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2017-11-24 オリエント急行殺人事件 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-11-24

オリエント急行殺人事件 MURDER ON THE ORIENT EXPRESS

監督 ケネス・ブラナー
出演 ケネス・ブラナー/ジョニー・デップ/ミシェル・ファイファー/デイジー・リドリー/ジュディ・デンチ/ペネロペ・クルス/ウィレム・デフォー/オリヴィア・コールマン/ジョシュ・ギャッド/トム・ベイトマン/デレク・ジャコビ/レスリー・オドムJr
ナンバー 256
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

傲慢高慢インチキ商売で財を成した男はカネの力で何でも思い通りになると思っている。誰もが彼を嫌っている、同時に恐れてもいる。アジア西端欧州の主要都市を結ぶ豪華列車物語はその密室で起きた殺人事件たまたま乗り合わせた探偵解決していく過程を描く。乗客全員が容疑者、でも全員にアリバイがある。オフシーズンなのに満席列車山間走行中に雪崩で立ち往生、警察は駆け付けられないけれど犯人逃げられない。そんな状況でひとりずつ事情聴取していく探偵は、彼らの過去にある共通点を見出す。訛りのきつい英語からドイツ語フランス語まで駆使する主人公ケネス・ブラナーが怪演、抜群の記憶力と洞察力を持ちながら偏屈で嫌味な紳士然としたスタイルを通す姿は、鼻持ちならない悪党に扮したジョニー・デップと好対をなしていた。

機関車脱線したオリエント急行内で米国人実業家ラチェットの刺殺体が発見される。捜査を依頼されたポワロは刺し傷や睡眠薬から複数犯と目星をつけるが、医師推定した殺害時刻は、すべての乗客相互現場不在を証言する。

機関車1両にけん引される車両が4両、セレブ級の金持ちが乗る国際鉄道なのにこじんまりとしたたたずまいが意外だった。一方で磨きこまれた食堂車とプライバシーが保たれた寝台車は数日間の移動にはゴージャスな作り。まだ旅客機一般的ではなかった時代の贅沢な旅行がしのばれる。そしてエルサレムイスタンブール喧騒からポワロ独特のひげ、ゆで卵サイズまで、原作へのリスペクトがちりばめられた映像シドニー・ルメット版に匹敵する出来栄えだ。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

綿密に練られた完全犯罪が、ポワロの闖入という予想外の出来事のせいで破綻していく。それでも与えられた役割最後まで演じようとする乗客たち。警察の取り調べを想定していたのだろう、だがポワロはそれほど甘くはない。真相が暴かれると今度はお互いにかばい合う。オチを知っていてもなお、アクの強い俳優たちの演技が楽しめる作品だった。

オススメ度 ★★★*

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2017-11-23 覆面系ノイズ このエントリーを含むブックマーク

otello2017-11-23

覆面系ノイズ

監督 三木康一郎
出演 中条あやみ/志尊淳/小関裕太/真野恵里菜/ 磯村勇斗/杉野遥亮/中島亜梨沙/渡辺大
ナンバー 209
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

歌声道標にすればきっと再会できると信じた少女は、初恋の幼馴染みの残像を追っている。その少女こそ探していた声の持ち主と直感した少年は、彼女のために歌を作る。物語は、メジャーデビュー目前の覆面バンド楽曲担当高校生ボーカルの女高生、同じく高校生ながらプロとして成功しているミュージシャンの複雑で繊細な三角関係を描く。2人の同級生はともに音楽の才能にあふれている。好きなのは幼馴染のほうなのに、尊敬できるのはバンド仲間の音楽性。時に周りが見えなくなるほど一途で自分の思いに正直なヒロイン中条あやみが熱演、忖度空気を読むなどという大人の気づかいとは無縁なキャラは強烈な印象を残す。対照的彼女を取り巻く少年たちはやさしいけれどためらいがち、己の気持ちに素直になれない。そんな少女マンガ的設定は乙女チックな願望に満ちていた。

いつも一緒だった隣家の桃が引っ越して6年、ニノは彼を忘れたことはない。ある日、聞き覚えのあるメロディに惹かれ音楽室に行くと、かつて海岸で知り合ったユズピアノを弾いている。ニノユズバンド・イノハリにスカウトされる。

その後、ネットで桃の消息を知ったニノは、彼がプロデュースするボーカルオーディションに挑戦するが桃に冷たくあしらわれる。並行してイノハリのTV出演が決定、ニノは新ボーカルでイノハリに参加、その声は桃の心に届く。一方で桃とユズギターテクニックを競ううちに突っ張りあいながらも互いに敬意を持つようになったりと、話は急展開を繰り返す。このあたりは原作の名場面を映像化しているのだろう、恋に生き歌に生きるニノ生命力がたくましい。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて、ユズと桃の2人からそれぞれ歌を捧げられ、二者択一を迫られるニノ。どちらもイケメン、どちらも春秋に富む。2人の男子に同時に言い寄られるうれしい悩みをかみしめながらも、タイムリミットは目前。愛するよりも愛されるほうが心地よい、ニノ選択は女の幸せ象徴していた。

オススメ度 ★★*

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2017-11-22 はじまりのボーイミーツガール このエントリーを含むブックマーク

otello2017-11-22

はじまりのボーイミーツガール LE COEUR EN BRAILLE

監督 ミシェル・ブジュナー
出演 アリックス・ヴァイヨ/ジャン=スタン・デュ・パック/シャルル・ベルリング/パスカル・エルべ
ナンバー 228
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

憧れのクラスメートは一番の優等生、なのにボクは先生に怒られてばかり。でも、手の届かない存在だと思っていた彼女がある日声をかけてくれた……。物語は“好き”という気持ちを持て余す少年が、思いがけず相思相愛になった少女のために奔走する姿を描く。彼女の夢はチェロ奏者、音楽院に進むには試験に受からなければならない。だが、彼女の視界は日ごとに霞がかかり、手術しても治る見込みはない。そんな彼女の目となり手足となり、少年は周囲の無理解と戦おうとする。その過程で、女心がわからない少年の未熟さと、それを不器用な父に相談してもすっきりとした答えは得られないもどかしさがリアル再現されていた。父はイスラム教徒・母はユダヤ教徒大人びた親友が放つ“格言”が作品を引き締める。

学業優秀なマリーを遠くから見つめるだけだったヴィクトールは、彼女から勉強を教えてあげると申し出を受ける。おかげでヴィクトールの成績は急上昇、ふたりはいつも一緒に過ごすようになる。

マリーは入院させようとする父に反発、視力が衰えても何とかなるように日常生活に工夫をこらしている。しかし、悪化する状況に誰かの手助けが必要になり、ヴィクトールに接近したと知られてしまう。ヴィクトールは利用されたと腹を立てるが、その時にはマリーもヴィクトールに好意を抱いている。ちょっとしたボタンの掛け違いでひびが入る、お互いへの思いに素直になれないふたりの幼い恋は、つい手を差し伸べてあげたくなるほどキュート。“本当のことを隠すのはウソと同じ”、ヴィクトールの言葉が多感な年ごろの繊細な心を象徴していた。

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やがてマリーの願いを叶えるのが自分の愛と気づいたヴィクトールは、病院に閉じ込められたマリーを脱走させ、音楽院受験させようとする。小さな逃避行の間に成長したヴィクトールが大人たちに対して見せる勇気と、ステージに上がるマリーに手を添えるやさしさが、彼らの未来に“光”以上の希望をもたらしていた。

オススメ度 ★★★

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2017-11-21 8年越しの花嫁 奇跡の実話 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-11-21

8年越しの花嫁 奇跡の実話

監督 瀬々敬久
出演 佐藤健/土屋太鳳/北村一輝/浜野謙太/中村ゆり/堀部圭亮/古舘寛治/杉本哲太/薬師丸ひろ子
ナンバー 229
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

もう一度彼女笑顔を見たい。彼はそう願い、意識を失った婚約者動画を撮りながら寄り添う。月日は流れてもその思いは変わらず、彼女の両親に出禁宣言されても病室に通う。物語は、突如難病に襲われた恋人と、彼女を信じて待ち続けた若者の愛を描く。調理師になる夢を持ちながらもずけずけと物を言う彼女が好きだった。一緒にいてくれるだけで、日常が華やかになった。なのに、突然心が乱れ、そのまま入院してしまった。時折起こる痙攣以外は昏睡したまま、いつ力尽きてもおかしくない容態でも決して希望を捨てず、淡々と見守る彼の抑制された感情リアルだった。そして回復後に直面した厳しい試練。彼女の闘病以上に、主人公を支えた彼女への献身が印象的だった。

合コンで知り合った尚志と麻衣は付き合いだし、結婚約束をする。だが挙式直前麻衣は激しい頭痛を訴え失神、長い眠りにつく。尚志は結婚式場に行き、予約はキャンセルしないと伝える。

やがて麻衣の両親や尚志の看病の甲斐あって麻衣は目覚める。ところが記憶思考白紙で、赤ちゃんのような状態言葉を教え手を動かすことから始め、徐々に以前の麻衣に戻していくが、尚志を覚えていない。この病気特殊後遺症過酷リハビリ家族から引き受けられる苦難なのに、尚志はいつまでたっても麻衣に受け入れられない。麻衣の戸惑いや不安忖度し、己の人生犠牲にしても麻衣幸せを考える尚志のやさしさこそ、無償の愛。ひとりクルマの中で涙を流す尚志の崇高な決断には胸が熱くなった。

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尚志が去った後、結婚式場担当者と再会した麻衣は、彼がいか自分との結婚を心待ちにしていたかを教えられる。そこで知った動画存在。思い出せないのは仕方がないが、この人となら未来を築いていける、そんな麻衣気持ちが届く瞬間は、まさしく奇跡だ。もったいぶった演出に走らず彼らの軌跡を一つずつ丹念に追う映像感動の押し売りがない分後味もよい。

オススメ度 ★★★

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2017-11-20 不都合な真実2:放置された地球 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-11-20

不都合な真実2:放置された地球
AN INCONVENIENT SEQUEL: TRUTH TO POWER

監督 ボニー・コーエン 、 ジョン・シェンク
出演 アル・ゴア
ナンバー 254
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

氷河から溶けた水が幾筋も集まり、川のような流れを形成している。グリーンランド、かつて氷雪に覆われていた極北の大地がいつの間にか黒い地肌をむき出しにしている。地球温暖化が身近に感じられる映像は、問題が今も待ったなしで進行中であると教えてくれる。カメラ環境保護ライフワークにする元米国副大統領に密着、現状の把握と人材発掘のために世界中を奔走する姿を追う。前作から10年余り、その間政権が代わり、地球温暖化は嘘と決めつける男が大統領になった。逆境の中、国外指導者連携を取り、国内でも後継者育成に余念がない。そこに自然エネルギー利用の技術革新が彼の背中を押す。何が正解かはわからない、でも、現在を生きる我々には未来に対する責任があるのは確か。ならば、できることから始めるべきとこの作品は訴える。

陸地で融解した氷河海水面を引き上げ、その結果マイアミでは町が浸水する被害が多発している。活動家ゴア太陽光発電パネルを普及させようとするが、旧来のエネルギー関連企業からネガティブキャンペーンを張られる。

焦点になっているのは人口中国を追い抜く勢いのインド12億5千万人に電気供給するために新たに火力発電所建設計画し、ゴアらの“先進国理論”に真っ向から異を唱える。そして、太陽光発電施設建設費を低利で融資させるという譲歩を引き出す。このあたり、決してきれいごとではない、駆け引きの裏できっちりそろばんを弾いているインド人のしたかさが印象的だった。いくら環境保護を叫んでも理想押し付けるだけでは相手は動かない。本音ががちらつき、政治人間関係が浮き彫りにされていく。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

ゴアをはじめパリ協定に調印した各国のリーダーたちは、人類よって蝕まれる地球真剣に憂いているのだろう。ところが、自然エネルギー利用促進の陰で利権がうごめき、気象予報士無用危機感を煽る。理念は素晴らしい、たぶん言い分も正しい。それでも、ひと儲けを企む輩の影が透けて見える。地球温暖化という甘い汁に群がる人々にうさん臭さを覚えるのも事実だ。

オススメ度 ★★*

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