Hatena::ブログ(Diary)

リプロな日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-05-21 [ミフェプリストン][中絶薬][インド製][個人輸入]

でっちあげられる中絶薬の危険性

「インド製中絶薬で多量出血 個人輸入、厚労省が注意喚起」の見出しで2018年5月15日05時34分朝日デジタルに掲載された記事に対して、朝日新聞社のサイトを通じて記者の方宛に以下の意見を出しました。返信がきたらご報告いたします。

黒田壮吉様

 私は日本の中絶技術が世界に立ち遅れていることを研究しています。

 上記記事に出てくる経口妊娠中絶薬ミフェプリストンは、WHOが「エッセンシャルドラッグ」にしているほど有効で安全な薬ですが、この記事の書き方では中絶薬が危険なものであると読者を誤解させてしまいかねません。

 ミフェプリストンは妊娠中の胎盤を維持するホルモンの作用を抑制する薬で、続いて服用するミソプロストールは剥がれた胎盤や妊娠組織を(通常の月経血同様に)膣を通じて体外に排出させるように作用します。つまり、これらの薬を正しく用いれば「膣から大量出血」するのは当然です。妊娠週数次第では、素人がびっくりするような出血があってもおかしくありません。

 この事件の真相は、医師の指導を受けられず知識もないまま中絶を試みた女性が大量の血を見て怖くなり病院に駆け込んだのでしょう。中絶薬を認可し、医療下で用いていたら起きなかった事件です。

 厚労省は中絶薬導入直後の米国で生じた感染症事件持ち出して危険だと主張していますが、当の米国では事件直後に速やかに調査した結果、翌年には中絶薬との関係を否定し、数年後には感染症の危険ありとした警告を全面解除しました。

 なお、中絶薬導入直後の米国で感染症が発生したのは、当時、ミソプロストールを膣座薬として用いることがあったことも影響していると考えられています。現在ではどの国でも、二薬とも経口で服用することになっているので、仮に感染のリスクがあったとしても経口服用する他の薬と同じ程度でしかありません。

 WHOが中絶の方法として一押ししている安全で確かな中絶薬ミフェプリストンを今も認可していない国は、イスラム諸国やカトリック国のごく一部、また女性の権利が非常に侵害されているような国々を除けば、日本くらいです。この国は世界のリプロダクティヴ・ヘルスに大きく立ち遅れているのです。

 「中絶薬は危険」といった誤ったイメージを新聞で広めることのないように、ぜひ訂正記事をお願いします。なお、WHOが危険視している「搔爬」が日本では今も多用されています。安全な薬を禁じ、危険な手術に頼ることこそリスクを高めます。女性の健康を守るためにも、そうした事実に目を向けて、真実に基づいた報道をしてくださいますようお願いいたします。拙著『中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ』もご参照頂ければ幸いです。

追伸(2018年5月22日)朝日デジタルは読めない人もいると思ったので、ここに讀賣と毎日の記事を貼り付けておいたのですが、讀賣の方は今日の昼頃の時点でリンク先の記事が消えていました。毎日は残っていたので、そのままにしておきますが、讀賣の代わりに、両社の記事の出典である共同通信ニュースのリンク先を貼っておきます。

こちらに共同通信の記事を貼り付けておきます。この記事によれば腹痛やけいれんもあったとのことです。

毎日新聞の記事も貼っておきます。この記事によれば製品はMisocareですが、ググってみたらMisocareはインドネシアの会社のような……? 

2018-05-12 [避妊][事後避妊][技術][リプロ][なんでないの]

日本の避妊は、ないものだらけ

性と生殖を考える女性専門家の会で知り合った学生さんが開いているサイトをご紹介します。

#なんでないの。」というサイトで、「日本の避妊は、ないものだらけ」として、「一度すると、3ヶ月保つ注射、3年保つインプラント、1ヶ月使えるシール…​世界には今、確実な避妊法が沢山!」「​更に特に若者には安く、時には無料でそれらが提供されている国も少なくありません」「しかし 日本には 現代的避妊法の多くが存在しない上に、手にできるものはとっても高い!」「避妊や性に関して 頼れる情報も、性の健康を守る環境も、選択肢も、とっても限られているのが、今の日本の今なんです」と、具体例をいっぱいあげています。

近々、イベントも開く予定だそうです。日本のリプロの遅れた実態に、もっと多くの人が目を向けるようになるといいですね!

「#なんでないの。」のfacebookはこちら

2018-04-30 [中絶][統計][政府]

e-statで中絶統計を探す!

Guttmacher Instituteから日本の中絶状況の問い合わせが来たので、政府の統計をまとめて返答したのだけど、いや〜、これがものすごく分かりにくい。なので、日本の中絶統計を調べる手順をここに張り付けておきます。

1.e-statに入る(https://www.e-stat.go.jp/

2.「ファイルから探す」をダブルクリックする

3.「統計一覧」のところに「衛生行政報告例」と入力してリターンする

4.「衛生行政報告例」をダブルクリックする

5.平成14年以降は「年度次」をダブルクリックすると、様々な統計表の一覧が並んでいるので、ずっと下の方まで見ていくか、あるいは「中絶」と検索すれば、人工妊娠中絶関連の統計がみつかる

6.ただし、2か所に離れて固まっているので、最後まで見た方がよい

7.平成8年から平成13年まで数値を知りたい場合には、3.のところで「母体保護統計」と入れる。

それ以前の「優生保護統計報告」はデータベースに見当たりません。優生保護法に基づく不妊手術強制問題が浮上したことで、まさか「廃棄」されたのではないでしょうね。 

2018-04-29 [中絶][胎児][プロライフ]

アメリカの中絶反対派の典型例

アメリカのPlanned Parenthoodが中絶反対派からの罵声や抗議を中絶を受ける女性の目線で仮想体験できるVR(バーチャル・リアリティー)のWebコンテンツを作成したそうです。それを日本語で紹介しているページを見つけました。「誰とでも寝る尻軽女!」「子殺し!」など、彼女の「事情」などお構いなしの激しい罵倒と罵りの言葉、でかでかと拡大した血まみれの胎児写真などで、女性を心理的に追い詰めていく一方的な「善」の押し付けの薄っぺらさと、それゆえの恐ろしさ、醜さが分かります。なお、コンテンツの内容は英語です。

こちらをどうぞ。

日本の性教育

会員でないと全文は読めませんが、会員でなくても記の趣旨は分かるはず。「中絶や避妊、性交を扱う性教育は『不適切』かー田代美江子」朝日新聞WEBRONZAの記事です。

こちらをどうぞ

寝た子を起こすなと言う人は、寝ぼけてるのか、ボケているのか、あるいは時代錯誤ではないだろうか。

2018-04-28 [性教育][性交][避妊]

高校生の性教育で避妊も性交も扱うな⁉

会員でないと全文は読めませんが、会員でなくても記の趣旨は分かるはず。「中絶や避妊、性交を扱う性教育は『不適切』かー田代美江子」朝日新聞WEBRONZA

寝た子を起こすななどと言う人は、寝ぼけてるのか、ボケているのか、あるいは時代錯誤ではないのだろうか。

年間で1万人を超えるティーンエイジャーが中絶をしており、中絶実施率も19歳では20代前半、20代後半に次ぐほど高いというのに。高校生のうちに「予定外の妊娠」を防ぐ方法を学んでおかなければ、いったいどこで教育できるというのか。