くらのすけの映画日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

日記ロゴ 「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。
なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。
また、大ファンの上戸彩さんのBLOGも運営しています
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2017-10-19 映画感想「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」「月と雷」 このエントリーを含むブックマーク

kurawan2017-10-19

「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」

眠くて眠くて参った。物語の中心に置くべきE.1027の建造物のすごさを描写しないために、何がどうかわからないままに、凄い凄いというセリフだけでル・コルビュジエとアイリーン・グレイの話が展開して行く。監督メアリー・マクガキアンという人です。

オークション会場に映画が始まる。高価な椅子落札され物語は家具製作成功しているアイリーン・グレイの姿からル・コルビュジエとの出合いまで描かれるが、時折ル・コルビュジエがこちらに呟くカットが挿入されて心理描写をする。これがまた弱い。

淡々と進んでいるというより、ぼやけた感じで展開して行く感じで、ストーリー全体がくっきりと見えてこないために、結局、最後はアイリーンの死で映画が終わる。

その道では世界的に有名な人たちの話なのに、それを見せる絵が存在しないのが最大の欠点でしょうか、残念な作品でした。

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「月と雷」

角田光代原作のドラマで、おそらく面白い話なのだろうが、妙に一つ一つの描写がくどいのと編集のテンポが悪いのか映画が乗ってこないままにやたら長く引っ張ってしんどくなってしまった。監督安藤尋

ある家、二人の子供が遊んでいる。床はものが散らばっている。カットが変わるとタンスから二人が出てくる。同じく床に服が散らばっていて、それをなんともしない母親らしい女がタバコを吸っている。次にカットが変わる。女の子が外に出ると綺麗に片付いた部屋、そして遊んでいた男の子も女もいない。このオープニングはなかなかいい。

主人公泰子はスーパーレジを打ちながら、結婚も間近の毎日。ところがある日一人の男の子が訪ねてくる。なんと幼い時に遊んだ智で、ふらっとやってきて、なぜかその夜、体を合わせる。智の母親直子はふらふらと家を渡り歩いている。かつては泰子の父親と一緒だったが突然出て行ったのだ。

泰子は、昔出て行った母親を探し当て再会したが、その母や料理研究家でその娘亜里砂も泰子の家でしばらく一緒に暮らす。

淡々不思議な話が展開、やがて泰子は智の子供を妊娠し、直子は出て行き、智、泰子、子供の三人で暮らし始めるが、直子は行先で死んでしまう。そしてある日泰子が帰ってくると智もまたいなくなっていた。

小気味よくカットを繰り返してコンパクトにまとめればすごくいい映画になりそうだったが、どうも間延び感が強すぎて残念な仕上がりになっていました。おそらく原作もっとうまくまとめていたのでしょうが、脚本の弱さもあるのかもしれません。

2017-10-18 映画感想「ブレードランナー」(ファイナルカット)「その人は昔」 このエントリーを含むブックマーク

kurawan2017-10-18

ブレードランナー」(ファイナルカット)

初めて見てから、DVDなどで見直したものの、大スクリーン見直したのは初めてであるが、たしかにこのビュジュアル感はすごいと思う。ジョン・ダイクストラの特撮と、日本の道頓堀界隈をモチーフにしたと言われる街並み、灯と暗闇だけの未来世界は圧倒されるし、おそらく、CG全盛でも創造力がなければこういう映画は撮れないと思う。あくまで原作者」フィリップ・K・ディックの世界だと見れば、見事な傑作だった。この映画を、脱走したレプリカントを追うブレードランナーの物語としてアクションと捉えると、完全に的外れになって退屈である。あくまでディックのハードSFの世界なのである

物語の背景と舞台が説明されて映画が始まる。レプリカントを捜査する特殊捜査官デッカードが一人また一人とレプリカントを倒して行くのが物語。

ショーウィンドウを次々と打ち破りながら撃たれて行くシーンが美しい。一方、レプリカントを作った会社に居るレプリカントレイチェルデッカードとのラブストーリーも傍で展開。

最強のレプリカントロイとの一騎討ちクライマックスとなる。そして、ビル屋上から落ち掛けるデッカードは、間一髪、ロイに引き上げられるが、ロイ寿命が尽きてデッカードの目の前でゆっくり眠るように死んで行く。抱いていた白い鳩が舞い上がり、意識がなくならないように手のひらに釘をさすなどの演出に、何かしら意味を見出そうと構想される部分である

そして、戻ったデッカードは眠っっているレイチェルを見る。彼女レプリカントなら四年という寿命で死んでいる。ところが目を覚ましたレイチェルデッカードと手に手を取りいずこかへ消えて行く。

いたるところに散りばめられた意味深カットの数々に、カリスマ的な人気になった作品ですが、この世界観は誰もが引き込まれてしまいますね。やはり一種のSF映画金字塔と呼べるものかもしれません。

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「その人は昔」

いわゆる歌謡映画というジャンル作品で、当時のスター舟木一夫と内藤洋子を見せるだけの作品であるが、映画全盛期の息吹が感じられる華やかで楽しい作品でした。監督松山善三です。

北海道で昆布を取る漁師の家に育った二人の若者が、東京に夢を求めて出るものの、やがて華やかさの中に埋れてしまい自分を見失ってしまう。

我に返った二人は、もう一度一からやり直そうと誓って、会う約束をするが、舟木は予期せぬ事故で約束の場所に行けず、悲観した内藤はボートに乗り自殺する。

なんでやねんというのが繰り返される雑な脚本ですが、大量生産映画を作っていた時代の空気を感じられる一本でした。

2017-10-17 映画感想「野良犬」(4Kマスター)「下町の太陽」「私たちの結婚」 このエントリーを含むブックマーク

kurawan2017-10-17

野良犬」(4Kマスター)

やはり黒澤明は凄い。何十年ぶりかで見直したけれど、改めて、怖いほどの演出に圧倒される。それに、サスペンス面白さもさることながら、人間ドラマが半端ではないために、スクリーンに釘付けになり涙が溢れてきます。これが抜きん出た傑作と凡作の違いでしょうね。身動きできないくらい打ちのめされました。

物語は今更ですが、新人の刑事が電車の中でピストルをすられるところから物語が始まる。何とか手がかりを得ようと日夜うらぶれた身なりでうろつく三船扮する主人公映像が延々と続くが、やっと、なにがしかのきっかけをつかんだところで、盗まれたピストル犯罪が行われる。

ベテラン刑事の志村喬と組んで犯人を追い詰めて行くが、少し前進したところで、今度は殺人事件が起こる。三船の恐ろしいほどの焦りの演技の凄まじさもさることながら、脇役が背中で演じる演技の素晴らしさに息を飲む。

そして犯人を追い詰めて行くクライマックス志村喬犯人のねぐらに到着、激しい雨、電話をかけるが、聞こえづらく、そこへラジオの音楽が流れ、さりげないセリフで犯人が警察が来たことを知り逃げる、追いかける志村がうたれる。

残った三船は志村の手術が無事にすんでも病室から離れられず、とうとう犯人の女から、待ち合わせの駅を教えられる。そしてラスト、追い詰めた三船は犯人に残る弾を自らを標的に撃たせる。庭の向こうでピアノが流れ始める。有名なラストシーンである

そして三船が手錠をかける、傍を小学生がちょうちょの歌を歌ってさる。花を見上げた犯人号泣する。ここで涙が溢れた。この犯人も幼き日があった。チョウチョを見て遊んだ日々があった。なのに今自分が手錠を嵌められている。このラストがすごい。こんな脚本は凡人にはかけないと思う。

そしてエピローグ。病室腕志村を見舞う三船のカットエンディングである。これが名作。これが映画史に残る傑作。作って見たくなる映画

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「下町の太陽

この前年に「キューポラのある街」があるために見劣りしてしまうが、かなりの傑作である山田洋次監督の長編第一作。

主人公町子は下町の貧乏暮らしで、石鹸工場女工である彼女には正社員ではないサラリーマン恋人がいる。ここに下町の鉄工所の工場で働く青年が彼女たちのグループと関わり始めるのが物語の中心となる。

橋を遠景で捉えるカットや、堤防を舞台にしたストーリー展開など「キューポラのある街」を意識したと言われても仕方ないかもしれないが、そこは作り方がやはり山田洋次浦山桐郎監督とは根本的な違いも見える。

さりげない下町の人々の機微が、老人たちが集い日向ぼっこするカットに町子が絡んだり、町子の弟がちょっとしたおもちゃ友達と盗んだり、実にさりげない空気感を描いて行く様がうまいというほかない。これもまた名作と言える一本なのだ

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「私たちの結婚

篠田正浩監督作品ですが、下町の人々の話で、「下町の太陽」と似通った作品でした。

会社の経理課に勤める圭子のところの一人の若者駒倉がやって来て、給与計算が違うから文句をつけにくるところから映画が始まる。圭子には世話焼きの妹冴子がいる。両親は海苔の養殖をしているが生活は芳しくなく、貧乏暮らしである

ここに都会の会社に勤める古い知人の松本がやって来て、圭子に交際を申し込むから話がややこしくなってくる。ピュアな恋愛を夢見る冴子は貧乏でも美しい恋愛成就させたく駒倉と圭子の仲を取り持とうと奔走するが、結局、圭子は誠実でそれなりの収入のある松本のところに行くことにする。

まじめに、当時の生活色を描いた秀作で、しっかりと作られているのが見事。クオリティの高さがくっきり見られる作品とい感じの映画でした。

2017-10-16 映画感想「わたしたち」「あなた、そこにいてくれますか」「リングサ このエントリーを含むブックマーク

kurawan2017-10-16

わたしたち

なるほど、映画になっている。みずみずしいほどに一瞬の時間を切り取ったストーリー構成淡々と進む中に主人公たちの心の動きを目の当たりに見せてくれる演出が素晴らしい。映画づくりの究極の世界がここにあるという一本だった。監督は韓国のユン・ガウンという人です。

韓国の小学校子供達がジャンケンをしてチーム分けをしている。主人公ソンをひたすらカメラは追いかけるが、誰も指名してくれないまま、最後に残ってチームに入る。しかし、すぐに線を踏んだと外に出される。どうやらクラスでは除け者にされている風である

夏休み前、たまたま転校してクラスを見に来ていたジアと出会ったソンはすっかり仲良くなり夏休みを過ごすが、貧しい暮らしのソンと、祖母と暮らし裕福なジアとの距離ができていて、クラスリーダー的なボラと仲良くなったジアは一緒にソンをいじめる側に回る。

しかし、ジアもまた前の学校でいじめられていて、またイギリスにいたなどという虚勢を張っているのが少しずつバレて、ジアもまたいじめられるようになる。

しかし、一旦仲が悪くなったジアとソンはなかなか打ち解けられない。ラスト、冒頭と同じドッチボールのチーム分け、ジアもまた残されてしまうが、とりあえず、チーム分け、そしてソンと同じく線を踏んだと友達に責められるのをソンが、「そんなことない」と助ける。

枠の外で二人が並んでいるカットエンディング。二人は仲直りするのかという余韻を残すこのラストうまい。ただ、うまいというほかない作品でした。

淡々と物語が展開しますが、長回し主人公たちを捉え、その表情の変化とさりげない出来事の積み重ねで、心の動きを描写して行く。不思議なくらいに劇的なリズム感にいつのまにか引き込まれます。大した作品でした。

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「あなた、そこにいてくれますか」

ベストセラーのフランス小説を映画化した韓国映画ですが、流石にこのくどさは韓国映画ですねという作品でした。畳み掛けが弱いために、盛り上がるべきところでスピードが上がってこなくて、泣かせるラストいまいちで終わる。タイムトラベルものの常道なんですが、一歩足りないのが残念。監督はホン・ジヨンです。

カンボジアで医療ボランティアをしている主人公ハン・スヒョンは、雨季を前に、一旦帰国するべくヘリコプターに乗り込もうとしていたが、赤ん坊を抱えたひとりの瞽の老人が治療を求めてくる。一旦ヘリに乗り込んだものの、気になって治療に降りたスヒョン、その老人に不思議10粒の薬をもらう。それは行きたい過去にいける薬だった。

帰国後早速その薬を試すと、なんと三十年前に時間移動してしまい、若き日の自分出会う。そして、亡くしてしまった恋人ヨナに会おうとする。一方、現代では、ヨナと結婚しなかった自分の愛する娘スアがいた。過去でヨナを助けるとスアが生まれない。どちらも選びたいスヒョンは、ヨナを助け、過去のスヒョンにヨナと別れさせるという決断をし、奔走する。

二重存在矛盾を無視した前提で物語が進み、ヨナを助け、スアの母親とも出会う流れに無事乗せてしまうが、スヒョンは肺がんで死んでしまう。しかし、残された告白手記を読んだ親友のテホは、あと一粒残っているはずという薬を手に入れ、過去に戻り、若きスヒョンにタバコをやめさせに行く。

そして現代、亡くなったはずのスヒョンは無事で、事故で足を痛めたヨナと再会して映画が終わる。

二重三重に積み重ねられた典型的なタイムトラベルもので、泣かせるように組み立てられているのに泣けないのは、どこかテンポが悪いのでしょう。ちょっと残念な一本でした。

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リングサイド・ストーリー

これはいい映画だった。映画としてなかなかの秀作という意味です。物語としてはあまり好みではないし、この映画の中の主人公の男性像は好みではないですが、作品出来栄えは認めざるを得ない出来栄えでした。監督は武正晴です。

主人公カナコが仕事をクビになる場面から映画が始まる。彼女には売れない役者ヒデオという恋人がいて同棲している。一度だけ大河ドラマの端役をしたことの栄光が忘れられず、小さな仕事をバカにして蹴りながらカナコの紐のような生活をしている。

そんなヒデオはカナコにプロレス興行事務所仕事を勧め、まんまと仕事に着かせるが、カナコはその仕事にどんどんのめり込んで行く。一方、へ理屈ばかりで何の仕事もせず、オーディションも落ち、何もかもに後ろ向きな割に、妙な見栄と情けない嫉妬だけのヒデオはどんどん卑屈になって行く。この徹底的にステロタイプ化されたキャラクターを瑛太が見事に演じている一方で、すでにいい年になり大人の演技を見せる佐藤江梨子の対比が実にいい。

ちょっとしたことから、Kー1の選手と戦うことになったヒデオは、付け焼き刃のトレーニングを開始、試合の日がやってくるが、時間になっても現れない。不戦勝の発表をしようとした矢先、派手なパフォーマンスで飛び込んできたヒデオは颯爽とリングに上がるが、結局一発でダウンさせられる。しかし、この瞬間彼には何かが見えたらしく、カナコとの仲も元に戻り、それぞれ前向きに歩み始めて映画が終わる。

画面の切り替えのテンポが実にうまく、クルクルと面白おかしく転換して行く編集が最高で、そのリズムに瑛太の必死の演技が被って行って、映像が小躍りして行く。

とにかく軽やかな映画、そんな佳作に出会った感じの一本でした。

2017-10-14 映画感想「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」 このエントリーを含むブックマーク

kurawan2017-10-14

猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」

猿の惑星シリーズの三作目、元ネタの流れを汲んで行く大河ドラマなので、ラストはそれなりに胸に迫るものもあった。でも、どう見ても「地獄の黙示録」やったなという感じです。監督はマット・リーブス。

人間と猿の戦いも二年となり、猿のリーダーシーザーは森の奥地で隠れている。ある時、人間大佐が襲ってきてシーザーの妻と息子一人殺され、シーザー大佐復讐を誓い、近い仲間三匹と森を出るが、その間に猿たちが捕まり、大佐が潜む森の奥地で巨大な壁づくりをさせられていた。

物語は復讐燃えるシーザー大佐本拠地にたどり着き、仲間を脱出させるべく作戦を立てるアクション仕立ての展開となっているが、どう見ても大佐はカーツ大佐イメージだし、要塞様相はまさに「地獄の黙示録である

大佐は、自分たち抹殺しようと迫る別の人間たちを恐れていて、シーザーが猿たちの脱走に成功した矢先、大佐討伐の人間軍団が襲いかかり、しかも大佐は猿ウィルスにかかり自殺大佐の軍は殲滅させられるが、その直後雪崩が襲い、攻撃軍も全滅。猿たちはなんとか逃げ果せるが、シーザーはその時に傷をおい、息を引き取りエンディング

それなりに面白い出来栄えになっていますが、それ以上でも以下でもない作品でした。シーザーの生き残った息子コーネリアスが物語を引き継ぐのでしょうね。