俺はなでしこ

 はてなダイアリーから、2018年12月に引越してきました

イタリア7日目【ヴァチカン博物館】

4/29 (日)、イタリア7日目。明日は帰国で、実質、今日がイタリア最後の日。

午前:ヴァチカン博物館
午後:「カフェ・グレコ」〜スペイン広場〜ヴェネト通り〜トレビの泉〜パンテオン〜ナヴォーナ広場周辺〜宿で休憩〜トラステヴェレ区

朝早いため、ルーム・サービスの朝食はなし。昨日 Pasticceria (パン、菓子屋) で買っておいたデニッシュをほおばり、インスタント・コーヒーを飲んで、7:20に宿を出る。目指すはヴァチカン博物館。8:00前、リソルジメント広場に達する行列に並ぶ。ざっと2時間待ちかな。

各月最終日曜である今日は、無料開館日*1。待ち時間のヒマつぶしに、iPodで「RENT」サントラ完全盤。盛り上がるわー! ちょうど目の前を、マーク似の兄ちゃん(金髪短髪、眼鏡、痩せ型)が通りすぎて大興奮。意外と、この待ち時間が楽しかった。居並ぶ観光客たちは、リンゴをかじったり、ガイドブックを眺めていたり。私も水を飲み、残りのデニッシュを口中にポイ。帽子を忘れた観光客目当てに、野球帽を竿につらねた露天商が練り歩く。バスから団体客が降りてくる。途中で飽きた観光客が、友達や家族を列に残して、先を確かめに走る。開館の9時からは、さくさく列が進んだ。
「RENT」が終わり、次の「SHIROH」に移ったところで、10:15に入場。行列は長かったが、内はゆったりしていて、日本の博物館のようにすし詰めのぎゅうぎゅうではない。昨日の、クーポラ行きエレベーターでも、欧州系の人々は満員まで乗ろうとせず、あと5〜6人はOKでも見送ってた。対人距離が広いのかなあ。だから○時間待ちになっちゃうのかしら。

ラファエッロの間、ミケランジェロシスティーナ礼拝堂は、好き嫌いをこえて圧倒的。システィーナ礼拝堂は、青が特徴的な画だった。ミケの画は筋肉祭りですな。ガチでムチ。「創世記」のアダムが、フィレンツェダビデ像みたい。きっと、ミケの理想の男性像なんだろうなあ。

写真左は地図の間。中央は、ヴァチカンがローマの貴族からガメた、古代ローマのモザイク床画。右は「Pinacoteca (絵画館)」より、逆さになったイエスさま。かわいそうなんだけど面白かったので。
タペストリーの間も、すっごくよかった。大好きタペストリー。エジプトやエトルリアの収集物も観たけど、エジプトものは、ルーブルの方が好きかな〜。室の名前は不明だが、彫刻を収めた間もあった。ギリシャ古代ローマ時代と思われる裸体像にまじり、こんなものが。

な、なんだってーーー!
面白すぎるよローマ人。収集ポイントが雑多で、たっのしい。

ヴァチカンらしく、初期キリスト教時代のものを集めた室もあった。

左は幼子のキリストと東方の3博士かな? 足下の獣(羊? ライオン?)が、足をカプしてるのがラブリィ。右は、聖書の逸話だと思うんだけど……羊と羊飼いは、信者とイエス・キリスト(亡きあとは使徒、牧師)の関係ですので。こんな初期から、聖人の目線が斜め上なのがすごいね。羊がガンくれてます。

左端から、「Pinacoteca (絵画館)」より、誰の画かは分からず。聖書から取材したものらしい。サロメかしら? 2番目、ベルヴェデーレの中庭*2にあるペルセウス像。持っているのはメドゥーサの首。こちらか「ラオコーン」か迷ったけれど、首つながりで(こわいね)ペルセウス像にしました。
3番目、モザイク床画。モザイク好きで、あると撮ってしまうわ。右端、博物館出口のらせん階段。美しい。
中庭でまったりしたり、あちこち出入りをして、あっという間の3時間。お名残おしく、13:15に退館する。

カブール広場、最高裁判所の静かな通りから、アウグストゥス帝の廟を抜けて、スペイン広場まで歩く。けっこうな距離。コルソ通りから、ポポロ広場のオベリスクが見えたが無視。スペイン広場に続くコンドッティ通りは、高級ブランドが立ち並ぶショッピング街で、大変な人出。
14:00、スペイン広場手前の「「Antico Caffe Greco (アンティコ・カフェ・グレコ)」でお昼。ゲーテバイロンメンデルスゾーンベルリオーズゴーゴリなど、多くの芸術家たちが立ち寄った、古いカフェである。

酢漬けの茄子のサンドとカプチーノ。サンドは、日本サイズの小ささ。自分はテーブル席にしたが、立ち飲みスペース(入口はいってすぐ右)もある。なんでイタリアなのに「グレコ*3なのかと思ったら、創業者がギリシャ人だったのね。


写真左は、スペイン広場のスペイン階段。奥に見える建物はトリニタ・デイ・モンティ教会。スペイン階段に座りこみ、しばしまったりと人通りを眺める。そこから写真中央、高級街のヴェネト通りへ移動。コンドッティ通りとちがってシックだ。フェデリコ・フェリーニ甘い生活」を想像して行ったが、映画の退廃的な雰囲気はなく、静かで落ち着いた街並みだった。
バルベリーニ広場でトリトーネの噴水、蜂の噴水(小さい)を通過し、トレビの泉を探す。観光客であふれた泉の印象は、プールと彫刻、という感じ。お約束の「肩越しコイン」をやって、お次に移動。写真右端、パンテオンである。古代ローマの建築物で、内部は円形。

ナヴォーナ広場に戻る。教会を2カ所拝観。

左は「サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会」。古代ローマの女神・ミネルヴァの神殿の上(英語のon=イタリア語でsopra:ソプラ)に建てた教会なので、こういう名がついたそう。ストレートだな〜。内装は派手だが、観光めいてないので、静かに見学する。聖女カテリーナのTOMB(墓所)があり、信者たちが膝を折って、祈りを捧げていた。
右の2点は「サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会」。カラヴァッジョの画が数点あり、保護のため暗くしているが、コインを入れると照明が当てられるしくみ。観光客が次々とコインを投入するので、自分も余録にあずかり拝見。

17:30頃、宿へいったん戻って小憩。明日の帰国にそなえ、空港までのタクシーを予約しておく。
18:00、がんばって外へ出る。時間的に迷ったが、やはりトラステヴェレ区へ行ってみたい! 日没まで2時間ちょっとだが、とんぼ返りしてきた。

トラステヴェレは、ローマの下町のようなところ。気の張る観光名所とちがい、くだけた雰囲気である。チンチン電車も通って、なんだか都電荒川線みたい。ぐっと親近感がわく。
18:30、ガリバルディ橋からサンタ・マリア・イン・トラステヴェレ聖堂へ。ミサの最中で、そっと辞去したが、内装はナヴォーナ広場のフランチェージ教会みたい。この辺りは車が入らない地区で、散策にちょうどいい。教会前の広場では大道芸人がショーの最中で、大勢の通行人が取り囲んで見ていた。
19:00〜20:00、トラットリアでピザの夕食。お腹がすいちゃって。白ワイン、プロシュート、カプリチョーザ。日本人客が多い店だった。
ここから日没との駆けっこ。
写真中央、テヴェレ川にかかる橋のむこうに、サン・ピエトロ大聖堂のクーポラが見える。反対側には、中州のティベリーナ島。緑とお屋敷が美しい島である。この島を通り抜けて、宿に戻るのだ。写真右が、ティベリーナ島と対岸を結ぶ橋からの眺め。20:15くらいで、ただよいだした宵闇に、灯りが川面に映ってきれい。
ナヴォーナ広場に戻ったころには、もう真っ暗。広場を埋めていた露店や似顔絵描きたちは姿を消していて、食堂やカフェだけがにぎわっている。20:40、カフェ・ラテを1杯立ち飲みし、一息ついて宿に帰った。1時間ほど仮眠。21:50、荷物詰めを開始。1時間ほど格闘し、また横になったりなんだりしたあと、午前0時から最後の詰め直しをして、イタリア最後の夜を味わう。2:00就寝。

*1:ヴァチカン博物館の開館日・時間帯は、ガイドブックは当てにならないので、必ずヴァチカンのHPで確認のこと。→ヴァチカン博物館HP

*2:ベルヴェデーレ(八角形)の中庭。これぞという古代彫刻が集められている。特に「ラオコーン」は傑作。ものすごい躍動感!

*3:グレコ」と言ったら、エル・グレコギリシャクレタ島出身の画家で、イタリアで絵画を学んだあと、スペインで活躍。→Wikipedia:エル・グレコ