namidatubo2007-10-10

ウィーン2日目の今日は、終日自由行動。
午前中は、オプショナルツアー「ウィーンの森半日観光」に参加しました。
これは、ウィーン中心部から離れた観光スポットを、バスでいくつか巡るというもの。

  • ゼーグロッテ(地底湖)

洞窟を散策し、地底湖を船で見学しました。この地底湖は6,200平方メートル。とんでもなく大きい。洞窟自体、ヨーロッパ最大のものなのだそうです。澄みきったきれいな水ですが、石灰が溶け込んでいるのでお魚はいません。洞窟内はとても冷え、約9℃。点在する照明が無ければ真っ暗闇。生き物の存在を全く感じない。まるで時間が凍り付いてしまったかのように、静か過ぎる湖でした。
かつては石膏を採掘していた洞窟で、一時閉鎖されましたが、第二次世界大戦中にドイツ軍の秘密飛行機製造工場としても利用されるようになったんだそうです。
チャリー・シーン主演の映画「三銃士」の撮影も行われたそうです。見てみたい。

  • ハイリゲンクロイツ僧院

続いて訪れたのはハイリゲンクロイツ(=聖なる十字架)僧院。
シトー派(修道士が定住,清貧,貞潔,服従を旨として祈祷,労働,学問に励む)の僧院です。清貧を旨とする宗派の教会で、基本的に華美を避けた質素な作りをしています。
長い年月をかけて建てられたため奥へ進むほどに、ロマネスク、ゴシック、バロックロココと色々な建築様式が現れ、初めは淡色のみだったステンドガラスも、次第に色鮮やかなものになっていくのが面白いです。

  • マイアーリンク教会

皇帝フランツ・ヨーゼフの息子ルドルフ皇太子が狩りの御所として用いた場所で、彼が愛人とともに心中したとされる場所。その後に、狩りの御所は母エリザベート皇后の意向を汲み、皇帝の名でカルメル派の尼僧院とされました。
事件は「うたかたの恋」として映画化、宝塚歌劇の定番ともなっている悲恋の物語。どこまでがロマンで、どこまでが狂気の沙汰であったのか分かりません。
どちらにしても皇太子の死は、ハプスブルク王朝を滅亡へと向かわせる決定的な出来事となったわけですね・・・。


さて、ここでオプショナル・ツアーは終了。オペラ座の前にて解散し、午後からは自由行動です。
まずはすぐ近くにあったホテル・ザッハーに併設されているCafe Sacherへ。

チョコレート大好き☆
チョコレート味のスポンジにアンズのジャムを塗った後に、表面全体をチョコレートでコーティングしたものが「ザッハトルテ」。
世間一般には、洋菓子=フランス菓子なイメージがあるようで、ケーキ屋さんによってはショーケースに並んでいなかったりする。夏にはちょっと手が伸びないな。
でも美味しいケーキ。これだけチョコレートを使うなんてリッチなケーキですね。
さて、ザッハトルテの生まれ故郷ウイーンには、由緒正しき本家”Cafe Sacher”があります。
ところがもう一つ、同じくウィーン市内にあるDemelも、本家であるとされています。
この2つのお店の間でザッハトルテの商標をめぐる訴訟が起き、7年間も裁判で争ったのだそうです。
結局のところ、ホテル・ザッハのものを「オリジナルのザッハトルテ」と呼び、デメルのものは、「デメルザッハトルテ」と呼ぶことになったんだとか
これは両方食べて比べてみるしかありませんね♪
デメルの場合オーダーする時に生クリームをつけることを言わないと添えられないようで、ザッハトルテのみでしたが、ともかく味比べ。
うーむむ・・・
どちらも美味しかったです。

「オリジナルのザッハトルテ

デメルザッハトルテ
どっちかって言うと、口の中でアンズとチョコがちょうどいいくらいに主張しあっていたザッハーのほうが好き。


そしてここは音楽の都ウィーン〜♪

Stadtpark(市立公園)へ行って黄金のシュトラウス像を見てきました。
ガイドブックでは彼の像の前には16分音符の形をした花壇があることになっていたのですが、残念ながら現在は16分音符形に手入れはされていませんでした。

王宮庭園。こちらはト音記号形の花壇がちゃんとありましたよ。
庭園を抜け、新王宮も見学。

実際にオペラ座の劇場内に入って見学してきました。
今夜の公演準備中。舞台装置を作っているまさにその現場を見ることができました。
舞台裏がめちゃくちゃ広くてびっくりしました。
待合のバーやVIP専用の観覧席や待合室なんかも次々見学してきました。
とても豪華でした。

夕飯はウィーンからバスで終点まで走ったGrinzingの町の「ホイリゲ」に繰り出すことに。
ホイリゲ」とは「新酒が飲める居酒屋」のこと。飲み屋。家庭料理も楽しめるそうです。大衆音楽のシュランメルの生演奏があったりにぎやかに過ごすところです。
ウィーン郊外の、ホイリゲが集まる地域Grinzingに、ちょっと遠いんだけどバスで行ってみる事にしました。


バスに乗るには当然切符が必要、これは日本と同様車外でも買えるし車内でも買える。
ただ注意が必要なのは、車内の切符販売機には紙幣が使えないということ。
やらかしました・・・
バス停に着いたときに丁度バスが来ていて「これを逃すと何分待ちか!」と飛び乗ったのは良かったんですが、お財布を見たら硬貨が一人分しかない!
「どうしようどうしよう」とオロオロしているところへお婆さんとお兄さんが話しかけてくれたのです。だんなさんがなんとか5ユーロ1枚を硬貨と両替できないかお願いしてみたんだけど、5ユーロ分の小銭はもってないとのこと。
そしたらなんとお兄さんがバス代をおごってくれました。
おかげで無事に切符を購入できました。車内の販売機からお兄さんの席まで戻ろうとしたけれども満員状態になってなかなか戻れず、お兄さんが先に降りてしまったためお会いする事はできませんでした。もう一度お礼を言いたかったんですけどね。
お兄さん、ありがとうございました。


無事Grinzingに着き、ガイドさんに教えてもらったHänselというホイリゲへ。
やっとたどり着いたー。お店に入ると、『居合わせた客とにぎやかに過ごすのがホイリゲ流』らしく、四角いでっかいテーブルがどかんどかんと並んでいる。
えっと、どうすればいいのかな?
今回初の自由行動でのご飯。
こちらの勝手が分からない。とりあえずウロウロしてたらなんとか席に案内してもらえて、ワインだけは注文。白と赤をグラス一杯ずつ。
メニューが見当たらない。注文をとりに来てくれるのかと思ったけど、素通り。何人かの店員さんに必死に視線を送って、あっちにあるぞ、らしき事を教えてくれました。
なんとなく移動すると、ある一角に料理の並んだショーケースがあって、そこにレジもある。
つまり、カウンターっぽいところで注文しお会計まで済ませて、自分で席まで運ぶシステムだったのでした。なるほど居酒屋らしい。
ふー、ようやく食べ物を確保できてほっとしました。


牛タンが厚い!
そして切り方がでかい!
肉めちゃくちゃうまっ!
マッシュルームのフライうまい!
いろいろあったけど、そのせいもあって?とても美味しくて、感動しました。多分この旅一番の美味しい料理だったと思います。写真がその料理です。


お会計は紙幣で支払い、帰りのバスは切符二人分ちゃんと買うことができました。ほっ。