真如堂

mituyo19412006-07-09

真如堂の歴史は古く(984年)比叡山延暦寺を本山とする天台宗のお寺です。正しくは「鈴聲山真正極楽寺」(れいしょうざんしんしょうごくらくじ)という。その名のとおり、このお寺こそが正真正銘の「極楽寺と言うことのようです。
応仁の乱(1467-77)の時に堂塔も焼け落ちましたが御本尊だけは比叡山へと難を逃れました。その後は京都内を転々としますが、京極今出川でも火災に遭いその後東山天皇の勅命により、再び旧地にもどり再建されたそうです。
秋は紅葉で有名な所で、観光客で賑わいますが、この時期は訪れる人も少なく、緑に覆われた境内は静かでひっそりと落ち着ける所です。
         
本堂前に大きな菩提樹の木があります。すでに花は終わり小さな実を付けていました。
菩提樹と言えば、この木の下でお釈迦様が悟りを開いたと伝えられていますが、実際は 桑科で熱帯樹の「インド菩提樹」で今の「菩提樹」とは違うそうです。
         
本堂前左手には「沙羅双樹」の木が植えられています。沙羅双樹と言えば、お釈迦様が亡くなられたのは「沙羅双樹」の木の下だったと伝えられています。 
沙羅双樹と夏椿は同じでしょうか?

正しくは違うそうです。沙羅双樹はインド原産の常緑樹で熱帯樹の為、日本では育たないようです。平家物語に登場する沙羅双樹は、ツバキ科落葉樹の「夏椿」のことで、日本では沙羅双樹=夏椿と言われているようです。
平家物語、冒頭の「祇園精舎の鐘の声,諸行無常の響きあり,沙羅双樹の花の色,盛者必滅の理をあらはす」で沙羅双樹を知っている人は多いと思いますが、花は真っ白で透き通るようで、朝に咲き夕べには散る一日花です。 その散り方は花びらを落とさず花がポトンと落ちるいさぎよい散り方をします。それが平家物語では世の無常を象徴する花として登場したのでしょうね。
         
          沙羅双樹・・花言葉は愛らしさ
写真を撮っていると、突然の俄か雨が降ってきました。通り雨が過ぎ去った後に、雨に濡れた沙羅双樹と、ムクゲの花が一際美しく見れました。
         
         
真如堂の紅葉は素晴らしく、よく知られていますが、この時期の緑で包まれた真如堂も素晴らしいと感じました。写真で紹介してみます。
         
          三重の塔
         
         
          本堂裏庭
         
          参道
         
          紫陽花の花と緑に囲まれた鐘楼
真如堂を楽しく紹介されたHPがありました。 ご覧になってみてください.
http://kusyami.com/
「苦沙彌のIT僧坊」解説:真如堂吉祥院副住職のホームページ