お勧め本─『この国はどこで間違えたのか─沖縄と福島から見えた日本』


この国はどこで間違えたのか ~沖縄と福島から見えた日本~
アマゾン説明「沖縄本土復帰40年、福島第一原発稼動40年。高度経済成長の裏面に横たわる中央と地方の歪な主従関を硬派論客が語り尽くす。」
開沼博
「06年から福島に入って研究していて(中略)
(マスメディアは)沖縄を扱っても基地のフェンスは映さない、
福島を扱っても原発がすぐ近くにあることを明かさない。
周縁に対してメディアは「希望」を描こうとする作用がある。
それは一見、素晴らしいことのようにも思えますが、
かえって問題の本質を見えにくくしているのではないか、捉えています。」
福島に届かぬ"原発反対"の声 社会学者・開沼博さん<「どうする?原発」インタビュー第5回> | ニコニコニュース
福島も沖縄も、そういう面が確かにあった。

住民投票運動とローカルレジーム―新潟県巻町と根源的民主主義の細道,1994-2004

住民投票運動とローカルレジーム―新潟県巻町と根源的民主主義の細道,1994-2004

↑開沼氏が評価した巻原発にかかわる住民投票
オリエンタリズム 上 (平凡社ライブラリー)

オリエンタリズム 上 (平凡社ライブラリー)

↑‘なんかほめられているようでいいのかな’反応への開沼氏の答

内田樹
原子力技術というのは、端的に言えば「原爆をつくるテクノロジー」のことですから。
これはアメリカの軍事的属国である日本が独力でどうこうできるものではない。(中略)実際に日本の政治家たちが、原子力政策を推進した理由の一つは「原爆を製造する潜在的能力を持つ国」であることが外交カードとして有用だと思ったからです。」
加藤典洋×内田樹「この国の未来原発と橋下を語ろう」(週刊現代) | 現代ビジネス | 講談社(1/6)
選挙戦ではどちらからもアピールされない「真実」。

広井良典
「定常型社会における豊かさや幸福の手がかりは
遠いかなたにあるというよりは
私たちに身近なローカルな場所や古くからの風景、
あるいはそれへの愛着といったものの中に含まれているのではないでしょうか。
「成長」の旅の果てにたどり着いた場所で発見したものは、
いわば「もといた場所」で、わたしたちはそこへと回帰しつつ
もう一度、出発していくことになるのだと思います。」
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http://www.juris.hokudai.ac.jp/~academia/newsletter/no35/

今、被災地を中心にかみしめられている「真実」。
沖縄タイムス記者よりインタビューされた方々の意見に賛成するにしても反対するにしても、選挙の前に、この国の行く末を考えるのに有益な本としてお勧めしたい。


                 (2008.10 雄勝町新山神社 雄勝法印神楽)
「「もといた場所」で、わたしたちはそこへと回帰しつつ
もう一度、出発していくことになるのだと思います。」(広井良典)

                 (2008.10 雄勝町新山神社 雄勝法印神楽)
あの津波で失われたもの 今 改めて紡いでいます。
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それにしても東日本大震災後、初めてとなる衆院選(12.16日投開票)で、「震災からの復興」に力点が置かれていない。
[参考]
Blog「みずき」 辺見庸ロング・インタビュー「国策を問う ――沖縄と東北の40年」(沖縄タイムス 2012年5月10日、同11日)を読む
http://www.47news.jp/47topics/tsukuru/article/post_46.html