「黄砂アレルギー」

専門家が警告する「喘息、内臓疾患」急増中

 今年も九州には、二月十一日に飛来した。かって黄砂が飛散する中心は西日本だったが、地球温暖化の影響か、その地域は年々広がっている。二月二十一日には都心でも、黄砂の影響で空がかすむような現象が見られた。

さらに北海道でも黄砂が観測され、日本中がすっぽりと包まれている状況なのだ。

花粉症が本格化するシーズンが到来した。鼻水、咳、くしゃみ……。だが、それは中国から飛来する黄砂の影響かもしれない。
しかも黄砂は花粉より粒子が小さいため、肺に入り、気管支喘息や内臓疾患を誘発する可能性もある。専門家が警告する「黄砂の恐怖」―。

付着物から大腸菌まで検出
 また、中国国家環境保護総局の調査では、固形廃棄物放置などで汚染された耕地が、耕地総面積の十分の一を占めていたという。銅や水銀、クロム、カドミウムなどの重金属類及び放射性元素や砒素、フッ素化合物などが染み込んだ土が、黄砂となって大気中に広がっていくわけだ。

「黄砂が日本に運んでくるものは化学物質だけではありません。さまざまなアレルギーを引き起こすカビや細菌などの微生物までも含まれていることが判明しています」

 カビ類ではアレルギーの原因となるこうじカビの一種であるアスペルギルスや、黒カビのクラドスポリウムなどが見つかり、細菌類ではセレウス菌大腸菌類など二十種の微生物が確認されています。

 「スギ花粉の粒子径は三十ミクロンなのにくらべ、黄砂のそれは四〜八ミクロンと小さい。そのため、スギ花粉のように鼻で止まらず、肺胞まで到達する場合もある。毎年吸い込んでいると、日本でも肺以外に様々な疾患が出る恐れが十分にあります。

 中国の医療関係者も、黄砂が肺の組織まで侵入するため、免疫力の弱い人は影響を受けやすいと注意を促している。
 空気中の砂塵が増加するにつれて、肺部感染、心血管疾病、心筋梗塞、高血圧及び脳卒中が増える、というのだ。

・・・・・・・・・・・・・・・週刊文春

あらゆる患部から黄砂抜く