音楽劇「夜のピクニック」を観に水戸へ行ってきたよ

未来サポートプロジェクトvol.8「音楽劇 夜のピクニック
原作:恩田 陸「夜のピクニック」(新潮文庫刊)
演出:深作健太
脚本:高橋知伽江
作曲・音楽監督:扇谷研人
出演:吉川 友/加藤良輔 小林日奈子 内藤大希/剣 幸
浅野 望 内田陽子 大内慶子 川粼優太 菊地侑紀 鈴木麻美(スー・アサミ) 滝本 圭 橘 輝(劇団鹿殺し) 橋本昭博 疋田誉人 別府理彩 るか(水戸ご当地アイドル(仮)) 大澤彩夢・荻沼栄音(子役・ダブルキャスト
大内真智 川崎賢一 小林祐介 澤田考司 塩谷 亮

茨城県へはRIJFひたちなかへしか行ったことがなかったけど、はじめての水戸市。そういえば大学のころ付き合ってた男の子は水戸出身で、マックスコーヒーを教えてもらったことを思い出した。行きは各駅停車、マチソワ観て、帰りは上野止まり最終の特急で帰ってきました。両側にアーケードがある駅前の大通りの行きつく先に、城址や歴史的公園(水戸なら偕楽園)があって、その手前に文化芸術振興のための施設やホールがぐぐぐっと軒を連ねる、その一方で同じエリアに歓楽街がひっそりとひしめいている様を見ると、ああ地方都市に来たなあと感じる。私が心のなかに一番抱えているノスタルジーだった。
地方自治体の芸術文化活動が潤沢なのは本当に喜ばしいこと。しかもその街が、その街の人たちのために作り上げた作品で、お客さんも、演者よりその「公演」を観に来た人たちがほとんど(たぶん)。おそらく普段観劇してない人たちにも届きやすいようにしてる演出、耳に残りやすくて優しい音楽、何より、今まさに「歩く会」を知っている子どもたちへの、憧憬にも近い大人からの愛情が溢れていました。伝えたいことと伝えたい相手がはっきりしてた。こんな舞台作品、ひさしぶりに観たかもしれない(笑)。地元の高校生のための貸切公演があったり、ローカルキャストの人たちは、プロの演者や作り手と地元でこうした経験ができたということが何よりもきらめく思い出になったらいいよね。水戸出身の加藤くんが、「地元の仕事したくてオーディション受けて」、こういうお仕事ができて、本当に良かったねえと思う…。決して便利ではない地方都市で、1か月以上も大勢と一緒に居て何かを成すということ、大人になってからするほうが、ずっとずっと輝かしい。青春するって、また次の日を歩いていく活力だよね。応援してる人のそういう姿を観れることが何よりもうれしい。

原作も一応読んでいったのだけれど、歩いている子どもたちをフューチャーするのではなく、歩いている子どもたちを見守る人たちを浮かび上がらせていて、小説の読後感にあった子どもたちだけの自己完結に対する違和感をふんわりとカバーしてくれた気がする。時間制限のある舞台でこの小説をどう表現するだろうと思っていたけど、親子愛、地元愛、青春愛が一貫してて、とっても分かりやすい(さっきも書いたけど舞台慣れしてない人にとってはすごく大事なこと)ものになっていた。読んでない人が居たらこれを機会に小説も読んでみてね〜って余分を残してる感じもあり。そして合唱曲で泣いちゃう人間だから、優しくてあったかいメインテーマに終始うっとりしてました。あれを何度も聴きたい、いっそ一緒に歌いたい。もし昔に戻れるならいっぱい合唱コンクールしたい。「振り返るにはまだ若すぎる」「両手に余る野心を抱え」「大人になる前のやわらかな季節を」といった歌詞も、大人から子どもたちへ、若さへの、永遠に敵わない憧れを歌ってるよなあ。

加藤くんの融と、大希くんの忍が、原作を読んでからもう楽しみでならなかったんだけど、舞台のなかでも外でもずーっと一緒のふたり、本当にかわいらしかった。ビジュアルもイメージ通りすぎた。途中で大希くんのサービスプレゼンタイムなのかな?って時間もあり(笑)、あのときの帽子にマックスコーヒーを入れてくるのも、「殿、温めておきました」のセリフが残っていたのも嬉しかったなあ。あと大希くんは個人的に恩田陸顔だと思うんだよ…(?)。


水戸についていろいろ行きたかったんだけども、なにせすぐ歩いちゃうからあんまり遊んでいる時間はなく、マチネの前に芸術館の近くのかわいい洋食屋さんで自家製ハンバーグを食べました。

マチソワ間に、閉店30分前の郵便局へいってご当地フォルムカードを2種ゲットする。

あと「栗」とかもあったんだけど、茨城、茶色いな!笑

カフェ「Zin」というお店で休憩。ケイクアナナ(パイナップルとココナッツのパウンドケーキ)がめっちゃくちゃ美味しかった…。
マチネ後は、「しとらす」というラーメン屋に行った。大希くんもたまに行ってたらしい、近いもんね(笑)。

会場まで、京成百貨店内ふくめ3軒もある「但馬屋」という豆菓子屋さんでいろいろ買ったのだけど、豆菓子が好きすぎて止まらない。開けたら最後になってしまう。お土産で買ったけど自分で全部食べたいくらい…もっと買ってきたかったけど、乾きもんのお菓子はかさばるからのう…。

このところツアーもなく、何をか観にどこかへ行くということがなかったので、日帰り遠征はとっても楽しかったです。今度はちゃんと美術館も巡りたいし偕楽園もゆっくり行きたいなあ。