「自由恋愛」と「買春」という矛盾なんて、一流大学出のやつに解決できるか。ラス・メイヤーの映画に出てくる女に拳銃で撃たれて死んでしまえ。


第28話 男の子の性が危ない
男子の性行動の二極分化の原因をソーシャルネットワーキングや二次元美少女などのヴァーチャルな存在に求めるドクターたち。


おまえらはバカか。っていうかバカなんだろうな。しかも社会的地位と収入はしっかりゲットして。死んじまえ。この野郎。


まあこの際だから書くが、男子の性行動の二極分化の最大の原因は、「ナンパ」はまだいいとされているが「買春」は悪とされるようになった、ということに尽きる。
ヴァーチャルだの何だのはその後からくっついてくる話だ。


男子性行動の二極分化は、このテキストを見るとはっきり言って低学歴だが行動力はある程度あって、女漁りばかりしているヤツらと、高学歴ないしは定職はあるがいわゆる「出会いがない」と言っているような人たちに分かれる。
この分類自体を疑う必要もあるが、現実として話を進める。


「シャコタン・ブギ」というマンガでは、ほとんどセックスと車にしか興味のない若者が描かれる。そして、セックスと車は不可分なのだ。
彼らは車でナンパをするからだ。
一方で、くらたまのデート講座みたいのを一生懸命読んでいるマジメ君もいる(ここらは重なっているが)。


フェミニズムの人は怒り狂うかもしれないが、少なくともマンガ分野では80年代初頭まで「買春」と「自由恋愛」と「フリーセックス」は混然となって男子の性関係のありようを形成していた。
現在、水商売マンガの原作を書きまくっている倉科遼が80年代前半に書いた「武田みけん星」は、武田家の子孫である主人公が青雲の志を抱き、全国の高校生をまとめあげようとするバンカラマンガである。


こういう「青雲の志バンカラマンガ」は、一時期青年誌作品の定型パターンだったが、たいてい物語の冒頭で主人公が童貞喪失をするシーンから始まる。


それは、本宮ひろ志の「俺の空」では担任の美人教師だったし、確か「みけん星」でも教師だった。幼なじみとの恋愛が成就して、という場合もあるし、すいも甘いもかみわけた売春婦だったりした場合もあった。


「武田みけん星」で重要なのは、主人公の初体験相手は美人教師、その存在とは別に愛し合う幼なじみがいる(処女性は確保)、そして仲間たちは芸者の置屋でドンチャン騒ぎをしたあげく、その芸者たちと初体験をする。
そしてさらに、「思っている人がいるから」という理由でそのチャンスを拒むものもいる。


ここでは当時、男子が理想とする初体験のヴァリエーションが一通り揃えられていることが存外重要である。しかも、自由恋愛もフリーセックスも買春も、すべてほとんど等価に描かれているのだ。


ところが、この中で後の時代には(男子にとって)明確なステイタスが出来始める。
自由恋愛→フリーセックス→買春、という順列である。


「男子の性関係の二極分化」の正体は、この「フリーセックス」の部分がインテリにも庶民にも都合良く容認されているということにすぎない。

冒頭紹介しましたように、親のすねをかじっていながら、十分な収入もなく活発な性行動に走っている若者たちは確かに存在します。その一方で、親や教師からは「お利口さん」と評価されている男の子たち。勉強もそこそこに、クラブ活動にも熱心で、放課後ともなれば一目散に家路につく。そして、インターネットの前に釘付けになる。 (上記に紹介したテキストより引用)


「親のすねをかじっていながら、十分な収入もなく活発な性行動に走っている若者たちは確かに存在します。」という一文には、「セックス=一人前になってから」という書き手の倫理観が見える。しかし、これは結婚を前提とした自由恋愛から導き出される「一人前」である。
たとえば、ひと昔前の相撲界なんかでは、先輩が吉原に後輩をつれていくのが通過儀礼となっていたらしい。このときに吉原初体験をするおすもうさんは一人前どころか半人前だからこそ、性体験を義務づけられるのである。


ここら辺には、「武田みけん星」の冒頭で顕著なように、恋愛・セックス感がいかに戦後を通じていびつに変化していったかの証明がある。


要するに、昔だって買春は大手を振っていたものではなかったが、その「隠され方、隠れ方」がかなり違うものになってきているということが重要なのだ。
もちろん、いわゆる「射精産業」は現在も隆盛を誇っている。


セックスとネットを結びつければ、カッコよくて座りのいい論文が書けるかもしれないが、そんなことをやっていてはただおまえら(インテリ連中)が儲かったり同じ穴のムジナのアホに尊敬されるだけで、公共の利益には何ら寄与しないのである。


「自由恋愛→フリーセックス」幻想が、男性中心コミュニティで「レイプ」を正当化したスーパーフリーにつながっていったことは明白だし、上記テキストのような、暗黙のうちに買春を切り捨ててしまうセックス感がいかにそれ以上のものを排除しているか。
それらの問題を考えずして、したり顔でSNSだのヴァーチャルゲームだのを批判するなんてアホかおまえらは。
爆弾の付いた貞操帯を着けられて、死んじまえ。


(まあ、あんまり書くと「おれモテません」って宣言してるみたいなんで今日はこのくらいにしといたるわ(笑)。)