条第1項第7号を削り、同項第8号を同項第7号とし、同号の次に次の1号を加える。
(8)  (略)
第24条第1項第9号から第13号までを削り、同項第14号中……に改め、同号を同項第9号とし、同項第15号を同項第10号とし、同条第2項第1号中……

2018-03-30

[]町村議会のあり方に関する研究会報告書 21:12

3月26日、総務省に設置された「町村議会のあり方に関する研究会」の報告書が公表された。報告書は、持続可能な議会の実現を目的として、小規模市町村を対象に、現行議会のあり方を維持できることを前提に、「集中専門型」と「多数参画型」という新しい2つの議会のあり方を条例自由選択可能とする制度を提言している。

「集中専門型」は、少数の専業的議員による議会構成とし、豊富な活動を想定する一方、生活給を保証する水準の十分な議員報酬を支給することとしている。つまり、現行議会よりも人数を絞り込み、議員報酬を増額することを想定している。

しかし、報告書によると、議員定数については、人口1,000未満の市町村における平均が約7人、1,000以上10,000未満の市町村における平均が約10人と既に少数であるのに対し、議員報酬は、人口1,000以上10,000未満の市町村においては200,000円を下回っていることからすると、上記の想定が果たして現実的だろうか疑問が生じてくる。

また、「集中専門型」では、多様な民意を反映させるという観点等から「議会参画員」を設けることとしている。議会参画員は、重要な議案について議員とともに議論するが議決権はなく、くじその他の作為が加わらない方法で選定されることをイメージされている。選任手続だけを見ると、裁判員制度を参考にしたような感じがするが、議会そもそも民意を反映しなければいけないのに、その構成員である議員にはむしろ専門性を期待することになり、議会の性格が大きく変わるのではないかと感じる。

「多数選択型」は、多数の非専業的議員による議会構成とし、契約の締結などを議決事件から除外することなどによって議員の仕事量・負担を軽減し、議員報酬は、それに見合った副収入的水準とすることとしている。これは、アメリカニューイングランド地方)におけるタウンミーティングスイスの住民総会の例を参考にして、町村総会を現実的に成立させる方法として考えられたようであるが、果たして我が国になじむだろうかというのが率直な印象である。

なお、報告書では、議員を確保するために、公務員議員になりやすい方策も提示されている。その一つが、「集中専門型」で提言されている公務員が立候補により退職した場合の復職制度である。この制度では、選挙に落選した場合のほか、選挙に当選した場合でも、議員としての任期満了後に復職できる制度となっているが、特に「集中専門型」であれば、一度議員になった場合には、あまり必要ない制度であるように感じる。むしろ立候補の段階で職を失うこととするのではなく、議員になった段階で職を失うこととする考え方もあるように思うが、そうした改正は現行制度下で行ってもよいのではないだろうか。

また、「多数参画型」においては、他の自治体議員との兼職を可能とすることとしている。「多数参画型」は、議員の仕事量・負担を軽減するため、常勤職員との兼職も可能という趣旨だろうが、この場合だけ議員との兼職を可能とするのは、どこかすっきりしないものがある。

2018-03-23

[]例規の立案で考えられない間違いをしている例(2) 21:44

食品表示法の施行に伴う厚生労働省関係省令の整理等に関する省令平成27年厚生労働省令第70号)
職業能力開発促進法施行規則の一部改正)
第2条 職業能力開発促進法施行規則昭和44年労働省令第24号)別表第12ハム・ソーセージベーコン製造の項、水産練り製品製造の項及びみそ製造の項、別表第13ハム・ソーセージベーコン製造の項、水産練り製品製造の項及びみそ製造の項並びに別表第13の2ハム・ソーセージベーコン製造の項及び水産練り製品製造の項中「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」を「農林物資の規格化等に関する法律」に改める。

何人かが見ていれば、誰か気が付いたと思うのだが。

CalcCalc 2018/03/31 20:16 環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案 (第126回国会 閣法 63号)附則第14条にもありましたよ。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/126/0378/12604200378007.pdf 8ページ
成立直前に宮沢内閣不信任案で議事がストップし、週銀解散に伴い不成立になりましたが。総選挙後の国会で成立した法律は、法案出し直しの際に訂正されていて、分かりませんが。

hoti-akhoti-ak 2018/04/01 19:44 コメントありがとうございます。
ついやってしまうようなミスなのですかね。

CalcCalc 2018/04/01 22:13 いやあ、私には、ついやってしまうようなミスとは思えません。
当時、指摘したところ、環境庁の総務課長の反応も「えっ、あっ」という感じでしたね。なぜ内閣法制局の生え抜きの参事官補の形式チェックをくぐり抜けてしまったのか、不思議です。

先のコメントでの変換ミス、済みません。「週銀」は「衆議院」です。これで審査に出したら、破り捨てられますね。

2018-03-16

[]書き振りが気になる規定の例(16) 21:26

次の規定は、「電気事業法等の一部を改正する等の法律平成27年法律第47号)」第7条の規定により全部改正された熱供給事業法の規定である。

(登録の拒否)
第6条 (略)
2 経済産業大臣は、前項の規定による登録の拒否をしたときは、理由を記載した文書をその申請書を提出した者に送付しなければならない。

上記の規定で単に「理由」とあり、これは登録の拒否をした理由であることは明らかであるが、やはり「その理由」とすべきだろう。

[]追記 21:26

2018年2月23日付け記事『書き振りが気になる規定の例(14)』に追記しました。