北九州市は、経済的な理由で食事を満足に取れなかったり、親が忙しくて一人で食べたりしているひとり親家庭の児童・生徒に食事提供や学習支援を行う「子ども食堂」を設ける方針を固めた。対象は小学高学年から中学生で、2016年度の開設を目指す。厚生労働省によると、自治体の食堂設置は全国で初めて。市民レベルの取り組みが広がる中、自治体も子どもの居場所づくりに乗りだす。 
 計画によると、市内2カ所に設置。学童保育後、親が仕事を終えるまでを主に想定し、平日と土曜の午後6時半〜同10時の利用とする。夕食は少額で提供するか、食材などを持参してもらうかを検討。スタッフが勉強を教えたり、調理や掃除など生活習慣を指導したりすることも視野に入れる。市は数十人の利用を見込み、運営は子育て支援団体などに委託する考え。
 市によると、20歳未満の子どもがいる市内のひとり親家庭は約1万8千世帯(11年現在)で、過去20年で約5400世帯増えた。このうち母子家庭の年収は全国平均291万円に対し、市内は234万円。母子家庭の小学高学年−中学生は1万人近いといい、市は「食事を満足に取れない子どもはさらに増えるだろう。学習や食の環境を整えることで『貧困の連鎖』を断ちたい」としている。
 長崎大教育学部の小西祐馬准教授(児童福祉)は「市民が手弁当子ども食堂に取り組んできたが、本来は行政の役割。将来は小学校区に一つ設けるべきだ」と指摘している。

本記事では,北九州市におけるひとり親家庭の児童への食事等の支援事業の実施方針を紹介.
2016年度予算要求案に計上されている「ひとり親家庭の子どもに対し,親が帰宅するまでの間,学習支援や食事の提供等を行う居場所づくりを進める」ことを目的とした,「ひとり親家庭の子どもの居場所づくり事業」*1.同「対策の的を絞る」*2範囲は,実施後,要確認.

*1:北九州市HP(市政情報財政状況・行財政改革:市の財政状況予算・決算情報予算編成過程の公開について平成28年度)「子ども家庭局

*2:阿部彩『子どもの貧困Ⅱ 解決策を考える』(岩波書店,2014年)121頁

子どもの貧困II――解決策を考える (岩波新書)

子どもの貧困II――解決策を考える (岩波新書)