ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

郵政民営化

 233 - 228で衆院通過。コムスンが開業してから、すぐに儲からないところは閉店してきたことは記憶に新しい。CNNのニュースを見ると日本の郵政事業のことを"Japanese Postal Bank"と称しているのにはびっくり。確かにあれは単なるポスト・オフィスではなくて、bankでありinsuranceであり、総合多機能窓口になっていたわけで、考えてみればそれを民間化することによってその機能を分割化せざるを得なくなるのでは、時代に逆行している。つまり、変に民営化なんかに切り替えなくても既にそのままで充分多機能だった。都会に暮らしていると何も郵便局に口座なんて持たなくても何ともないけれど、付近に銀行なんて存在しない地域に暮らしていると郵便局の機能はありがたい。あれで役所の窓口機能も兼ねてくれるともっと良い。それこそ現実性があるのではないのか。
 Australian Postは完璧な民営ではないが、既に文房具屋であり、ある種のキャラクターグッズなんかも扱っている。何よりも嬉しいのは何も持たないでいってもその場で小荷物をつくって送り出すことができることである。小荷物用のカートンボックスはいくつもの種類があり、封筒もいくつものタイプがあり、ガムテープも売っており、隙間に詰めるクッションも、大きく宛名を書くためのマジックまで売っている。ちょっとカウンターに声をかけるとハサミだって貸してくれる。
 もっとも何回も使った経験の中では中国系の若い女性事務員にことさら冷たくされた記憶があり、これが何をきっかけとすることなのかさっぱりわからなくてうろたえた覚えはある。多分に民族的軋轢であったのではないかと思いたくもないのだけれど、他に原因が見あたらない。これを語ると話の方向が変わる。
 現在の日本の郵便局ではこの種のサービスは全くない。よけいなものは扱えないのはその立場上わかる。それが民営化政策を掲げる側のひとつのお題目ではある。しかし、あきれるのは封筒すら売っていないし、カートンボックスに至ってはゆうパックと印刷したものが数種類あるだけ、というはなはだ孤立的な商売のやり方であろう。家で完璧に創って持っていくしかない。不思議なことにゆうパックは電話をすると取りに来てくれるのだけれど、普通の郵便はなんで取りに来てくれないのだろう。例えば職場から5-600通のA4サイズの封筒を発送する時に電話をしてみたけれど、断られてしまった。ひょっとすると後からヤマト運輸への対抗策として創られたゆうパックはそこまでやらないと取られてしまうからそんなサービスはしているけれど、封書の方はそんなことにはならないかあ気にしていないというのだろうか。
 こうした部分を改正していく場合に障害となるであろう法的不具合は改正していく必要があると思う。しかし、完全民営化するということは非効率事業所を閉鎖していくことが当然のこととして許されなくてはならないし、それが許されないのであればそれを民営化とはいわないわけである。公社でどんな不具合があるのかがわからない。ちゃんとやれることをやらないで放り出すんじゃ。

障がい者自立支援法

 郵政民営化に隠れて応益負担をすすめる障がい者自立支援法がどんどん成立に向かって進んでいる。今日はそれに反対するデモが日比谷公園から霞ヶ関に向けて行われる。アルバイトで行かれない日だからあきらめていたのだが、こんな体調となってアルバイトも、デモも行かれない状況となって、大失敗。無念である。民主党のやまのい和則議員のメルマガによるとこの日のデモは当初7000人と思われていたようだが、結果的には1万人を超えたといわれているようである(やまのいは1万1千人と書いている)。しかし、このデモの話は午後7時のニュースでは全く報じられることがなかった。ウェブ・ニュースでもごくわずか触れられているだけである。郵政民営化は与党自民党内の今後の問題を含み語られることは多いだろう。しかし、正に今国会で決めてしまおうとされている。大いにその内容について問題を語られているにもかかわらず、そしてこれだけの数のデモが行われているにもかかわらず、その事実について報ずることのないマスコミの姿には本当に疑問を感じる。
 昨日のシンポジウムに於いても、新聞社、放送局がその役割や使命を議論する以前に企業としての利益追求ばかりに眼がいっている現状が語られては居たが、これは今始まった話ではなくて、70年前にも既に陥っていたいつか来た道なのである。大きな声を上げて行かなくてはならないという使命を私たちは忘れてはいけないのだろう。

道路公団

 ま、いずれにしても談合が行われていることは火を見るよりも明らかであって、今回これが立件できなかったり、不起訴となったりしても、どんなに副総裁が猪瀬が自分を侮辱したといってその矢面に立つことになる会議に出席しないといっても、談合が行われていることは今年の落札額平均が予定金額の96%を超えていることを見たら、だれも疑問を持たないだろう。で、この公団は後三ヶ月で民営化されると聞いているけれど、民営化されると談合なんて問題じゃなくなる訳じゃないのか。どんなところにどんな金額で発注しようと勝手?しかし、そんなことをしていると普通の会社だと儲からなくなって潰れちゃうんだけれどなぁ。

明治安田生命

 保険金不払い1000件の責任を取って社長が辞任。辞任ということは免職じゃないんだからといっていわば退職金に相当するようなものを支払うんだろうか。それって、引責辞任とはいわず「やらずぶったくり逃げ」というんじゃないのか(ちなみに給料については4月-10月は無給ということになっている)。国会での質疑やら明治安田生命労働組合協議会なるもののビラをみると保険金部長だったらしい下平さんという方は退職金に加えて転身支援金まで支給されたらしいから、会社にとって見れば「まぁ、これまでは良くやってくれた」とでもいうようなものなんだろう。そりゃ保険会社ができるだけ支払わないように頑張るんだから儲からないわけがない。
「毎日新聞」によれば「「詐欺無効」(保険金詐欺)以外の理由で保険金を支払わなかった2004年度中の契約5000件のうち1500件を抽出調査した結果、90件以上・約7億円分は本来支払うべきだったことを明らかにした」ということであるからこれから単純に類推すると単年度に300件ほど、20億円以上を支払うべきだったということができようか。「同社は2001年度までさかのぼって調査を進めており、単純計算すると不払いは4年間で計1000件以上・約90億円に達することになる。また、入院給付金の不適切な不払いが、2005年3月までの6年間で64件・1億3500万円あったことも明らかにした」とも報じられている。
 金子亮太郎社長は「経営側の指示や組織的関与はなく、不正は営業現場の独断だったとの認識を繰り返した」と報じられているわけで、これは「うちの社員が馬鹿ばっかりで」といっているわけだ。そうだとすると現場の責任者は社長が「不正」を犯したといっている人間に対して退職金を与え、転身支援金を与えたということになる。優しい企業なんだなぁ。よくこの会社の現場社員が黙って居るなぁと感心するというか、あきれていたがこういう優しい企業だからなんだ。昨日のシンポジウムではないが(実際にはこんな議論はいかがなものかとは思うけれど)、一杯給料をもらっている人たちにとってはどうでも良いことなのかも。お客さんにも優しくしてあげれば良かったのにね。
 「全容が解明されるのが10月だろうからそれを終えて年内に辞任するつもり」なんだそうだ。テレビ朝日だったかのニュースではこの金子亮太郎社長は、責任を持つ役員二人が辞任した後、子会社の役員(?)に就任していることについて聞かれ、それはそれはご丁寧な口調で「一応それでけじめがついたわけです」とコメントした。「共同通信」は5月30日18時57分の記事で「元保険金支払い部門担当専務の平田滋氏は関連のビルマネジメント会社に、元取締役法務部長の上山一知氏は本社の法務関係業務に、それぞれ嘱託として勤務」していると「2005年3月期決算発表の席上で、山本芳夫専務が記者団の質問に答え」たと報じているものである。居直りである。恥を知らない、という点では人間的に明らかに破綻している。金子亮太郎氏は「株式会社ニコン」の6月29日付の役員一覧の中に新任取締役として記載されている。