最強打撃力 バットマンは数字で人格が決まる (ベースボール・マガジン社新書)
- 作者: 張本勲
- 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
- 発売日: 2008/09/25
- メディア: 新書
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もうすぐプロ野球が開幕するこの時期に、いつも思うのが、この人が監督やコーチにやったらオモシロイのになあ…ということだ。私の中ではそのナンバーワンが、前人未到の日本最高3085安打を放った、安打製造機と呼ばれた張本勲氏だ。TBSテレビ「サンデー・モーニング」で大沢親分と「喝!」と言っている人ね。(^v^)
野球の世界では、数学が人格を決める。イチローや松井秀喜も上回るバッティング技術を持ったバットマンが、究極の打撃術を明かす。打撃を10倍楽しむための必読書がコレ!そのエッセンスを紹介しよう!
・バッティングに頂点はない。最も大事なことは何かといえば、「反復」この二文字以外にない。理論、理屈で、無心で打て、肩の力を抜け。しかし本当に肩の力を抜いたらバッティングはできない。肩の力を抜くには、ヒザの力を抜かなくてはならないのだ。
・バッティングとは学問、なかでも数学の方程式のようなものだと私は思っている。なぜ、こうなるのか?どうすれば答えが出るのか。打てなければどうして打てなかったのかを考える。その反復なくして、バッティングの向上はありえない。
・バッティングに頂点はない。にも関わらず「もうこれでいいんだ。自分は一人前になった」と油断した瞬間に、転落は始まっていく。これは自分自身の後悔でもある。
・これじゃいかんと思ったら。気持ちを入れ替える。開き直る。反復練習をする。そして、徐々に持ち直していく。結局、バッティングとはこの繰り返し作業なのだ。
・長いシーズン、調子が落ち込む時期は必ず訪れる。その場合は、下半身を鍛え直すことが重要になってくる。鍛え方は十人十色。私は徹底的に素振りをすることで下半身を苛め抜いた。王貞治は不調になると、後楽園球場のグラウンドを10周、20周とひたすら走っていた。
ことバットを振る回数に関しては王にも負けていないが、守備練習に対する取り組み、野球に対する姿勢、練習量にはかなわない。何よりも王はよく走っていた。「走るのはあまり好きじゃない」と公言してきた男が黙々とグラウンド内で汗を流している。「ただ打ちさえすればいい」という考えに凝り固まっていた私は、それではダメだと思い知らされた。
・私を中距離バッターへと導いてくれた恩人、松木謙治郎氏。「ホームランバッターはセンター中心に打球をぶち込まないと本数は伸びない。だがその右手じゃ無理。キミは足が速いんだから、中距離バッターを目指せ。そして怖いバッターになれ」
・シーズン中、野球のない国に行きたい、と何度思ったことか。どうしてオレは野球を始めたのかと何度苦しんだことか。東映時代に日本一になったことや、首位打者のタイトルを取ったこと、決勝打やサヨナラ打を放ったこと。これらさまざまな喜びをかき集めても、23年間の現役生活の15%ほどしかない。残り85%は苦しみの日々だった。だから現役引退を決めたときは、ホッとした。もう、バットを振らなくてもいい。もう二度と野球選手にはなりたくない。解放感でいっぱいだった。
・イチロー〜バットコントロールに無駄がない。それが最大の特徴である。具体的には、構えから打ちに行くまでの間、腕が静止している。バットがホールに当たるまでの時間に一切のロスがない。ワンちゃん(王貞治)も長嶋さんも落合も少なからず腕でタイミングを取るが、イチローはどんなに足が動いてもグリップの位置が変わらない。こういうバッターは本当に珍しい。常に同じ位置からバットを振り出すので、ボールを正確にとらえることができる。ヒット打つことにかけては日本プロ野球史上おけるナンバーワンの選手で、もちろん私などよりレベルは数段上、今後100年、これほどのバッターは出てこないだろう。
特に、第5章「私が出会った野球人」の杉浦忠、稲尾和久、米田哲也、村山実、江夏豊、王貞治、落合博満、中田翔、松井秀喜、張本勲自身の分析はさすがだ!( ..)φメモメモ 野球ファンにはおススメ!