nanoプロジェクト
EOF: Saville et al (2000) J.Chem.Phys. に目を通す。
また別の世界の話だ……。 electro-optic response of polyelectrolyte solutions の話なんだそうだが、 "electro-optic"って何じゃ?
ってことで急に、磁場との coupling とか、 photonics (optics?) と fluidics の coupling とか、(やけくそ気味に)検索に走る。 一体いつ地上に帰還できるんだろうか?
web を見てたら、オランダでの知り合いが何とシンガポールにポジションをゲットしたらしい。
さっそくメールを書いておく。 ヨーロッパには落ち着けなかった、ということなのかな(彼はドイツ人)。
そういえば、ここ数年、シンガポールからの科学系の公募が結構目についていたようにも思う。 一つくらいは出したことあったかもしれない(が、何の反応もなかった)。 中国も APS とかに公募が出てるけど、中国人の友人曰く、アメリカとかでポジションを持ってる くらいの人でないと取らない(それくらい競争率が高い)のだそうだ。
付記:返事が来た。聞けば色々とあったそうだが、 それを「波乱万丈」とか言い切ってしまうのは止めておく (我々が我々のことをそう言われると「何も分かってないくせに」と頭にくると思うので)。 彼曰く「シンガポールには(その手の)職は(今は?)沢山あるので、 その気があれば俺に言ってくれ」とのこと。そう言ってくれることがありがたい。 今はまだまだ引越しアレルギー中なので、考えてないけど。
夜、ふと思い立ってダンボールの中に入っていた家で一番重たい本を引っ張り出して来る。
その本とは Lars Onsager の論文集。 これは(前にも書いたかもしれないけど)98年の春先だったかな、 tucsonに訪ねた gregory eyink (彼は今は JHU に居る)の影響で、 その後手に入れた本。 その当時の私の関心は主に非平衡系の話だった。 もちろん greg の関心はもっと広くて深くて (特に初期の仕事はほとんど純粋に onsager に触発されたものなんだと、 訪ねたときに思ったくらい)、最近も彼の書いた onsager と乱流に関する広範な論文 を目にして(中身は読めていないけど)、妙に納得した。
今回の私の関心は、 "electrolyte", onsager と debye の逸話のネタであり、 彼が最晩年に再び戻ってきたネタ (例の hubbard-onsager)であり、 その本でも誰だかが「onsager の初恋」と言っていた、 その subject に興味があったので。しかし(というか案の定というか)、 物理よりも(つまり onsager の論文よりも) commentary に書かれた彼の人物像や 背景の記述の方にばかり目が行ってしまった。 ある評者の文章に「一般に広まっている論文の粗製濫造という悪癖を onsager はその行動によって否定した」、 (つまり論文はあまり書かなかった(細心に吟味して書いていた)という意味) ような記述があった。それでも(しかも全集ではない状態でも)電話帳以上の本になるわけで、 まあ圧倒的に違う世界のお話だけど。