ヘヴィメタルバンド
80年代に最盛期を迎えたグラムメタル陣の中でブリティッシュ・メタル風の叙情性を持ち、異質な魅力を放っていたのがドッケンである。82年にデビューを飾り、84年の「トゥース・アンド・ネイル」にてブレイク。
大陸的な空気感と欧州独特の湿り気を同居させ、キャッチーなサビ・メロを配した稀有なサウンドを展開する。また、バラードも上手い。ドン・ドッケンの甘い歌唱と、当時ギター・キッズたちの羨望の的であったジョージ・リンチのへヴィ且つテクニカルなプレイは、絶妙なバランスを生み出す。そして攻撃的なナンバーからバラードまでを網羅しドッケンの一枚看板となった。
また、公私にわたって不仲が有名であった2人だが、音楽面では、その対立関係がサウンドに(いい意味で)の緊張感を与えていたのもまた事実である。