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リプロな日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-03-17 [レイプ][強姦][わいせつ][淫行][条例][青少年]

強姦罪にあたらなくとも条例違反を問える

中高校生など18歳未満の場合、たとえ性行為に合意していても各都道府県の条例違反として罪を問うことができるそうです。なんとなく知っているようでよくわかっていなかったのですが、強姦罪に問えないケースで泣き寝入りする人が減るように、改めて情報を集めておきます。

まず例として東京都と石川県の該当する条例の条文と罰則を見てみます。

東京都青少年の健全な育成に関する条例

(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)

第十八条の六 何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

(罰則)

第二十四条の三 第十八条の六の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

いしかわ子ども総合条例

(みだらな性行為等の禁止)

第52条

何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。

(罰則)

第92条

 第52条第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

条文の文章が少々違うのと、罰金の額が違いますね。石川県では性行為に限定せず「わいせつな行為」も処罰の対象にしています。このように、都道府県の条例にはいろいろな違いがあるようです。

たとえば、東京都と石川県は青少年を18歳未満としていますが、必ずしも18歳でない件もあるそうです。また、相手の年齢が18歳未満(青少年に該当する年齢)であることを知らなかった場合でも処罰されるかどうかも条例によって違うようです。(東京都は知らなかった場合でも処罰されるし、石川県の場合は相手の年齢を知らず、その知らなかったことに過失がない場合は除外されることになっています。)

なお、「みだらな」という言葉がつくのは恋愛関係や交際関係でない場合を指すようです。ほとんどの青少年育成条例では、18歳未満の人が性交に同意していたとしても「みだらな性行為」であれば条例違反にあたります。また、18歳未満同士の性交についてはこれらの条例の対象外になるそうです。

関連する言葉の定義を押さえておきましょう。「強制わいせつ」と「強姦」の罪は刑法に定められています。

(強制わいせつ)

第百七十六条  十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の男女に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

(強姦)

第百七十七条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

「淫行」については、警視庁の「淫行」処罰規定のページに説明があります。

とりあえず。

2017-03-16 [アフターピル][ノルレボ][事後避妊][コンドーム][避妊失敗][性教育]

コンドームが外れた!?

そもそもセックスは「興奮」したときにするものだから、常に冷静であれる人なんてまずいません。

ついつい流されてつけないでしまったとか、あるいはセックスの最中にコンドームが外れたり破れたりして、ヤバい!……ってなることも。

そんなときには、性交72時間(3日)以内に服用することで妊娠を8割がた防げるノルレボという薬があります。ただし薬局では買えないので、産婦人科へ行って医師に処方してもらいます。しかも、飲むのが早ければ早いほど効果が高まるのでいざとなったら急ぎましょう。

ノルレボについて分かりやすく説明しているサイトを見つけたので、ご紹介しておきます。

 →【アフターピル】ノルレボ錠の効果や副作用は?正しい飲み方を解説

あるクリニックで聞いたところ、アフターピルのノルレボと一通りの性感染症の検査で3万5千円を超えてしまうとか。なにしろすべて自費なので、どうしても高くつきます。

妊娠したくない人は、最低限でもコンドームは使いましょう。コンドームは性感染症(STD)の予防にもなります。使い方も確認しておこうね。パートナーがいてセックスの機会が多い女性は、マーベロンなどの避妊ピルをのむことでダブルプロテクションしておけばより安心です。

2017-02-14 [中期中絶][dismemberment abortion]

夫が妻の中絶を阻止する権利

CNN.co.jpに「妻の中絶阻止する権利、夫に認める州法が成立 米南部」という記事が載っていますが、読んでみたら少々誤解されそうな内容です。

 リード文は次の通り。

 米南部アーカンソー州で、夫が医師を提訴して妻の人工妊娠中絶をやめさせることを認めた州法が議会を通過し、知事の署名で成立した。妻が配偶者にレイプされた場合でも例外は認めていない。

 胎児の保護を目的とするこの法律は、ハッチンソン知事の署名で成立し、年内に施行される。妊娠第2期の中絶では最も一般的な術式を禁止する内容で、中絶手術を受けようとする女性の夫が医師を訴えて中絶をやめさせることができるとする条項を設けた。

 同じCNNの英語サイトで確認したところ、中絶全般について夫が阻止できるようになったわけではなく、中期中絶でよく用いられる手法(CNNにはdismemberment abortionとありますが、いわゆるD&E拡張除去術のことです)を行わないように夫(子どもの父親)が医師を提訴できるようになったという話です。D&E(拡張除去術)は日本ではほとんど行われていない(ことになっている?)手法です。

もちろん、一部の中絶が行えなくなることだけでもおおごとだけど、中期中絶そのものの禁止はすでにアメリカの他の州でも行われてきたことです。オハイオ州では20週以上の中絶が禁じられています。ただ、現政権下のアメリカで今後も様々な形で女性のリプロダクティヴ・ライツが制限されていくことは必須でしょうね……。

 日本語の記事の方で触れていないもう一つのこととして、アメリカ自由人権協会(ACLU)がこの法は違憲だとして発効前に法廷闘争を開始する予定だということ、カンザス州やオクラホマ州でも同様の法律について法廷で争っている最中であることです。さらに日本語のCNNの記事を読むと、レイピストが被害者の女性の中絶を阻止することも可能なように読めてしまうけど、ここで言っている「レイピスト」というのはあくまでも夫婦間レイプの加害者(夫)のことなので、誤解なきよう……。

2017-02-11 [sexual][health][sexuality][rights][性][健康][権利][人権]

性の権利宣言

忘備録です。World Association for Sexual Health(世界性の健康学会、略称WAS)による改訂版の宣言です。いろいろな形で宣言が出されてきましたが、おそらく現時点でこれが最新のものです。次の16項目から成ります。

1. 平等と差別されない権利

2. 生命、自由、および身体の安全を守る権利

3. 自律性と身体保全に関する権利

4. 拷問、及び残酷な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は刑罰から自由でいる権利

5. あらゆる暴力や強制・強要から自由でいる権利

6. プライバシーの権利

7. 楽しめて満足できかつ安全な性的経験をする可能性のある、性の健康を含む、望みうる最高の性の

8. 科学の進歩と応用の恩恵を享受する権利

9. 情報への権利

10. 教育を受ける権利、包括的な性教育を受ける権利

11. 平等かつ十分かつ自由な同意に基づいた婚姻関係又は他の類する形態を始め、築き、解消する権利

12. 子どもを持つか持たないか、子どもの人数や出産間隔を決定し、それを実現するための情報と手段を

有する権利

13. 思想、意見、表現の自由に関する権利

14. 結社と平和的な集会の自由に関する権利

15. 公的・政治的生活に参画する権利

16. 正義、善後策および救済を求める権利

詳細は以下を参照のこと。

WASによる性の権利宣言(公式日本語訳)

性の権利宣言の英語版

sexual healthに関する国連の定義はこちらを参照。

2017-01-31 [トランプ][政権][大統領][中絶][グローバル・ギャグ・ルール]

アメリカの中絶政策転換

レーガン政権時代に作られた「メキシコシティ政策」=通称「グローバル・ギャグ・ルール(口封じの世界ルール)」が大統領令で再導入された、ということが分かりました。アジア女性資料センターが早くも1月24日に報じていました。タイトルは、「アメリカ:トランプ大統領が反中絶大統領令に署名

かつてこの政策が取られた時には、中絶が減るどころか望まない妊娠が増え、危険な中絶も増えるばかりだったと言われています。IPPFの「緊急声明:IPPFがグローバル・ギャグ・ルールに署名しない理由」もご紹介します。

日本の一般社団法人日本家族計画協会もトランプ大統領の中絶政策に反対する声明を出しています。タイトルは、「トランプ大統領による「グローバル・ギャグ・ルール」の再導入に反対します。

オランダ政府が対応策をヨーロッパ諸国等に呼びかけているとのこと、ニューズウィーク日本版が早くも記事にしていました。タイトルは、「トランプが止めた中絶助成を肩代わりするオランダの「神対応」