Hatena::ブログ(Diary)

「地給知足」の備忘録

 「自給自足」のように、ひとりであんまり頑張らない。
 「てきとー」と「いいかげん」がモットー。
 球からわり、域で分かちあう、るをる暮らし。
 だから「地給知足な暮らし」は、「ビンボ臭い、不便な暮らし」でもあります。
 でも、なぜか……、楽しいよ!

2016-06-23

三宅洋平、あのヒゲヅラと髪の毛の秘密!?

「今度の選挙には99%、出ない!」と言っていたのに、なんでここにきて突然、出ることにしたのか? 

票割れしてしまうではないか! 佐藤かおりさんに申し訳ない……という、お叱りの声も聞こえてくるし、たしかにそうも思うけど、

でも……、いままで政治にまったく興味を持っていなかった人たちを振りむかせる、というのは、野党の議員をひとり増やすということよりもいまとても大切なことだったしないだろうか? 

アベとかいう、とても分かりやすい政治家が総理大臣であるこのチャンスに!

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みんなで参加できて、しかも一滴も血を流さなくてできる革命=選挙!

2016-06-11

電力自由化、わがやの選択

 発電事業と送電事業が分離され、これまで大手電力会社による独占状態になっていた電力の発電供給事業が、4月からの自由化されました(出力が1000キロワット以上の発電事業者であっても、届け出によって事業を行うことが認可されるようになったとのこと)。

 これによって多様な発電方式によって多くの事業者が現れるかと思ったら案外そうでもなくて、自然エネルギーやゴミの焼却熱などを使って発電を行う会社は地方では選択できず、どちらかというと他の事業とのセットアップで電気代が安くなるようなイメージによる電気通信事業者の囲い込みの競争になってしまっているようにも思えます。なんとも残念だなぁ、電気のこと、発電のことを多くの人がいろいろと考える上ではいい機会だと思ったのだけれど……。

 とはいえ、せっかくのこの機会、ウチもどうにかしたいと思ったわけです。

で、はじめたのが、まずは軽トラの荷台に廃材で鳥居を立てること?

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キャビンとのスキマから雨が吹き込んでこないように板を貼り、ふたつの鳥居をつなぎます。

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そしてそこにいただきものの中古の太陽光パネル(150W)をセット。蝶板で固定し、夏と冬とで角度を変更できるようにしました。

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↑ところでこの幻想的な写真は、日の出前、朝4時頃の景色。自分で電気を作るようになって気がついたのですが「電気は作るよりも、その分の電気を使わないようにすることの方が簡単だ」ということ。

 必要以上には電気を使わない暮らしをしよう! ということで、たとえば今の季節は朝4時くらいから明るくなってくるし、しかもこの早朝の時間帯、とても気持ちが良いのです(あのネボスケがこんなことを言い出すなんて、歳をとった証拠か?)。


 パネルはもう一枚追加し、ふたつのパネルの間も雨がまわりこまないように処理しました。パネル本体をそのまま屋根材として流用しようという作戦です。

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 とはいえ、やったことは稚拙。白の防炎シートを横長に切り、ガムテープを向かい合わせに貼って雨仕舞としました。下のパネルも蝶板による固定ですが、この雨仕舞によって角度を変更しても雨はパネルの下に入ってこない……予定です。

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 上側もマハさんからいただいた三角形の切端を使って雨水が内側に垂れてこないように小細工。

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 側面は、切端や廃材を使って板張りにして、雨風が吹き込まないようにして……、パネル下には発電や蓄電、それに検電のための機器を収納します。

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 そして完成したのが、パネルをたくさん背負ったこんな軽トラ。

パネルを軽トラの荷台に載せることで、パネルの向きを午前と午後で変えることも容易だし、直射日光を追って移動することも可能。

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 そしてさらに今回のカナメは、この配電制御機器、グリットタイ・インバーター(Grid Tie Inverter)と呼ばれるちょっと変わったインバーターです。

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 ソーラーパネルで発電した直流電流を、家庭用と同じ交流電流に変更してくれるのは従来からある普通のインバーターと同じなのですが、このインバーターはそれに加えてソーラーパネルを使って自分で作った電気を優先させて家庭内で使用することできる、という優れものなのです。

 新品バッテリーを使う従来の独立型太陽光発電では、バッテリーによる環境負荷がネックでした。そこで廃バッテリーをどうにか再生できないかと、パルスをかけたり、極板を洗浄したり、振動を加えてみたり、高電圧微弱電流で充電してみたりしたのですが、いい場合もあるし、うまくいかない場合もあって、これと言った決め手はありませんでした。

 一方このグリットタイインバーターはバッテリーを使うことなく、発電した電気を優先させて家庭内で使うことができます。

 仕組みとしては意外とシンプル。インバーターからのコードを家庭内のコンセントに接続することで、流れている電圧を検知し、それよりも少し高めの電圧の電気を作って供給する、という寸法。電気は水と同じで、圧力の高い方から低い方に流れるので、ソーラーパネルを使って自分で作った電気を優先して家庭内に流し使うことができるというカラクリです。

 売電できるような大掛かりな設備に投資する資金を持たない者に向けた、あるいは再生エネルギー賦課金に依存しない、いわば清貧のためのプアマンス系統連結発電装置とも言える装置なのです。

 また、グリットタイインバーターの他にも、最近はIDPTC(インテリジェント・デュアルパワー・トランスファーコントローラー)と呼ばれる電源切り替え装置なんていうのもあって、これは独立型太陽光発電でバッテリーに蓄えた電気を優先して使用し、バッテリーの電圧が低くなった(設定値11V前後が多い)時点で瞬時に(パソコンが落ちない速度で)商用電源に切り替えてくれる、などという製品もあったりします。

 ただしこのあたり、子ブレーカー先のコンセントに接続する電気機器に関しては、法的にあいまい、というか法整備がなされていない部分の盲点的な要素であることもあって、問題を起こしてしまうと他人やこれまで使っていた人にも迷惑をかけてしまう可能性もあるので、使用にあたっては十分な注意が必要のように思います。

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 とはいえ、配線はかなりシンプルで簡単。ウチで使っているグリットタイインバーターは、MPPT制御できる直流電圧の範囲が24〜48Vなので(インプットレンジは22〜60Vともう少し広い)なるべくその間になるようにパネルを組んで、入力側の端子につなぎます。

 そしてあとは、出力側のオスのプラグを家庭用コンセントにさすだけ。その後、インバーターのスイッチを入れると、50ヘルツ、60ヘルツの違いを自動検知し周波数の設定をしてくれた上、電圧を常に監視し、かなり細かく電圧制御をしてくれるという知的なインバーター。

 そして実際に使ってみるとスイッチを入れた時と、切った時とでは電気メーターの円盤の回る速度が遅くなることで、自分で作った電気が優先して使われていることが実感できたりします。

 でもそれだけではどのくらい発電し流せているのかが分かりません。そこでクランプタイプのテスターで流れている電流を測ってみました。すると測定結果は1アンペア弱。

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↑発電時の交流出力電流は、プラグ端子の片方だけを多穴のソケットに挿して、もう一方を別の線(写真の赤いコード)で取り出し、そこにクランプテスターを当てて測定してみました。写真のこのときは、0.96A。

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↑このときの出力している電圧を測ってみたら約103ボルトだったので、約100Wの電気を家庭内に供給できている、ということになりそうです。

 さらにもっと簡単に電力を測ることができないかとワットモニター(市販されている電力測定器)を試しにつないでみたら、これを使っても電力を測定できることがわかりました(交流の場合、流れる電気の向きはあまり関係がない模様)。

 今回つないでいるパネルは150ワットと100ワットの二枚を直列につないでいます。本来は200ワット以上の出力が出ているはずなのでちょいと少なめ。そこでグリットタイインバーターに入力している電流を調べてみることに。

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↑電流は3.62アンペアでした。

 電圧はというと……、

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↑約32ボルト。ということは3.62A×32V≒115W。グリットタイインバーターの変換効率は120VAC出力の場合でも83%前後とのことなので、中古なのでパネルの性能が少し落ちているのかもしれません。


 ところでこの軽トラ「自家発電号」、グリットタイインバーターを使って家庭内に電気を供給してくれるだけでなく、小さなパネルをいくつか背負っていて、また別の役割りも担ってくれます。

 ひとつは廃バッテリーの再生&蓄電。

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自動車用廃バッテリーが3つ直列(約36V)で接続されていて、これを小型のソーラーパネルで充電します。

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5Wのパネルをふたつ直列で接続すると、直射日光が当たった際の開放電圧は40V前後。これをチャージコントローラーを使わずに、ダイオードだけで直列に配置した3つの廃バッテリーを充電します。少し高めの微弱電流で充電することで再生をも狙おうという作戦。

 そして、側壁をあけると、そこにはバッテリーテスターや充電器などと共に、溶接用ホルダーとアースクランプが収納されているのでした。

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 それを3直列のバッテリーの両端につなぐと、アーク溶接機になるという寸法。

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 東電との契約を40アンペアから20アンペアに落としたので、電気溶接機は使いずらくなっていたのですが、商用電源を使わず、独立したバッテリーを起電力とする溶接機であれば、東電との契約は10Aでも問題ありません。

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 また、パネルの配線を組み替えることで、従来通りのMPPTチャージコントローラーで、電圧&電流を監視しながら産業用の制御弁式中古バッテリーに電気を蓄電することなどもできます。

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 あるいは、携帯可能な小型のリチウム電池(モバイルバッテリー)を太陽光で充電し、携帯電話やノートパソコンへの給電、それにバッテリー上がりを起こしてしまったクルマのエンジン起動用ジャンプバッテリーにも蓄電できるシステムなども搭載していて、現在テスト中。

 リチウムイオンの小型のモバイルバッテリーが安くなってきたので、それを小型のソーラーパネルで充電する方法がなかなか良さそうで、そのあたりもそのうち紹介したいと思っています。

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追伸:グリットタイインバーターの調達方法に関してですが、わたなべが調達したのは500Wのタイプでかなり以前に個人輸入したのですが、最近は日本でもamazonなどから調達可能です(amazonの場合、なぜかカタカナではダメで、「Grid Tie」で検索すると出てきます)。

 オススメとしては、「NPO法人「非電化地域の人々に蓄電池をおくる会」」からの調達で、国際宅急便の送料などを合わせると、私が個人輸入した値段よりもだいぶ安い値段(たとえば200Wのタイプ(入力11Vから30V)が1万3千円)で販売されていたりします。特に中古ソーラーパネルとのセットはリーズナブルな上に、パネルを新しく作る環境負荷もかからないのでオススメ(今回、記事中で使っているあまりうまく発電していない可能性のある中古パネルは、以前に地元の友人からいただいた多結晶タイプのパネルで「非電化地域に……」のものではありません、念のため)。

2016-06-09

曇りのち雨

 きょうは河川の水質検査の日、県境の「つたぎ宿」までひとっ走り。有志で10年近く行っている周辺河川の水質検査で、釜無川の本流と支流を担当し、検査を行いました。

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↑ここが「つたぎ宿」で、釜無川(富士川)の本流と支流の合流地点。高圧鉄塔さえなければ、素晴らしく美しい景観なのに、新潟の原子力発電所で作られた電気を東京へ送るための鉄塔がいまもなお、美しい景観を切り裂いています。

 水質検査の結果、本流に較べて支流の汚れが気になりました。特にリン酸の値は本流の10倍近くで、近くに道の駅があり、そこには温泉施設があって、そこからの汚水が支流に流れ込んでいるからかもしれません。

 検査の後、少ししたら雨が降ってきたので、これ幸いと久しぶりの外出。

「油たまってますよ」と少し前に連絡をいただいていたわが家の油田でもある「mountain * mountain」へ。

 晴れると忙しいので、雨の日にこのあたりのレストランにランチを食べにいくとたいてい知り合いに会うのです。そしてきょうも、そう。

 友人とあって「田植え終わりました?」と挨拶を交わすのが、なんともいい感じ。自給農的な暮らしをしている人がこのあたりには、たくさん住んでいるのでした。

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 mountain * mountainは傾斜地にあって、窓際の席、窓の外にはケルクスの林、しかも梢の上の部分が広がっています。なんだかトゥリーハウスの様。そしてこの季節、窓の外、目の前でゼフィルスが観察できます。きょうは緑色の宝石はいませんでしたが、ウラナミアカシジミを発見。席には双眼鏡も置いてあって、レンズの向こうにこんな美しい姿を映し出すことができたのでした。

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 ランチはガバオライスとルーロー飯をいただきました。絶妙なスパイス使いで、いつ来ても何を食べても最高。

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 台上(七里岩の下に住む人は七里岩の上の台地のことを「台上」と呼んだりします)にあがったついでに、長坂のホームセンターにパレットをいただきに。

 途中、8MountainWorksの前を取ったら、屋根の上で作業中の新田さんが。新田さんも気がついてくれて、屋根から落ちそうなくらい大きく手を振ってくれたのでした。 

 さらに近づくと駐車場にはピッカピカのJ30系ジープが。誰のだろう? と興味津々だったのですが、Open前から毎日お客さんが仕切りなしで、なかなか作業が進まない様子と、ちょこっと手伝いをしていた娘から聞いていたので、涙をのんで通過。Jマートに直行したのでした。、

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 Jマートでの目当ては、駐車場の一角にあるこのコーナー。

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 いい感じに朽ちた廃パレットを、ジープが「もうこれ以上、積めないよぉ」と悲鳴をあげるくらい満載して帰宅。

 なんだかいつの季節も言っているけど、雨の季節、この季節もなかなかいいものなのでした。

2016-06-08

プレスの正しい使い方?

 オフクロが沖縄に旅行に行き、おみやげにとサトウキビを買ってきてくれました(親もちょっと変わってます)。

せっかくなので、これでシュガーケインジュースを絞ろう! ということになって、ハンドジューサーで試したのですが、サトウキビは硬くていくら力を入れてもハンドパワーでは汁は一滴も絞り出せませんでした。

 ところで……、雑誌に自動車用工具を紹介する連載ページを持っていたりしたこともあって工具フェチのわが家には、プレスなんかもあったりします。

 普通はサスペンションのブッシュの脱着などに使うのですが、自動車用には使ったことはほとんどなく(カラーを当ててハンマーで叩いてしまうことが多い)、いつも説明書にはない間違った使い方ばかり。今回もサトウキビのジューサーとして使用することになりました。

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 こんな感じです。ちなみにプレスの下の水色の引き出しは廃品の一斗缶を切って、取っ手として流木をつけたもの。簡単に作れて案外便利です。詳しくはこちらからそうぞ。

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 ステンレスのカップにサトウキビを入れ、その上に、薪棚からテキトーな大きさの丸太を探しだし、それをテキトーに切って、いちおう衛生上、丸太はビニール袋に入れ、こうして丸太の玉切りをピストンとして使用した、自動車用ベンチプレスでサトウキビを押してみました。結果、大成功。

 手で力を込めただけでは汁は一滴も出てこなかったのに、カップからこぼれてしまいそうなくらいジュースを絞ることができました。

シリンダーとピストンの精度をもう少し高めてあげれば、エゴマやクルミなどからも、油を絞ることもできそうです。

 汎用のベンチプレスは案外、安いので専用の絞り機よりもこちらの方がコストパフォーマンスはいいかも。

 でも、食べものをプレスすることが多いと、自動車用には使いづらくなっちゃうんだよなぁ。自動車用にはエンジン薪割り機を流用する、という手もあるのだけれど……。逆に言うと、油圧の薪割り機があれば、油とか、お醤油とか、ブドウとかも絞れそうですね。

2016-06-04

イモムシの安田っち in 北杜市

きょうは6月4日、「虫の日」です。

この日を記念して、あのイモムシハンドブックの著者、安田っち、こと安田守さんが、北杜市のオオムラサキセンターで観察会&講演会を行ってくれました。安田さんは、自由の森学園の元教員。ゲッチョのあとの骨部屋の主でもありました。

 予約が必要と知って5月の中旬に慌てて申し込みをしたのですが、すでに観察会は満員。どうにか講演会に参加させていただきました(なんと飛行機に乗って高知から、などという方もいらっしゃいました)。

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 お昼過ぎからの講演で、お腹は満腹、しかもこのところ朝が早くて日の出前(4時頃)には起きているので、この時間はいつもなら猛烈に眠くなる時間帯。さらにはプロジェクター投影のため明かりを落とした部屋での講演という環境にもかかわらず、終始、息を飲む面白さで、結局、最後まで眠くなることなく、しかし終わった瞬間、意識を失うようにして5秒くらい寝てしまうという不思議な体験をしました。

 しかし、ホント、面白かったなぁ。

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 これは今回、同時に行われたイモムシ写真コンテストで、来館者賞を取ったハムシ(甲虫の仲間)の写真。感覚的には見るからにイモムシなのだけれど、安田さん独自の定義では、イモムシは蝶や蛾(鱗翅目)の幼虫、というにしているとのこと。だから、毛虫もイモムシの一種、足の並びが主に3ー4ー1のものをイモムシと呼ぶことにしているとのことでした。

 なんとなく以前からあったイメージとして「イモムシ」というのは形がサツマイモに似ているからなのか……と思っていたのだけれど、サツマイモが日本に輸入される以前から「イモムシ」という言葉はあって、在来種であるヤマイモを食べていたキイロスズメの幼虫あたりを本来はイモムシと呼んでいたのではないか? とのことでした。

 蝶や蛾の幼虫の足の配列は3−4ー1が多いけれども、ただし中には例外があって、シャクガ(幼虫は尺取り虫と呼ばれることが多い)は尺取しやすいようにか? 真ん中あたりには足がなく3−1−1で、これによって幼虫でもシャクガ科の幼虫かどうかを見分けることができる……とのこと、なるほどねぇ。

 ね、面白いでしょ!


 ところで、オオムラサキセンターにはビバリウムと呼ばれる人が入れる巨大な飼育箱があって、そこにはエノキがたくさん植えられていてオオムラサキの幼虫がたくさん観察できると同時に、いまは、ちょうど羽化したアサギマダラが飛んでいました。

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 講演ではこのアサギマダラの話も出ました。アサギマダラの幼虫はガガイモ科のイケマなどのツル植物食草としているのだけれど、この仲間には毒があって、アルカロイド系の成長阻害物質を出している。そしてこのアルカロイド系の物質を体内に蓄積することで鳥の学習能力を利用して鳥からの補食を免れているのだけれど、幼虫自身も弱齢の内はアルカロイドに対する耐性が弱く、そのためまずは(アルカロイドが流れてくる)葉脈に傷をつけ、葉脈から新しいアルカロイドが流れてこない状態にしながらイケマなどの葉を摂食している、とのことでした。

 他にも、毛虫の毛が天敵に対してどのくらい効果があるのか、通常の毛虫と鼻毛カッターで毛を短く切った毛虫とでオサムシに捕食される確率の違いを観察をした人の話とか……、面白かったなぁ。

 マイマイガなど昆虫の多くは、何年かに一度、異常なほどに大発生するのが正常で、でもそれが続かないのは、農薬などを使ってヒトが制御しているからではなくて、菌類などの寄主による生態系のバランス作用が起こるから。たとえばときどき大発生するブナアオシャチホコのイモムシは、調べてみると蛹になるために土に潜ると大発生時にはその9割以上が、虫草(冬虫夏草系のバッカク菌?)に感染し、淘汰されている、とのことでした。

 鳥のヒナが食べる虫はイモムシが圧倒的に多く、1羽が900頭くらいのイモムシを食べ、鳥によるイモムシの捕食圧は、1キロ平米あたりだと1億2000万頭にもなる、という話や、カイコのような単一食樹を食べるイモムシは、その植物の消化に特化した耐性酵素などを持っているようで、雑食性の強いヨトウガなどの幼虫にクワの葉を与えると、4日以内にたいてい死んでしまう、とか……知らなかった面白いことがたくさんありました。


 また、オオムラサキセンターも素敵なところでした。生きた状態の外国産カブトムシを触ったりすることもできます。

ツノやハサミに挟まれないように近くて虫の持ち方などを教えてくれるスタッフの目線ががまた虫に優しくとてもいい感じでした。

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 図鑑でしか観たことがなかったヘラクレスオオカブトムシ。

 標本の展示も凝っていて、宝石箱をあけると中から、虹色に光る甲虫類が展足されていたり……。

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 引き出しをあけたら、フクロウチョウが。

ヒトでも一瞬、ビクっとするので、鳥やヘビはもっと驚くだろうなぁ。

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 きょう虫の日は、園内にある虫塚で虫供養が行われていたりもしました。

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 バナナはそのまま放置され、虫たちの酒盛り場になるそうです。

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 オオムラサキセンターの敷地内にある昆虫酒場である「お台木(ヤマオヤジ)」。

中学生の頃、新宿発23時45分発の最終鈍行で、日野春に通っていました。その頃はまだ、せいぜい目の高さくらいだったはずなのに……。

 時の流れの早さとともに、ヒトが管理していた薪炭林がこれほどまでに成長してしまったことにも驚かされました。お台木から出たひこばえがこんなに太く高くなってしまったということは、この間、ヒトは再生可能エネルギーである薪炭をほとんど使わなくなってしまった、ということ。

 これほどまで、二次林である薪炭林が巨大化したことは、ヒトという生物が火を使い出してからこれまであまりなかったはず。ヒトの生き方の変化やそれが地球の自然環境に与える影響の大きさ、そしてその変化の異様なスピードにも驚かされた、虫の日でもありました。