「涼宮ハルヒの憂鬱」のワケのわからなさ。

全然纏まってないんですが。ちなみに原作は未読です。自分。

現在までの「涼宮ハルヒの憂鬱」に対して自分が持っている印象は「訳がわからないんだが面白い」です。
このような作品は基本的にはあまり無い。つまり例外的にはあるということだが、この例外は少ない。
なぜなら、通常の作品は「物語の作法」に則って作られており、ハルヒはその作法に則っていないから。


「物語の作法」などと仰々しく書いたけど、これ自分の思っているだけのことで、普遍的なものではなく、
ただ物語の連続性の話をしたいというだけなんですが。

物語の連続性と時系列

Aという事象が起き、それを基点としてBという事態が発生する。そしてBがまたCを起こす。物語は繋がり、連続性を持つ。
これはA・Cと言うそれぞれ単独の事象の発生後に、あのときBということがあったからCが起きた、と作中で後述されたならば、
観測者の中でA→B→Cと物語は連続性を持つことになり、物語のパーツは欠けない。

我々は世界の一部しか視ていない

しかしながら、ハルヒの場合は原作を再構成していることもあってか、A→B→D→Cみたいな流れになっている(と思われる)
通常は時系列をシャッフルしたとしても、物語の作法に則っている作品はいずれその飛ばしたパーツを差し込んでくるハズなんですが、
どーもハルヒはすっ飛ばしすぎて、下手すればA→B→Dって来たら、Cは永遠に(観測者が)知りえない事象になるかもしれないような感覚を持たされる感じ。
此処で云うDは今回のハルヒで言えば、長門さんが宇宙人である(?)こととか、閉鎖空間とか、禁則事項のこととかの謎を指し、Cはその原因を指します。
しかし物語は確実に「Cという事象は存在した」として話は進むんですね。

このCの説明を飛ばされた感が、物語の連続性を失わせ、また、Cはその連続性を保つべき重大な情報かつ、欠落されることが許し難い情報であることが想像に難くないが故に、
「置いてきぼりにされた感」を感じさせる要因になっているんだろうなと思います。
そこで拒否反応起こすかどうかで作品が受け入れられるかどうかが変わっちゃうと思います。

自分は一応3話の最後で長門さんが宇宙人だってぶっちゃけてるから、あーもうなんでも来いやーと思ってました。

まあ正直、伏線の張り方が唐突で、マクガフィンちゃうんかそれ、みたいな懸念もやや一瞬生まれましたが、これはアニメ製作サイドが意図的に構成を崩してるんだろうと思います。

謎が謎であることと、作品の面白さの関係

さてハルヒの第4話は、謎を提示しつつも、その謎は謎のまま進められる。
でも、面白くなかったかというとそんなことはない。

さすがにハルヒの異常な行動力と価値観にも慣れたし
(というか2・3話の唯我独尊ぶりは人としてどうかと思ったが、人ではない可能性も出てきたので保留案件である)
野球大会に強引に誘われるくらいなら、騒がしく、行動力のある女の子と好意的にみえなくもーない。
いきなり目が細い人が出てきたのも驚いた。
千本ノックの時や試合でバッターボックスに立つ各人もそれぞれのキャラクターが垣間見えて面白い。
とにかく「もう普通じゃねえんだ(笑)」と思っていれば、長門さんが呪文唱え始めた後の展開も楽しめる。
まぁあと、良く動くアニメだ。こればっかりは今期最高だろう。
謎以外の部分で十分に楽しめるから許容というか、謎のプライオリティを下げることができるんだな。
これはもう、ハルヒのキャラクタ自体が始めからすっ飛んでるというか電波入ってるから許容できることなのかなあ…とも思うのだけれど。
普通じゃないことが普通になると、いろいろ寛容になるよね、みたいな(笑)
事実、「涼宮ハルヒの憂鬱」は意図的に原作未読者を混乱させることによって、ウケている部分はあると思います。
だからみんな原作を買いに走るんでしょう。原作には謎の答えがあるのが解っているんだし。

だから、自分が第4話を見終わって思ったのは「ああ、謎については後でわかるんだな、じゃあ今は別の所を楽しもうか」って。
あと、謎を知らないことで楽しめることもあると思うんですよね。想像が膨らむし。

逆にこのすっ飛ばし方が、作品に興味を引く理由にも繋がってると思っているのだけど、ハルヒは珍しくこういうやり方でやってきたって感じもします。


最近で似たような印象を持ったのは、「ハウルの動く城」かな。ハウルの話は時系列順に進むんだけど、どうも話がすっ飛ぶ。
ハウルは自分の中の物語の作法と大いに逸脱した作品で、大変その点が面白かった。
「天空の城のラピュタ」と同じ監督の作とは思えないほどの、物語の見せ方の実験ぷりというか。


ま、俺は、原作見ないで見続けると決めたので、このままテレビ版ハルヒを楽しみたいと思います。

だから、私はハルヒの謎を探る。

此処からはハルヒのテレビ版を見ての考察(というほどでもないメモのようなもの)

ハルヒの能力って、「世界を思い通りにする力」なんじゃないの?
まず、キョンがくじ引きで4番打者になったのは、「それをハルヒが望んだことだから」と言及する目が細い人。
閉鎖空間はその影響力が及ぶ範囲ってことかな?彼女は自分自身の能力を認識していないようだし、周囲も認識させてはいけないと思っている節がある。
しかし、「世界を思い通りにする能力」をハルヒが持っていると認識している人間たちは、自分達の都合の悪いようにならないように保安、あわよくば利用しようとしてるのかな?
そこで存在しているのが、長門さんとか目が細い人(名前覚えられないんです)とか下手すりゃみくるんとかもそーゆークチなんじゃないのか?
キョンが惚れてる(まだ気になってるレベルか)のは、みくるんだとして、やはり今回の試合中の閉鎖空間の発生の原因は、
みくるんをポニーテールにしようとしたら、それにキョンが見惚れてたのに、ハルヒが嫉妬したからじゃないの?とか。

いろいろと思うところはあった第4話(実際は7話らしいが)でしたが、こういう「設定を探る」みたいな楽しみ方に傾倒できるアニメ作品は久しぶりなので、
(といいつつ、なのはも設定部分は充分それに耐えうる作品でしたが、設定メインじゃないので)ちょっと、今、楽しいです。

って、上記の事項を同居人に尋ねたら、「禁則事項です」っていわれた(笑)
あと、ツガノガク好きなんで買っておいた漫画版ハルヒも「禁則事項だから読んじゃダメ」っていわれた。