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2017-08-18 ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-08-18

ハイドリヒを撃て! 「ナチの野獣」暗殺作戦 Anthropoid

監督 ショーンエリス
出演 キリアン・マーフィ/ジェイミー・ドーナン/ハリーロイド/シャルロット・ルボン/アンナガイスレロヴァー/トビー・ジョーンズ
ナンバー 182
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

生きて帰れないのは分かっている。苛烈報復が待っているのも想定内。しかし民族の誇りを保つためには断固とした抵抗の決意を示さなければならない。物語は、ナチスドイツ併合されたチェコスロバキア、この地を支配する司令官暗殺遂行した男たちと、その後の闘いを描く。亡命政府から工作員として送り込まれた祖国では、多額の賞金目当てに密告が横行している。地元事情精通したレジスタンスは隠れ家を提供してくれても暗殺には反対、だが命令確認されると準備に協力してくれる。実行部隊の迷いのない愛国心だけではない、暗殺計画に加担した人々もまた青酸カリカプセルを用意して逮捕に備えている。彼らの姿は、自由独立を勝ち取るには、時に大義のために命を捨てる覚悟必要であると教えてくれる。

ハイドリヒ暗殺指令を受けプラハ近郊の森にパラシュート降下したヤンとヨゼフは、猟師トラックを奪って市内に潜入、反ナチ組織と接触する。そこで知り合ったマリーやレンカとつかの間の安らぎを楽しむ。

ナチ組織の援助でハイドリヒのスケジュールを調べ襲撃ポイント時間をはじき出すヤンとヨゼフ。町中にうろつくドイツ兵の目を盗んでハイドリヒの動向を見張り、綿密な打ち合わせを続けるうちに残りの工作員も合流する。ところが決行当日、自動小銃作動せず、やむを得ず手榴弾を投げる。何とかハイドリヒに致命傷を負わせるがドイツ軍のすさまじい弾圧が始まる。疑わしきはすべて処刑非武装住民に対する仕打ちが被占領国の悲哀を象徴していた。くすんだ色調の映像は重苦しい時代の空気リアル再現する。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて教会に身を潜めていた工作員たちはドイツ軍に見つかり、壮絶な銃撃戦の末、水攻めにあう。もはや弾薬は尽きた、それでも絶対降伏しない。最後の一発に込められた思いは、失われた祖国未来希望だったに違いない。一方で彼らのせいで数千人の市民虐殺された事実も隠さない。暴力さらなる暴力連鎖を生むだけ、戦争英雄はいらないとこの作品は訴える。

オススメ度 ★★★

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2017-08-17 汚れたダイヤモンド このエントリーを含むブックマーク

otello2017-08-17

汚れたダイヤモンド DIAMANT NOIR

監督 アルチュール・アラリ
出演 ニールシュナイダー/アウグスト・ディール/ハンス・ペータークロース/アブデル・アフェド・ベノトマン/ラファエル・ゴダン/ラグナト・マネ
ナンバー 181
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

指先を失った上に身内に追放され、野垂れ死にしてしまった老人。懐には子供のころの自分と写った写真が大切にしまわれていた。物語は、父を堕落させた伯父に仕返しをするためにその家族に近づいた男の苦悩と葛藤、焦燥と逡巡を描く。強盗団の手先としてしがない日々を送っている主人公にとって、伯父は父の財産を奪った上に事業でも成功している憎むべき相手。にもかかわらず彼の生業を深く知るうちにその魅力に取りつかれる。一方で、仲間に打ち明けた計画を着々と進めていく。そして、犯行は誰の仕業かわからせなければ意味がない。ところが想定外事態が起き、彼の運命は二転三転する。強盗団のボスが素手で捕まえた鳩にナイフを突き刺し“復讐覚悟”を問うシーンは、アウトロー矜持象徴していた。

いとこのギャビーに誘われてアントワープに渡ったピエールは、かつて父を見捨てた伯父・ジョゼフを破滅させるためにダイヤモンド強奪を画策する。準備のためにまず加工場に潜り込み研磨師の修業を始める。

カット次第で輝きに無限の奥行きを見せるダイヤモンド国内加工にこだわるジョゼフとインド人と手を組みたいギャビーは対立し、ピエールは巧みに双方に取り入って信頼を築いていく。同時に強盗団にも連絡は欠かさず、下調べも抜かりない。一旦は加工場差し押さえ騒ぎで頓挫するが、それを逆手に取ったピエールは大型ダイヤモンドを盗み出すアイデアボスに話す。カメラはこのあたりの手順を丹念に追い、ピエールの感情に密着する。どんな組織集団に属していてもいつも居心地の悪さを覚えてしまう、ピエールの根なし草的な人生が切ない。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがてピエールの手引きでボス助手は加工場に忍び込む。そこでもひと悶着があり、またしても予想外の展開と結末が待っている。他人に弱みを握られたままおとなしく生きるよりも、その日暮らしでも自由でいたい。それでも裏切った事実は心に重くのしかかる。幸運に恵まれたはずなのに喜べない、そんなピエールの孤独が哀しかった。

オススメ度 ★★★

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2017-08-16 スターシップ9 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-08-16

スターシップ9 ORBITA 9

監督 アテム・クライチ
出演 クララ・ラゴ/アレックス・ゴンザレス/ベレン・ルエダ/アンドレス・パラ
ナンバー 180
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

自分を救うために両親は犠牲になってくれた。だが、あと20年もこのまま過ごさなければならない。その間は健康を維持するためにトレーニングに励みバイタルチェックを怠ってはいけない。そこに現れた男。物語は星間宇宙船で旅をする若い女が、宇宙船の修理に訪れた男と恋に落ち、運命を共にする姿を描く。育ててくれた父と母の愛情を感じるのは映像の中だけになってしまった。話し相手は船体に組み込まれた管理AIのみ。無機質な環境で生まれ育った彼女は、初めて出会った両親以外の人間に心をときめかせる。限られた空間での果てしない時間映画は、人間はどこまで孤独に耐えうるか、いやそもそもひとりで生きていけるのかを問う。“自然”を知らないヒロインの人工的な美しさが印象的だった。

酸素供給システム不具合を抱える宇宙船で暮らすエレナの元に、エンジニアアレックスが到着する。久しぶりの人間との会話、機能回復させるとエレナアレックス食事に誘い、彼のベッドにもぐりこむ。

どうやって宇宙船内に重力を発生させているのか。なぜ乗組員をコールドスリープさせないのか。アレックスはどこからやって来たのか。そんな疑問が頭に浮かぶが、任務を終えたアレックス宇宙船外に出るあたりで早々とネタバレさせてしまう。その後、エレナもまた理性と感情を持つ人間であると悟ったアレックス上司意向に背き彼女宇宙船から逃がす。初体験ガラス越しではない風景、降りしきる陰鬱な雨でさえ新鮮な驚きとともに楽しんでいるエレナ笑顔は、生きる喜びにあふれていた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて、エレナの逃亡を察知した施設責任者・ユーゴが追っ手を差し向ける。そして、エレナは己のアイデンティティに触れさらなる衝撃を受ける。それでも、命がけで真実を教えてくれたアレックス自己犠牲で報いる。確かにエレナ実験材料にすぎない、ところが彼女には豊饒精神良心が宿っている。その“人間らしさ”こそが人類希望であると、彼らの子供が象徴していた。

オススメ度 ★★*

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2017-08-15 少女ファニーと運命の旅 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-08-15

少女ファニーと運命の旅 LE VOYAGE DE FANNY

監督 ローラ・ドワイヨン
出演 レオニー・スーショー/ライアン・ブロディ/アナイス・マイリンゲン/リュシアン・クーリイ/セシル・ドゥ・フランス/ステファン・ドゥ・グルート/ヴィクトールムート
ナンバー 179
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

頼りになる大人はもういない。警官に見つかれば逮捕される。ドイツ軍に捕まれば命はない。最悪の状況で少年少女の一団は森の奥に逃げる。物語第二次大戦後半、同盟国側に支配されたフランスで、組織的に匿われていた未成年ユダヤ人たちが自力中立国を目指す過程を描く。まだ学齢に達していない子供もいる。手持ちの食料はない。善意民間人が少しだけ協力してくれる。そんな中リーダー指名された少女は、機転を利かせて次々と襲い掛かる危機を切り抜ける。だが、時に同行者と意見が合わずケンカになったり泣き出してしまいたいほど途方に暮れたりもする。それでもリーダーを任された以上、毅然とした態度を取り続けなければならない。焦り、不安、怒り、そして希望。生き抜く意志は誰よりも強いヒロインの繊細な感情を、レオニー・スーショーがリアル再現していた。

告発されて移動を余儀なくされたファニーたち9人は、マダム・フォーマンの手引きでスイス国境近くの町に向かう列車に乗り込む。途中駅で貨物車両に身を潜め目的地まで着くが、フォーマンとは合流できなかった。

迎えのトラックに乗るが検問で密告され、連行されるファニーたち。小さな部屋に食べ物も与えられず監禁されるが、メンバーの少年フランス人警官に命懸けの覚悟を示した後脱走する。一般市民にとっても占領者からの意に沿わない命令屈辱危険を冒すのは嫌でも、もともとユダヤ人に対する憎しみもない。ファニーたちを見なかったフリをする町の人々の振舞いが、良心までは降伏していないという小さなプライド象徴していた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

森林地帯に逃亡したファニーたちは貪るように小川の水を飲む。彼らが無邪気に水遊びに興じる姿は、戦争子供時代を奪われた世代の哀しみが浮き彫りにされていた。ところがドイツ軍の進駐で空気は一変、仕方なく山奥の国境に向け出発するファニーたち。誰も傷つかず死にもしない児童向けの作品ながら、勇気こそが未来を切り開くと教えてくれる。

オススメ度 ★★*

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2017-08-14 海底47m このエントリーを含むブックマーク

otello2017-08-14

海底47m 47 METERS DOWN

監督 ヨハネス・ロバーツ
出演 クレア・ホルト/マンディ・ムーア/ヤニ・ゲルマン/クリス・J・ジョンソン/サンティアゴ・セグラ/マシュー・モディーン
ナンバー
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

海の底に沈んでしまった。周りには巨大なサメが泳いでいる。海上との無線は通じない。酸素ボンベの残量は刻々と減っていく。このまま力尽きるか、サメに襲われる危険を冒しても脱出を図るべきか。物語は、シャークケージダイビング中の事故で海中に孤立した姉妹体験する恐怖を描く。背びれと尾ひれで海面を切り裂き、突然尖った歯が列をなす大きな口でかみついてくる。そのイメージはさんざん表現されつくしてきたものであっても、やはり強烈に死を意識させる。さら太陽光がほとんど届かず視界があまり効かない暗く冷たい世界は、絶望感を加速させる。ところがそんなシチュエーションが逆に、ネガティブ思考の姉が運命を切りひらく勇気を持つチャンスとなる。こんなところでは死ねない。きっと助けに来てくれる。あきらめずに前に進む意思こそがサバイバルの条件であるとこの作品は教えてくれる。

メキシコバカンスに訪れたリサケイトは、地元若者からシャークウォッチングに誘われる。彼女たちが海に入ると、ケージを吊り下げていたワイヤが切れ、深い海底に取り残される。ケイトは思い切ってケージの外で上昇し、船上と連絡を取る。

パニックに陥ったリサは急激に酸素を消費する。浮上しようとしても潜水病の恐れからゆっくりしか動けない。だが、サメはまだ周囲にいて血の匂いに反応してくる。救出にやってきたダイバーも命を落とす。もはや八方ふさがり、極限状態の中でもなんとか打開策を探るケイトと頼りないリサ対照的だ。ホラー風の演出音楽効果音が2人の味わう不安と緊張、焦りといら立ち、そして闘争心リアル再現する。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがてケイトサメ体当たりされたことからリサ自分を奮い立たせ、窮地を切り抜ける知恵を絞る。それでも状況は好転せず、決死の賭けに出る。目を背けながらもつい見てしまう、観客が期待する光景をきちんと見せておいて、別のオチを用意するアイデアは秀逸だった。マスクを着けているうえに水中では光量不足なので、リサケイトの見分けがつきにくいのが気になったが。。。

オススメ度 ★★*

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