【長文御免】「Xperiaはiモードには対応しておりません」ならば、改めて次善策を考える

【2010/03/24】 短期間での各ソリューションのアップデートにより、このエントリの内容は一気に陳腐化しましたので、内容をアップデートして再エントリしました。こちらへどうぞ。

とりあえ(ー)ず、西友ニトリ・アエーズ・IKEAネタは昨日でいったん封印。
で、この週末、件数的には「アエーズ」の半分程度ながら、目立っていたのが「iモードメール」関連、中でも「Xperia」や「スマートフォン」とセットで検索してきている人の多さです。現時点でのスマートフォンでのiモードメールソリューションの決定版「imoten 設定」もかなり多くて、今朝見てみたらGoogleからの検索結果に限れば、アエーズより上に来ていました。ドコモの格安バリュー化とかも相変わらず根強いですが。
で、ドコモ&ソニエリXperiaへの力の入れようは、ドコモスマフォとしては前例がないほどですね。モックアップ(コールドモック)が発売までまだ1ヶ月以上もあるというのに、ドコモショップや大型家電量販店はもちろん、昨日は近所のイトーヨーカドーの携帯電話売場(併売店)にまで置かれていたのを確認(ただし、そのヨーカドーではそのモックがXperiaであることを説明するPOPなどは一切なく、ただ単に「近日発売」という貼り紙があっただけでしたが)。タッチ&トライイベントなども始まっている中、Xperiaiモードメールに関するキーワードで、情報のそれほどない自分のblogにまでアクセスが増えているのは、Xperiaについての関心の高さと、「ドコモ スマートフォン」におけるiモードメール対応可否や使い方についての情報への渇望を反映していると思います。
目下のところ、ドコモのWM端末ではmopera Uメールが、Xperiaを含むAndroid端末ではGmailが標準メールという状態で、これは当面変わらないことでしょう。Xperiaのカタログ(暫定版)やドコモ総合カタログ3月号のXperiaのページにもiモードには対応しておりません」と明記されています。そんな状態ですから、Xperiaではあまりiモードメールへの対応については決して期待せず、あっさり諦めておいた方がよいかと思います。期待していなかったのに後で対応してもらえたりすれば万々歳ですし、スルーされてもともとですから。
と、いうわけで、少なくともXperiaやほかのドコモスマフォが直近でiモードメールに公式対応というのはありえないので、次善の策を考えなければならないでしょう。過去にここで言及した内容の一部繰り返しになりますが、とりあえずiモード端末を使っている人がXperiaに機種変更することを念頭に、ドコモのAndroid端末で利用可能なメールの長所と短所について、本日現在の情報でまとめてみました。Windows Mobileやその他のスマートフォンOSについては考慮していません。あと、個々のメール手段についての詳細も省略します。ここの過去のエントリを参照するか、またはググってください。

名称 プッシュ 可達性 写メ 絵文字 デコメ 変えたよ スキル 手間 PC 料金
iモードメール(参考) - - - × \315
iモード.net(Web) × × × \735
iモード.net+IMoNi × × \735
iモード.net+imoten × \735
mopera Uメール × × \525
Gmail × × \315

  • 【追記19:45】 iモード.net モバイルモード(Webメール)を一応追加しました。まあ、単体で使う人は少ないだろうとは思いますが…
  • iモードメールはケータイメールに求められる基本的なスペックということで、比較の参考として。直接Xperiaiモードメールを使うことはできませんので念のため。
  • 「プッシュ」はプッシュ受信できるかどうか。プッシュの定義については議論もありますが、とりあえずGmailはパケットさえ接続されていれば実用上プッシュなので○、あとは定期受信(プル)なので△としました。Webメールのモバイルモードにはもちろんプッシュもプルもありません。
  • 「可達性」は相手が通常の携帯電話のキャリアメールで「携帯電話以外からの(PCからの)メール拒否」を設定していても届くかどうか。mopera Uメールはドコモのみ可達なので△。
  • 「写メ」はファイル添付の可否。これは説明不要ですね。
  • 「絵文字」は絵文字対応状況。主に送信側の、入力支援の有無や手間を加味して評価しています。imotenでは普通のメーラーを使うため、送信エンコード設定がUTF-8シフトJISでないと絵文字が送れないので△。mopera Uでも同様な手間で絵文字を送信できますが、対他社の絵文字変換サーバーが用意されていないなど絵文字使用は想定外なので×。Gmailは基本がUTF-8なので、simejiの絵文字ピッカーとかと組み合わせればかなり行けます。
  • 「デコメ」はデコメール対応状況。作成ができれば○。受信だけなら△。HTMLメールなのでメーラーさえ対応していれば受信はできます。現状、Androidで○はないですね。
  • 「変えたよ」は「メールアドレス変えたよ」の連絡が不要か否か。○と×の2択。不要なら○、必要なら×。
  • 「スキル」は使い始めまでの設定の敷居の高さ。やや主観入っています。敷居が低ければ○、高ければ×。中間が△。
  • 「手間」は管理上の手間、これも主観入りですが、iモードセンターにあるメールやiモード.netのログイン通知メールを消すためにiモード端末にFOMAカードを挿し替えるというのはメールの多い人ほど手間がかかると思うので。imotenはログイン通知メールが少なめなので△。IMoNiは定期受信の設定間隔にもよりますが、結構多いです。モバイルモードはログインした回数だけ必要。
  • 「PC」は同じメアドを使ってのPCからのメール送受信の可否。モバイルモードとIMoNiが△なのは、PCではiモード.net利用なのでWebメール利用、普通のメーラーではないのでやや利便性に欠ける、ということです。iモードメールは単体(基本料の範囲)でPCでの受信ができないので×。
  • 「料金」はアクセスラインとメールを使うのに必要な付加料金をすべて合計。iモード:基本料\315/月、iモード.net:\210/月、mopera Uは「mopera Uメール」のみアドレスの付いてくる「Uスタンダードプラン」:\525/月、他はメアドなしの「Uライトプラン」:\315/月で計算しています。キャンペーンなどは一切考慮せず。当然、通話基本料とパケット通信料は別途必要です。

もちろん、実際にはもっといろいろな組み合わせや裏技的利用法が考えられます。たとえばmopera Uメールをメインで使おうとしている人は受信メール転送機能を併用してGmailに転送することで、プッシュと同様の使い勝手を実現できるかと思います。ここに挙げたメールを全部使おうという人もいるでしょう。その場合の料金は\1,050になります。\1,050+通話基本料+パケ(3/31以前の時点ではBiz)・ホーダイ ダブル/シンプル定額料(+端末割賦金)。
で、こうして各メールを並べてみると、つくづく残念だなと思うのはmopera Uメールの置かれた状況ですね。本来ならプッシュ受信可能な作りのはず。あと可達性の低さ。キャリアがスマフォのために通常端末用とは別に用意したメールということで、立ち位置としてはiPhone 3Gの国内発売時に用意された「i.softbank.jp」メールとほぼ同じで、SMSトリガー方式によるプッシュ受信にPCメール(IMAP4)としても使用可という、仕様上も共通点が多いのに、片や「iPhoneの標準メール」という理由だけでドコモ、auともに携帯電話メールのホワイトリストに載せ、PCメール拒否設定の対象外として特別扱いされています。
一方のmopera Uメール、相変わらずケータイメールとして扱っているのはドコモだけ。auソフトバンクも相変わらずPCメール扱いし、ホワイトリストに載せないままです。mopera.netやi.softbank.jpメールに相当するメールを持っていないauGmailのシステムをまるまる借りて流用しているだけのau oneメールは違いますよね)はともかく、SBMがmopera.net、それとdocomo.blackberry.comもですが、ホワイトリストに載せないのは、相互主義の観点からみてどうなのか? と思います。というか、この件でこれまでにドコモがSBMauに対して働きかけたことってあるのでしょうか? 憶測ですが、何も働きかけていないから今の状態なわけですよね。
mopera Uメールが各社でケータイメール扱いになるだけで、iモードメールの実現如何に関わらず「ドコモスマフォからは他社通常端末(ガラケー)にメールが届かない」という目下最大の課題が解消され、ドコモのスマフォに関する新規ユーザーの懸念材料がひとつ減ると思います。あと、今のところドコモのスマフォの多く、中でもHT-03Aを買うユーザーのほとんどがアクセスラインとしてのmopera Uをメールボックスの付かない「Uライトプラン」で契約していると思うのですが、mopera Uメールが各社のホワイトリストに載れば「Uスタンダードプラン」を契約するユーザーも増えて、ドコモ的にも増収になると思うのですが。このままではXperiaでもライトプラン契約ばかりになりそうですし。
ところで「いっそのことGmailホワイトリストに載せてしまえば?」という意見もよく目にしますが、たぶんこれは実現しないでしょう。Gmailはそれ以前から存在したフリーメールに比べれば、メールの送受信全般にわたり比較的高度なspam対策が施されてはいるものの、所詮はフリーメール。spamのすくつ、もとい巣窟のYahoo!メールやHotmailなんかと同じカテゴリですし、実際にspamの発信元として利用されるケースも少なくないですからね。何かあっても誰も責任を取らないし取れないのが、フリーメールです。Android端末で標準だからといって、Gmailだけケータイメールのホワイトリストに載せたり、Gmailだけを選択的にワンタッチでユーザーがホワイトリストに載せられるオプションを用意するような特別扱いには、各キャリアともしないでしょう。ケータイ以外のメールを拒否するホワイトリスト型フィルタの意義を自己否定してしまうことになりかねませんからね。
と、いうわけで、この長い長いエントリで本当に言いたいのは…
docomoさん、mopera Uをなんとかして!!」
これに尽きます。
【追記】 時間を置いてこのエントリを見直しながら「メール使いホーダイ」の対応状況についても追記が必要かな? と思ったりしたのですが、ふと疑問に思ったのが4/1からのmopera Uメールのメール使いホーダイ対応で、どうやって無料対象となるメール用のパケットと対象外のHTTP通信などのパケットを見分けるのかな? という点。APは1つしかないのに。ちなみにスマフォ用APでiモード.netを使うIMoNiやimotenは普通に考えて対象にならないはずですし、もちろんGmailもタダにはならないでしょう。