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株主代表訴訟

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一般

株主代表訴訟

かぶぬしだいひょうそしょう

(注意)本文中の条文番号について、断りが無いものは新会社法(2006年5月より施行)のものを指してます。

趣旨

役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役及び会計監査人)の責任は、本来は会社が追求すべきだが、役員等の馴れ合いにより不問に付される可能性がある。

そこで、会社・株主の利益を守るために、株主が会社に代わって訴えを提起することで、役員等の責任を追及出来るようにした制度が株主代表訴訟(847条)である。

株主代表訴訟は、株主による監督権の中で、事後的対抗手段であると言われている。

(事前的対抗手段として「違法行為差止請求権(360条、422条)」がある)

訴訟の対象

代表訴訟の対象として、主に以下の3つがある(847条1項本文)。

  • 発起人、設立取締役監査役、役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役及び会計監査人)、清算人の責任追及
  • 違法な利益供与がなされた場合の、利益供与を受けた者からの利益の返還
  • 不公正価額での株式新株予約権引き受けの出資者からの差額支払い

会社の役員に対する損害賠償請求の時効は10年と解されることから、役員退任後も責任が存続する限り被告に成り得る。

提訴要件・手続

まず、6ヶ月前から継続して株式(1株でもよい)を保有する株主が、会社に対し書面その他の法務省令で定める方法で、役員等の責任を追及する訴えの提起を請求する(847条1項本文)。

その後、60日以内に会社が訴えを提起しない場合は、株主自らが会社のために訴えを提起することができる(847条3項)。

ただし、60日の期間を待っていては「会社に回復できない損害が生じる虞」がある場合は、直ちに訴えを提起できる(847条5項)。

ちなみに、代表訴訟の手数料(裁判所に納める訴訟費用)は一律13,000円。

会社が提訴しなかった場合で、当該請求をした株主又は責任追及された者からの請求があれば、訴えを提起しない理由を書面その他の方法により通知しなければならない(847条4項)。

濫訴等の防止

責任追及の訴えが、金銭を要求する、又は事実無根の主張を掲げて会社の信用を傷つけるなど不正な目的である場合、裁判所は訴えを却下することができる(847条1項但書)。

また裁判所は、被告の請求により、代表訴訟を提訴した株主に対し相当の担保を提供するよう命ずることができる(847条7項)。

判決の効果

原告株主が勝訴した場合は、敗訴した役員等は会社に対して賠償額などを支払わなければならない。

裁判費用の負担については、以下のようになっている。

(1)株主勝訴の場合

訴訟費用は敗訴役員等の負担となる(民訴61条)。また株主は、支出した訴訟費用以外の弁護士費用・調査費用の内、相当額を会社に対し請求することができる(852条1項・3項)。

(2)株主敗訴の場合

訴訟費用は株主の負担となる。ただし、敗訴しても会社を害することを知って行動したのでなければ、会社に対し損害賠償責任を負うことはない(852条2項・3項)。

一般

株主代表訴訟

かぶぬしだいひょうそしょう

取締役が違法行為をして会社に損害を与えた場合に、その会社の株主が会社に代わって取締役損害賠償を求める訴訟のこと。商法第267条に定められている。

第二百六十七条  六月前ヨリ引続キ株式ヲ有スル株主ハ会社ニ対シ書面ヲ以テ取締役ノ責任ヲ追及スル訴ノ提起ヲ請求スルコトヲ得

株主は代表訴訟を起こす前に、対象となる取締役に対する責任追及訴訟を起こすよう監査役に請求することが必要。請求後、60日以内に会社が訴訟を起こさなかった場合、株主は代表訴訟を起こすことができる。訴訟を起こすには6カ月前から株式を保有している株主であることが条件。

訴訟提起の手数料は1993年の商法改正で一律8,200円に軽減された。