学校全体がザワつくレベルで荒れていた、我が中学。でも、その中でも私のクラスは…群を抜いて最上級。ちょっとした「修羅の国」だった。 そんな荒廃した日々の中でも、私は中2よりマシになった自分をなんとか保ち、「これは成長…」と心の中で自分に花マルをあげながら、毎日をやり過ごしていた。 そんなある日、急に彼氏ができた。そう、高田くんである。 高田くんは、周りからは恐れられていたけれど、根は実直でまっすぐな青年だった。まっすぐすぎて、ちょっと怖いくらいに。 彼の家は、若くして結婚した両親と、兄弟姉妹がワンサカいる大家族。その長男として、責任感と将来への焦りが混ざったような雰囲気をまとっていた。中学生にし…