日曜日。晴。
おかしな夢を見た。無意識は、お前の考えの及ばない遠くに目標を設定しておいたよとでも言うかのようだ。今まではあまりそうではなかったのに、頭がだいぶバロック的になってきている。でも、そもそも脳の神経構造はバロック的なのだよなあ。
音楽を聴く。■バッハ:イギリス組曲第一番 BWV806(ヒューイット、参照)。■モーツァルト:交響曲第三十五番 K.385 (ムーティ)。いわゆる「ハフナー」。いい曲ですな。
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」&第38番「プラハ」
- アーティスト: ムーティ(リッカルド),モーツァルト,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2014/07/16
- メディア: CD
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図書館から借りてきた、蓮實重彦『随想』読了。おもしろそうな本だけでなく、むかつく文章家の本も読もうと、蓮實重彦、鶴見俊輔、坪内祐三あたりを借りてきた。で蓮實重彦を読んだのだが、別にどこもむかつかないので拍子抜けした。現在には稀なる知的で教養に溢れ、大変な頭のよさを見せつける本物の「文化人」の畏敬すべき著作であった。蓮實氏は、ハイブロウなハイカルチャーだけでなく、アドルノ&ホルクハイマーの『啓蒙の弁証法』をバカになさるとおり、サブカルチャーまで目配りを怠らないように見える、現在における第一級の知識人であることは疑いない。まあ自分には本書はどうでもよかった(というより、読んでいて段々ゲンナリしてきた)のだが、それは氏のまずは専門と見做されているフローベールや、また特に映画が、自分のよく知るところでないせいもあろう。しかしサブカル&エンターテイメント(ちなみに氏は、日本における「純文学」と「エンターテイメント」の区別を「ありもしない」(p.234)ものだと仰っている)にまで目配りを怠らないのはさすがであるが、アニメは御覧になっても、マンガやゲーム、AVなどはあまり渉猟されないようで、そんなことでアドルノ&ホルクハイマーをバカに出来るのかとは思うけれども。まあ、ひとりで何もかもをやるっていうのはむずかしいというか、ムリですけれどね。それから、どうして理系の本はお読みにならないのかとも思う。とてつもない秀才の蓮實氏になら、数学だって簡単であろうに。ともかく、知的で刺激的な本なのは間違いない。そういうのを求める方には、最高の読書を約束してくれるであろう。
- 作者: 蓮實重彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/08/01
- メディア: 単行本
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図書館から借りてきた、『吉本隆明詩全集5 定本詩集』読了。吉本さんの有名な詩がもっとも多く収められているのが、このシリーズでは本巻であろう。ノミで切り出した跡もなまなましい、無骨な詩たちが並んでいて、なるほどこれが吉本さんの代表作たちであるのだなと思った。これらの荒々しさのインパクトは強く、いま読んでもとても新鮮に読める。ただ、『日時計篇』などの抒情的とも言える詩も、たぶん吉本さんの詩としてはあまり読まれていないようであるが、自分には捨てがたい。もちろん、本書の詩篇が詩として、上手いものではないかも知れないが、価値の高いことははっきりしているだろう。とにかく、自分にはそのゴツゴツした新鮮さが嬉しかった。ふにゃふにゃな詩ばかりが詩ではあるまい。まさしく戦後の現代詩という感じがする。そしてその生命力は、いまでも消え去ってはいない。
- 作者: 吉本隆明
- 出版社/メーカー: 思潮社
- 発売日: 2006/11
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