能楽とクラシック・バレエの完全なる調和

 私は東京の国立能楽堂能楽クラシック・バレエが調和した瞬間を観た。森山開次さんはNHKの「からだであそぼ」で何回か見た経験があり、ヤン・ヤン・タンさんはザイン・ホース・ドラゴンチャイルドバレエ団の公演で観た経験がある。
 流線型の美しさが際立っていた。2人とも神技の領域である。連続のこまやかなパッセはぶれず、独特の存在感を能楽堂に響かせていた。能楽コーラス隊は幽玄なる声で能楽堂をびんびんに響かせていたので私はあと少しで浄土に逝くところであった。
 翁さんはゆっくりと歩きぼそぼそとしゃべり、乙女は華麗に舞っていた。その華麗なる舞を現象学的にやわらかく解明することが私の使命なのかもしれない。
 森山開次さんは<きめ>と<冴え>の濃淡がはっきりとわかる舞いで私の魂はてんてこ舞いであった。<きめ>と<冴え>についてはCosmosUniversityのリリパット時代の論文を参照しなくてはならぬ。
 まいったなあ、秋ぐらいにCosmos Universityに行かないといけない雰囲気になってきたぞ。そして、アイルトンセナやマルティン・ブーバーとも会って、クラッシク・バレエを核とした運動理論についてよもやま話を転回しないと西谷啓治におこられそうだ。