今週のお題「SFといえば」 本を手に取って活字を目で追うという作業からは、ここ数年遠ざかっていました。その理由は、読書にあてていた通勤時間がなくなったことが一番ですが、老眼が進んでしまったというのも理由のひとつです(笑)。 SFというカテゴリー自体も、それほど多く読んではいませんでしたが、数少ない既読SF作品の中では、広瀬正さんの『マイナス・ゼロ』が読後何年経っても忘れられないほど強く印象に残っています。 タイムマシンを扱った王道SFで、舞台は昭和20年、戦時中の東京から始まります。主人公は当時中学2年生だった少年で、空襲の混乱の中、隣人の男性から死の間際に奇妙な遺言を受け取ります。大学の先生…