こだま・ひびき始動?

 これ以上勉強しなくなったらおしまいだし、録画するのも面倒だし、ほとんど早い時間のお笑い番組をみていない。で、こんなことになっているとは知らなかった。芸が消費されるのはいやだという人は多いだろうし、勝ち抜き勝ち抜いたちうような二人のこれまでの経緯を見ても、やしきたかじんとはまた別のこだわりでこれまでのやり方でやってきたことはなんとなく伝わってくるし、つまりは売れようと思えばいつでも売れることはできたはずなんだろうし、さんまちゃんに呼ばれて「さんまのまんま」に出ていたときも、全国区で売れていいなぁみたいなネタかましつつも、修行時代のネタなどは、ばか面白く、かつさんまちゃんを東京の芸人というカンジで峻別するふうにも見え、笑い転げたわけだけど、このニュースにはびっくりした。

チッチキチー」で全国区へ

 「チッチキチー」って何だ?  ナインティナインが番組で連発するギャグをきっかけに、25周年の漫才コンビ大木こだま(54)ひびき(50)が初めて全国放送のCMに出演する。コンビのギャグ「チッチキチー」をナイナイが、「そんなヤツ、おら(へ)んやろ〜」を島田紳助がマネするうちに、本家の注目度も急上昇。上方の本格派が若手中心のお笑いブームに割って入る。
 こだま・ひびきが出演するCMは大手カー用品チェーンのキャンペーンで「車買うならチッチキチー」と踊っている。明日14日からの放送を前にして、12日、大阪市内で会見したこだまは「プッと吹き出しますよ」と照れた。関西ではすでに6本のCM出演を経験する人気者だが、全国区で放送されるのは初めてだった。
 きっかけは「チッチキチー」だ。吉本興業の後輩ナインティナインの番組にゲスト出演した際、食事の場面で満腹になったこだまが苦し紛れに「チッチキチー」とコメント。意味不明のフレーズを喜んだナイナイが以来、番組内で多用するようになり、こだまひびきのギャグとしても定着した。
 紳助もコンビがかねてから使うギャグ「そんなヤツ、おら(へ)んやろ〜」を番組で使うなど、こだま・ひびきのおもしろさを認める。ダウンタウンも一目置くなど、上方伝統の「ぼやき漫才」を継承するベテランは、全国のファンからも注目を浴び始めた。
 10月末に初のライブDVD「走れ!エンターテイナー〜スーパーライブ〜」を発売。全国放送の番組からの出演依頼も続き、今月末には大阪市内で初のディナーショーを開催する。1万8000円の入場料についてこだまは「これでも堀内孝雄の半分なんです」と恐縮しながら、25周年の大盛況を喜んでいる。
 吉本興業の関係者は「インパクトのあるギャグが入り込み、トークも認められて次第に若者の間で認知されるようになった」と分析する。ただし、2人に「チッチキチー」の大ヒットを問うと、口を閉ざす。認められたいのはギャグではなく、25年磨き続けた漫才なのだ。「チッチキチー」はきっかけにすぎない。骨太の本格派は「芸」のおもしろさで勝負する。(日刊スポーツ) - 11月13日10時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051113-00000051-nks-ent

 ナイナイや紳助がこだまひびきの一発ギャグをつかうというのは、サブローシローやさんまちゃんなどが、横山やすしの真似をするのに似ていると言ったら、言いすぎだろうか。通常一発ギャグというのは一発で終わりで二発目は無きにも等しいだろう。だから「チッチキチー」も消費されておしまいじゃんという危惧はあるのかもしれないけど、こだまひびきの場合この種のギャグは自在に繰り出せるの感がある。むしろすべてを消費してしまうかもしれない。「今の若手は出川を目指せ」みたいなことで、司会者になるか、出川になるかみたいなお笑い芸人の今後の道を、紳助は整理していたけど、こだまひびきが全国区になることで、新しい道や新しい場ができるのではないかと期待してしまう。

「萌え〜」@TRICK・SP

 本日も用事の続きがあり結局横浜泊。昨日に引き続き早い時間からテレビを見てしまった。さんまちゃん→大河→日曜洋画または行列がバカ親の基本的な視聴コース。ご長寿早押しは久々に見たが、パワフルご長寿揃い踏みというカンジでなかなか面白かった。大河は関心がないので本を読んだり、書き物を少ししたり。で、日曜洋画劇場特別企画・TRICK新作スペシャル 「死ぬ日を当てる女占い師〜逃れられない“暗黒厄年”の裏に潜む驚愕トリックとは…!?」を見る。どんなのか?ときかれたので、「サスペンスみたいなもんだね」と答え見ることになった。これを見て親がなんちうか非常に関心があったからだ。
 つまらなければすぐチャンネルを変える人たちだ。しかも、ふたりとも昨日たけしを遅くまで見ていて、眠そうであり、大河中もうとうとしていた。おまけに父親は風邪薬を飲んで爆睡準備オッケーと言うカンジ。ツマラなければ、寝るか、まわすかだ。念を入れて、TRICKが始まって、「ちょっと変っているし、つまらなかったら行列・・・にしよう」などと言っておいた。どんな人たちかをちょっと紹介しておく。父親は小卒。戦前からの映画ファン。東映を中心に1965年までの映画はほぼ封切でみている。今も映画番組はほとんど見ている。テレビの時代劇、ドラマ、アニメまで見ている人。母親は高卒。徒歩一分弱の今の場外馬券売り場のところにあった封切館でアメリカ映画を見て成長した。テレビはお笑いとサスペンスをよく見ている。そして二人ともサスペンスだけはいつも見ているという人たちである。父親は79歳、母親は71歳である。
 で、どうだったか。始まってすぐは眠そうだったのが、「最近は手品ブームだからね」などと言いながら、だんだんからだが起きてきて、最後は前のめりで見ていた。非常に面白かったんだろうと言うしかない。途中、生瀬刑事の部下=空耳アワータモリ相方を若くしたカンジみたいなヲタ仕様の椰子が、山田手品師をみて「萌え〜」と絶叫した。私は思わず飲み物を噴出しそうになり、痙攣しそうなカンジで笑い転げた。しかも、ひつこく。「萌え〜」と言い、さらには「萌え萌え萌え」と小刻みに言ったかと思うと、せりふの合間に「萌え」「萌え」とかぶせ、さらにはそのシーンが終るところも、萌え萌え萌え・・・と声が小さくなりちゃんちゃんみたいなカンジで、あまりのおかしさにしばらく笑っていた。馬鹿おやぢは「チッ!」と舌打ちし「わけわかんねぇところで知ったかぶりして笑いやがって」などと悔しそうだった。まぢガチで見ていやがる。
 最後のオチがついて、速攻母親はトイレにすっとんでいった。帰ってきて、「普通のサスペンスとは作り方が違うわね」と母親。父親は「この監督は、たけしみたいな作り方する人だな」。ぶっ飛んだ映像はあいかわらずだし、小うるさいくらいに小さなケレンがつみあげてあるし、でもこんなぢぢいばばあにもなにかが伝わったということだろう。まあ時間帯も考えて、それなりの作り方がしてあったことだけはまちがいなんだろうけど。
 などと思っていたら、映画とDVDの宣伝が入る。鬼ワロスのは、DVDのほう。「いつものオチ☆」などと諧謔韜晦しつつ、実はカットされた41分があったんだけど、そこには何があったでしょう??見たい人はDVD買うしかないよ、みたいにたたみかけていた。癒しと狂気を両極とした分かりやすい図式をかかげつつも、小気味よく繰り出されるリアリティは、不安定なバランスというような図式をもケラケラ笑ってしまって、シャカシャカシュパンシュパンで、実にいいものがありました。