上杉和央『地図から読む江戸時代』

曇。
睡眠の不思議。
音楽を聴く。■バッハ:フランス組曲第二番 BWV813(シフ、参照)。■テレマン:序曲ニ長調 TWV55-D13 (ペイエ、コレギウム・インストゥルメンターレ・ブリュヘンセ、参照)。これでこの BOX の「序曲」を聴き終わった。たくさんあったなあ。■ハイドン弦楽四重奏曲ハ長調 op.74-1 (ザロモンQ、参照)。■シューマン交響曲第一番 op.38 (ショルティ参照)。■ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第一番 op.78 (チョン・キョンファ、ペーター・フランクル参照)。前に聴いたときはいい状態ではなかったので、聴き直してみた。素晴らしい演奏だったのでホッとした。チョン・キョンファは、こういう熱のある曲には特に力量を発揮する。しかし、この歳になってこんな甘い曲を偏愛するのはマズい気がしないでもない。なかなか卒業するには遠い。なお、ピアニストがもう少し力がある演奏家だったら、またちがった演奏になっただろう。特に終楽章でそう感じた。
何だか無意識で聴いているなあ。

図書館から借りてきた、上杉和央『地図から読む江戸時代』読了。我が国に古来ある、諸国を魚の鱗のように重ねて描いた地図は、「行基式日本図」というのだな。別に行基が作ったわけではないく、行基の名で伝えられてきたものである。江戸時代には幕府が作成したものから、民間の出版まで、様々な地図(絵図)が作られたということで、本書の主題はそれである。江戸時代になって庶民が旅行することが多くなったためもあって、ガイドマップみたいなものが民間で多く出版されたらしい。本書では、そのような地図をたくさん出した、石川流宣(とものぶ)の名を特筆している。十九世紀になって、有名な伊能図が作られたわけだが、日本の地図は伊能図で尽くせるようなものではないことがわかった。なお、伊能図は「日本」の海岸線のみを正確に描き出したのであり、他の情報は殆ど記載がないことは強調しておこう。なかなかおもしろい本でした。

地図から読む江戸時代 (ちくま新書)

地図から読む江戸時代 (ちくま新書)