- 作者: 福岡伸一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/05/18
- メディア: 新書
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「生命とは何か」、「生物と無生物を分けるものは何なのか?」という生命科学最大の問いに、いま分子生物学はどう答えるのか。歴史の闇に沈んだ天才科学者たちの思考や学説の変遷をを紹介しながら、分子物理学者の福岡伸一氏が語る極上の科学ミステリー!。そのエッセンスを紹介しよう。
・生命とは何か?それは自己複製を行うシステムである。、20世紀の生命科学が到達したひとつの答えがこれだった。
・ウイルスは単細胞生物よりもずっと小さい。「見る」ことができるようになったのは、電子顕微鏡が開発された1930年代以降のことである。ウイルスはこれまで彼らが知っていたどのような病原体とも異なって、非常に整った風貌をしていたからである。斉一的すぎるとさえいってもよかった。多角立方体のYほうな、らせん状のような幾何学的な美しさがあった。そしてウイルスは生物ではなく、限りなく物質に近い存在だったからである。
・ウイルスは、栄養を摂取することががない。呼吸もしない。もちろん二酸化炭素を出すことも老廃物を排泄することもない。つまり一切の代謝を行っていない。ウイルスを、混じり物がない純粋な状態まで精製し、特殊な条件で濃縮すると、「結晶化」することができる。これはウエットで不定形の細胞ではまったく考えられないことである。つまり、この点でもウイルスは鉱物に似たまぎれもない物質なのである。
・しかし、ウイルスは自らを増やせる。自己複製能力を持つのだ。ウイルスは生物と無生物の間をたゆらう何者である、もし、生命を「自己複製するもの」と定義するなら、ウイルスはまぎれもなく生命体である。しかし、ウイルス粒子を眺めれば、それは無機的で、硬質の機械的オブジェにすぎず、そこには生命の律動はない。
・結論を端的にいえば、私は、ウイルスを生物であるとは定義しない。つまり、生命とは自己複製するシステムである、との定義は不十分だと考えるのである。では、生命の特徴とは?命の律動?私はそれを探ってみたいのである。
結論からいうと、福岡氏は、「生命とは動的平衡にある流れである」と定義する。その詳細は…読んでね!
全体的に難しい内容をとてもわかりやすく伝えているのだけれど、「なぜ原子はそんなに小さいのか?」というメッセージは、思わず「なるほど〜!」とうなってしまった。もっと若い時にこんな本に出会っていたら、研究職についていたかもね。おススメです。(^o^)丿