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リプロな日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-12-25 [水子][供養][ジェンダー][フェミニズム][中絶][胎児殺し]

水子供養 商品としての儀式』発売!

本日付で、明石書店から『水子供養 商品としての儀式――代日本のジェンダー/セクシュアリティと宗教』が発売されます。

現代日本人にとって、ある種「常識」になっている水子供養が、実は戦後に創られた習俗であるという事を明らかにした一冊です。

「中絶=女性が胎児を殺した」という観念は、実は、創られたものであって、当事者の女性が一人で抱えていくもの……というのも、一部の人々が構築したビジネス戦略に基づくものかもしれないということを、この本は明示してくれます。

今までの常識を覆し、「目から鱗が落ちる」体験をしてくださる方々が増えることを願っています。

2017-12-20 [水子供養][罪悪感][ジェンダー][セクシュアリティ][セクシャリティ]

胎児・女性・中絶・水子

私が監訳した『水子供養 商品としての儀式――近代日本のジェンダー/セクシュアリティと宗教』が、明石書店から近日発売されます!

他国に比べて、日本では、どうしてこれほど「中絶」が罪悪視されるのかと、ずっと考えてきて、その一つの原因が「水子供養」だと長年思ってきました。そして見つけたのが、この本(の原著)でした。それから紆余曲折があり、10年以上かけて、ようやく翻訳出版に至り、ほっとしています。

オビには、こんな文言があります。

戦後発明された新たな「慣行」は なぜ爆発的に広まり、定着したのか

米国の宗教学者による水子供養の画期的論考、待望の邦訳。史料分析と現地調査により、大衆メディアの活用、徹底的な商業化、超宗派的な儀式の性格を多面的に描き、その根底にある女性差別、胎児中心主義的イデオロギーを暴きだす。

オビウラには、私の監訳者あとがきからの抜粋が載りました。

 ここで考えるべきなのは、女性たちを殺人者に仕立てたり、何もない空間に還元したりするのはいったい誰なのかということです。「患者中心主義」であれば主体は患者であり、「自民族中心主義」であれば主体は当の民族の人ですが、「胎児中心主義」の胎児は主体にはなりえません。「胎児中心主義」は、「胎児」と「女性」のあり方をそのどちらでもない第三者が一義的に決めつけた見方なのです。「胎児中心主義」のレトリックを用いる人々は、自ら構築した「胎児」の像を隠れ蓑にしながら女性たちを「脱中心化」しようと試みています。胎児中心主義においては女性たち自身の自主性や多様な見方は捨て去られ、女性たちは「胎児の母」として一義的に決めつけられ、許しがたい「子殺し」を行ったと断罪されます。まさにそのような文脈に基いて、女性搾取的な水子供養ビジネスが展開されたのです。

ぜひご覧ください。

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以下、夕方に追記:

本が到着しました! 美しい本に仕上がりました。

内容も読みごたえがあるはずです。

早くも本の内容を紹介しているサイトがあるのを見つけましたのでご紹介します。発売予定は12月25日です。

2017-11-15 [妊娠中絶技術の動向と日本の現状][修正]

現代性教育研究ジャーナル

日本性教育協会上記ジャーナルNo.70に掲載した塚原久美著「妊娠中絶技術の動向と日本の現状」の表について、出版元に訂正をお願いしておりましたが、本日付の同ジャーナルNo.80に以下の【訂正のお知らせ】が掲載されましたので、周知願います。

【訂正のお知らせ】

本紙の 2017 年 1 月号(No70) の「妊娠中絶技術の動向と日本の現状」の3ページの表について、筆者から訂正がありました。No70 を訂正したデータに差し替えました。既に入手している方は、下記から再度ダウンロードをお願い致します。

http://www.jase.faje.or.jp/jigyo/journal/seikyoiku_journal_201701.pdf

私のミスで不正確な情報をいったん掲載してしまったことを深くお詫び申し上げます。最新の情報をぜひご入手ください。

2017-11-11 [赤ちゃんポスト][スイス][男性の妊娠][子宮移植]

リプロ関連記事忘備録

タイトル「助けを求める母親たち:政治、宗教、社会正義 赤ちゃんポストをめぐるぶつかり合い」のスイスの赤ちゃんポストの話はこちら

「明日にでも男性の妊娠が可能になりそうなほど子宮移植の技術が向上している」との学会発表があったことに関する記事はこちら

2017-10-12 [アフターピル][事後避妊]

緊急避妊薬OTC化のパブコメ:「要望された成分のスイッチOTC化の妥当性に係る検討会議結果」に関するご意見の募集について

タイトルだけ見ると何が何だか分かりませんが、実はこれ、緊急避妊薬ノルレボ錠(レボノルゲストレル)を初めとする医薬品のOTC化(オーバー・ザ・カウンター=薬局で処方箋なしで買える扱いにすること)の妥当性についての検討会議の〈結果〉に対する結論先にありきのパブコメの案件名です。

2017年7月26日に開かれた第2回検討会議では、性教育が不十分、薬剤師に対するこの分野での教育が不十分、経口避妊薬が普及していない日本には適さない、などの理由で時期尚早という結論となりました。

次回以降の検討会議に向けて、パブリックコメントが募集されていますが、下記に示すやりとりから、積極的に国民の意見を求める気はなさそうですが、それでも私自身は意見を出していこうと思っています。

前回の検討会議には、産婦人科医が2名出席しており、両人を含めて次のようなやりとりが行われました。最初から「OTC化はしない」と結論しておきながらの、形ばかりのパブコメであることが、見え見えです。

議事録から関連個所を引用します。

○笠貫座長

 本日、参考人としてお越しいただいている宮崎参考人、矢野参考人から御意見、あるいは補足をお願いできればと思います。

○矢野参考人

 矢野と申します。よろしくお願いします。資料の53ページにありますように、参考資料3の「緊急避妊法の適正使用に関する指針」を平成23年2月に作成しました。私もそれに参画していました。ごく最近、改訂版を作成しました。ほとんど内容は一緒ですが、文言を少し修正しました。例えば「緊急避妊ピル」を「緊急避妊薬」に修正しました。緊急避妊薬は、避妊に失敗した一般国民の方や、性犯罪被害に遭われた女性などにとっては非常に重要な、必要な薬剤であるとは思います。妊娠阻止率が100%であればOTCでよいのですが、実際は100%でなく80%程度です。しかも、性交渉から72時間以内に服用しないといけないとなっており、服用が遅ければ遅いほど妊娠阻止率は低くなります。

 次に、性交渉が月経周期のどこの時期であるかということが、実は最も重要なのです。月経は大体28日周期ですが、その真ん中の時期に排卵が起きます。性交渉が排卵の前後なのか、または丁度排卵の時期なのかで成功率が違うことも治験で分かっております。重要なことは、排卵する前であれば大丈夫なのです。排卵後一定時間が経過してから性交渉があっても、もう妊娠はしません。実は、そこで来られて服用する方も多く、全体の妊娠阻止率を上げているのです。実際は、排卵の前に服用することが大事なのです。正に排卵している時に来られた方は、実は妊娠を阻止できないのです。緊急避妊薬は大規模病院ではほとんど置いてなく、一般のクリニックの先生方が使われています。実際には、月経周期のどの時期に当たるかということを余り詳しくチェックしないで処方されていますが、その場合、確実に妊娠は阻止できないということは言っています。そのために同意書を作っているのです。72ページにありますように、「緊急避妊薬の処方をお願いします」という文言で始まり「緊急避妊薬を服用しても必ずしも妊娠を回避できるわけではないことを理解いたしました」という同意書をしっかり頂いて処方しているのです。

 やはり、緊急避妊薬がOTC化されると100%妊娠を阻止できると、一般の方が誤解されるのではないかと危惧します。しかし、そのことを周知することは非常に難しいと思います。しかも、同意書をとって処方しているような薬です。知らない間に妊娠がどんどん進行してしまうとか、いわゆる子宮外妊娠に陥り生命の危険にさらされることなども危惧されます。絶対に安心できる状況にはないわけで、同意書をしっかり頂いて処方しているのが現状です。それがOTC化されると何パーセントかの方々は知らない間に妊娠が継続していくとか、いわゆる子宮外妊娠に陥ったことを見逃されてしまうということを、我々産婦人科医は危惧しているのです。そのことまで薬剤師の方がしっかり説明できるとは思えないのです。薬剤師の方々も患者さんにいらっしゃいますが、そこまでの教育は受けていません。妊娠阻止のメカニズムもまだ完全に分かっていない段階です。排卵前のある時期に服用すれば排卵を阻止するであろうということになっておりますが、完全にはまだ分かっておりません。ですから、そのような薬剤をOTC化するのはまだ難しいと考えます。欧米では確かにOTC化されているようです。欧米では20代の90%以上の方が経口避妊薬を使用している状況にあり、避妊薬に慣れているのです。ある程度避妊に失敗することもあるだろうということも体感しています。

 日本の場合、一般の20代の方が経口避妊薬をどれだけ使用しているかというと5%以下だと思います。実際に緊急避妊薬を求めて来られる方は、経口避妊薬を常用していない方です。ですから、そのようなことに全く慣れておらず、知識も経験もないので、妊娠に気付くのが遅れてしまう恐れがあり、そこが一番心配するところです。以上です。

○宮崎参考人

 産婦人科医会の宮崎と申します。基本的には矢野先生の考え方と一緒です。説明を少し加えると、性教育そのものがまだ日本はヨーロッパやアメリカからかなり遅れております。実際現場を見に行った先生方の話を聞くと、変な話ですが、ピルを飲むことがむしろ当たり前の感覚で教育をされているのが現状で、日本がまだまだそこまで行っているとは言えない。うちの娘の高校はかなりしっかり教えてくれたみたいですが、母親の方がびっくりするぐらいのことまで教えてくれたような高校もあるのです。これも個別の問題で、全ての一般の方たちがきちんと分かっているかどうかという問題はあろうかと思います。

 個人の話をして大変申し訳ありませんが、うちの妻は薬剤師ですが、ピルの話になると全くチンプンカンプンです。やはり、対応する患者さんがあまりにも血圧とか糖尿病の患者さんが多過ぎて、そちらの勉強は一生懸命しますが、こういうピル関係のお薬に関しては質問されても答えようがないという現状はあるのではないかと考えます。以上です。

○宗林委員

 質問ですが、中絶というのは我が国ではどのぐらい行われているのですか。全体的な消費者教育とかリテラシーとか、そういったものが全体に欠けているので、これを可とするにしても否とするにしても、私はその対応は必要だと思います。現状で中絶がどのぐらいにあるのかというのを知りたいと思います。

○宮崎参考人

 細かい数字は覚えていないのですが。

○事務局

 資料の49ページです。正式な統計かと言われると、そうではないかもしれませんが、こちらに調査として2011年度における人工妊娠中絶の実施件数等がありまして20万件ということです。1955年からのグラフで推移はありますが、減ってはいるとは言え20万件という状況です。

○宗林委員

 ありがとうございました。そうしますと、この20万件の方たちを救えるかもしれないという話が1つです。先ほど大きな病院にはもともと処方せん薬も置いていないというお話がありましたが、こういった緊急避妊薬を使えるということの周知度が、一般の方々、若年層が中心でしょうがどのぐらいあるのでしょうか。もしかしたら、そもそも知らないという状況があるのかという全体像を教えていただければと思います。

○事務局

 同じ資料の52ページに、緊急避妊法の認知度の調査も併せてあります。調査が少し古くて2012年で、承認直後ですが、「聞いたことがありますか」というところで33.2%ほど認知しているという状況が調査の中では出ております。

○笠貫座長

 他に御意見がなければ、この製品についてのパブコメに当たっての方向性をまとめたいと思います。非常に難しいということを感じました。1つは、皆さん、OTC化は否ということで、かなりここは多くの問題が指摘されたようにも思います。特に中絶の問題との関係で、これを救える薬ではないかという御指摘があります。この薬が将来的にどうかということで、欧米ではこれがOTC化されている。ただ欧米と日本と比べた場合、性教育の問題を含めて、大きな文化の問題の違いもあるのだろうと感じました。

 あとは薬剤師の教育の問題です。緊急避妊の話になりますので、特殊な教育をどのようにしていくのか。あるいは先ほど同意書の話等も受けましたので、多くの問題を、ネット販売も含めて存在することがあるという御意見も出ました。2つの考え方があると思いますが、ここで、この製品のOTC化を否としてパブコメに上げないという考え方が1つです。それから、今の製品そのもののOTC化としては、現状としては時期尚早ではあるが、これからこういう問題が解決できたら、将来的には可かもしれないということを含めて御意見を併記した上でパブコメを実施するという考え方です。2つの考え方ができるかなということでお聞きしておりましたが、後者の考え方でパブコメを実施するという形で合意を頂けるかどうかということをお諮りしたいと思います。もし否ですということですと、パブコメにかけることはできないということになってしまいますが。

○宗林委員

 先ほど中絶の数をお聞きはしましたが、もしかすると、消費者の方は、皆さんの考えている形ではなくて、常備薬的に自宅に置いておく可能性が出てくるかと思ったのでお聞きしたわけです。私は消費者としても、性教育に関するリテラシー、それと、このような薬をどういったときに使っていいのか、また、同意書が必要なくらい難しい薬であることが、まだまだ理解がされていない状況にあると思いますので、私自身は反対です。

○小縣委員

 今、現場で働いていると、初診のアンケートなどのときにピルを飲んでいる方は、若い方で非常に多いのです。産婦人科の先生方に伺いますと、性感染症の方も驚くほどの人数がいらっしゃいます。そこで先ほどの話に戻りますが、この薬もいずれは必要になってくるものかもしれないと考えます。そのときに欧米6か国と同じようなところまで性教育や、こういうことに対する教育がきちんとできるようにならないと、いつまでたっても日本はこの薬を表に出すことはできないのではないかと思います。3分の1しか知らないという薬を、多くの方が全員というのは無理でしょうが、多くの方が知って、本当に困ったときに使えるというところまで認識させることがまずは大事ではないかと思います。パブリックコメント上、確かに載せたくない部分ではありますが、こういう薬があることを行く行くは知っていただくことも大事ではないかと考えます。

○鈴木委員

 パブコメに載せることは、前向きに使用を認めることを前提にという印象が強いのですが、そうなると今日の議論とは違うのではないかと思います。学会・医会の先生はどう考えるのか、見解を是非伺いたいと思います。

○矢野参考人

 私は、ここがアメリカであればOKだと思います。緊急避妊ピルを常時使用している環境に皆さんがおられますので、これをOTC化しても全く問題はありません。日本では青少年に対してある程度の性教育が行われているにもかかわらず、経口避妊薬を日本人はなかなか使用しないのです。日本はそのような文化・環境にあり、しかも実際に緊急避妊薬を必要とされる方は、経口避妊薬を常用されていないのです。日本でも何年かしたら緊急避妊薬をOTC化しても問題ない環境になるのかもしれませんが、今はまだ早いのではないかと思います。

○笠貫座長

 OTC化としての時期尚早というのは、多分皆さんも御意見は同じだと思います。

○事務局

 現状、否という結論をもってパブコメに掛けるということも1つオプションとしてあることを申し添えさせていただきます。

○笠貫座長

 例えばパブコメで、今のようなたくさん御議論が出ました。そういう議論を踏まえてパブコメとして否として結論をここで出しました。これは多分時代の流れの中で、こういうものがどう変わるのか。これからいろいろな条件が変わるかどうか分かりませんが、そういうことでは、ここで時期尚早という形でパブコメを出していただくということで、多種多様な価値観を持つ国民サイドから御意見を頂くということも、ある意味でこれをどう周知していくのかという点にもつながると思います。鈴木委員いかがですか。

○鈴木委員

 パブコメの扱いについてです。パブコメを推進するにしろ、よく理解をされていない方の意見が多く寄せられたり、あるいは業界の意見が寄せられたりして偏ってきたときに、どのような扱いになるのか。パブコメの位置付けを明確にしてから議論したいと思いますが、いかがですか。

○笠貫座長

 私の理解は、多種多様な御意見を頂きながら、次の評価会議でそこを整理された形で、決して偏った形にならないようなもので、事務局でまとめていただいて、この場で議論していくものと理解していますが、いかがですか。

○鈴木委員

 あくまでもパブコメというのは意見であり、国民全員から聞くわけではありませんし、しかもある意味偏っているかもしれない意見です。それは参考にした上でもう一回議論するということであれば、完全に否定するものではないのですが、学会・医会の先生に同調したいと思いますが。

○笠貫座長

 どうでしょうか。今は時期尚早で否ですという形でパブコメを行うということでいかがですか。

○宮崎参考人

 そういう形であればよろしいかと思います。