漂流日誌

札幌のNPO「訪問と居場所 漂流教室」のブログです。活動内容や教育関連の情報、スタッフの日常などを書いています。2002年より毎日更新

ニュース二発

■今日も晴れ。訪問に行っても「いい天気だねぇ」と語ること多し。

■本日の漂着教室には子供が計3人来訪。思い思いに遊んだり、話したり。そんな中、アウ・クルの人も次々と来訪。しかし、昨日の日誌にあった「まじめに仕事中」の札を見て、大人はいつもよりこわごわ入ってくるのだった。見ての通り、泥棒が描いてあり冗談の札なのだけれど、言葉を大事にする人の多いことよ。

■そして、問い合わせ電話も二件。こちらはまじめに応対しましたよ。説明訪問に行くことになりそう。

■夜、TBS系列のNews23でアイ・メンタルスクールの事件その後を取り上げていた。被害者の親がどれほど良かれと思って入寮を決めたか、それまで入っていた寮生、入所していたことのある人の保護者、そこで働いていたカウンセラー、事件の被告、など様々な立場から、かのスクールに対する思いが結構ニュートラルに取材されていたと思う。当事者とそこにもっとも近い人たちは、戸惑い・感謝・自己批判などを語っていた。それは思いの外、淡々と語られるものであった。彼らにしてこの対応ができるならば、周囲にいる我々は尚更冷静に語ることができるはずだ。故に、このスクールの方法にお世話になって良かったという人がいるという事実を無視して、このやり方を全否定するような暴力的な議論の進め方をすることの無いよう、気を付けようと思った。

■東京では、都教委が出した日の丸・君が代に対する通達に反対した教員への懲戒処分を違憲とする判決が出たようで。確かに思想・良心の自由は重要だし、この判決は妥当なものだと思う。教員は基本的に校長命令に従う義務はあるが、思想・良心の自由を侵すような不当な命令に従う必要はないということだ。教員にはおめでとうと言っておきたい。ただ、思うこともあり。それは、この裁判を起こした教員たちが日々の授業や生活指導の中で、子供たちが不当だと思う命令に従わない時どう対応するのかということだ。仕事がらみで例を出せば、思想・良心にしたがって、学校に行かないことを選ぶ子供にどう対応するのか。子供たちには裁判所は無い。そして、子供にとって不幸なことに、教員が子供たちを裁こうとする場合が多いと思う。今回勝訴した教員たちには是非とも、教員の命令に従わない子供を守る立場に立ってほしい。

■もっとも、そうでない教員も居ないとだめだとも思っているけれど。要はバランスです。