武道は人の身体を効率よく壊す技術を追及するものである。 暗い道を一人で歩くようにして、その技術の先にあるものを、時々考えながら自問自答している。 日常生活で使うことはないだろうと思っていた技を、意外なところで使うことになった。 まずは介護。 体が麻痺して動かない親の身体を、車椅子に移乗させたり、付き添い介助したり、様々な場面で武道の理が役に立った。 それと、ミゾオチにある丹田に気を集めるため、横隔膜の筋肉が鍛えられ、声が通るようになる。 声質が良くなって歌は上達するし、いざというときに良く通る大きな声が出せる。 「危ない! 」 と叫ぶと数百メートル離れた人が振り向く。 中国武術に試声という鍛錬…