フェミニズムのテーマ
家父長制批判こそフェミニズムの根本テーマじゃなかったっけ?
http://d.hatena.ne.jp/amamako/20090621/1245555729
id:amamakoさんの言っていることは、ある意味正しいのですが、あくまである意味でです。
カタカナのフェミニズムというのは当然、日本のものでありまして、とくに80年代中盤から90年代中盤にかけて隆盛をみたものを指すというのは一般的な理解といえるでしょう。
ならば、そのメインストリームは「マルクス主義フェミニズム」であり、これは家父長制を真っ向から否定しています。
歴史的に言って近代の女性問題はパターナリズム(父権的温情主義)として開花したもの(例:ジョン・S・ミル『女性の解放』)であり、これは家父長制下での女性の自由です。今では「自由主義フェミニズム」と呼ばれます。女学校の普及とか、制限自由選挙なんかは、主にこの文脈に関連してきます。
これに対し、そんなヌルいことじゃダメだ、経済社会を変えなきゃ、というのが「社会主義フェミニズム」で、ここでは家父長制は「そんなことはどうでもいい!」とばかりに棚上げされています。
確かに共産革命後のソヴィエト・ロシアで女性の権利はかなり拡張しましたが、(ロシア)男の横暴さ(仕事はそこそこ、家事しない、酒飲んで暴れる)はそんなことでは変わるものではなかった。このわりと普遍的な事実は、日本では学生運動内部での女性差別によってようやく広く認識され、「ウーマンリブ」を産みました。
「ウーマンリブ」はそれこそ過激すぎ、理論的な裏付けも弱かったため支配力に欠けましたが、そこらへんを戦略的・理論的・組織的に上手くやったのがいわゆる「フェミニズム」=「マルクス主義フェミニズム」です。マルフェミはフロイト左派から、家父長制そのものが男女差別の支配的要因であるという発想を取り入れ、特に日本では、明治政府による天皇を頂点とする家父長制を批判・否定するロジックとも合致し、その言説を強力に展開しました。そしてマルフェミは、ついにある程度の勝利をおさめたのです。http://d.hatena.ne.jp/o-tsuka/searchdiary?word=%b4%fb%a4%cb%be%a1%cd%f8
ですから、「家父長制批判はお花畑」などという認識があるとすれば、むしろそちらの方が現実をみていないと言えるでしょう。
スキスキ小谷野先生
しかし、怖そうなお兄さんとかおじさんだと、下手に注意をすると怖いから、それ以外のやつに注意しているが、何せ無灯火自転車なので、遠くからだと分からない。近寄って、怒っても安全な相手だと確認してから「あかりをつけろ」と言う。我ながら情けない。怖い外見がほしい。
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20090606
小谷野先生は勘違いをしておられる。
怖そうな人に注意できないのは、胆力がないからか、あるいは賢明だからであって、怖い外見をしていたからといって情けない思いをしなくてすむわけではありません。
あと、三浦太郎は別の大学に移ってるみたいですよ。