ジュリア集合とマンデルブロ集合

かなり今更なことを今日気づいたのですが……。
ジュリア集合は漸化式zn+1=zn2+cで定義される数列の極限が発散するかしないかで色分けして図示したものですが、なんであんな形になるかって、そりゃこの数列が複素数列だからだ!
複素数は普通の数と扱いがまるで異なり、一つの数なのに平面上の点を定義できるという特殊な数です。
実数列なら数直線上をいったりきたりしますが、複素数列は平面上を動き回るということです。そして、上の数列の極限が無限大に発散しない時の平面上の点どもの集まりがジュリア集合というわけです。さらにそのときの複素数cの値を複素平面上にプロットしていったものがマンデルブロ集合なわけで。
マンデルブロ集合を数式とかでわかりやすくするのは高校生の段階ではあまりにもレベルが高すぎて意味不明ですが、ジュリア集合は漸化式zn+1=zn2+cで表されるわけですから数列を習った高校二年生ならある程度理解できると思うんですけどね僕は。まぁ一般の隣接二項の漸化式と違ってがznが二乗されているので一般項に変形するのはこの段階では無理だと思いますが……っつーかできるのかコレ?
無限大にふっとんでいかない点は基本的に円になるのですが、cが0以外の値を取る場合、少し形が歪むことがあります。これは漸化式からわかることで、nが1増えると点は回転し偏角が二倍になり*1、その後cの値だけ平行移動します。これを延々と繰り返していくと、ほとんどの点はものすごい遠方にふっとんでいってしまうのですがある点は永久に円の中をぐるぐる回り続けることがあります。これは任意の自然数nに対して常に|zn|≦1が成り立つ数列のことになります。
その永久にぐるぐる回る複素数列の初項となる複素数複素平面上にプロットしてみると、

▲たとえばこんな形だったり。(zn+1=zn2+0.25)

▲たとえばこんな形だったり。(zn+1=zn2-0.1-0.6i←正確な値忘れた)
普通の数学の常識では考えられないような非幾何学的な図形がたくさん出てくるわけです。コンピュータ使わずしてこんな図形は考えられなかったんだろうな……。
cの値を大きくしすぎると、全ての点においてあるnの値で絶対値が1を越えてしまいヘタすりゃ二度と円の中には戻ってこれなくなってくることがあります。その場合はジュリア集合が画像として認識できないような感じになってしまうそうです。簡単に言うと見えなくなります。
そのため、ジュリア集合が見られるような複素数cの値を図示したマンデルブロ集合が考えられたわけで。これがなぜあんなにも玉がたくさん連結したケツみたいな形をしているのか、今の僕の頭では到底理解できません。恐らく数学の神秘といった話でしょう(ぇ


関数とか代数とかの話よりこっちのほうが視覚的に理解できて面白いと思うけどなぁ。

*1:複素数の二乗は複素平面上では絶対値(原点からの距離)を二乗して偏角(実軸の正方向を0度とした原点と複素平面上の点とを結んだ直線と実直線でなす角)を二倍することになります。