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2018-04-20 アメリカン・アサシン このエントリーを含むブックマーク

otello2018-04-20

アメリカンアサシン AMERICAN ASSASSIN

監督 マイケルクエスタ
出演 ディラン・オブライエン/マイケル・キートン/テイラー・キッチュ/サナレイサン/スコット・アドキンス
ナンバー 87
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

突然ビーチに現れ、無差別無慈悲自動小銃を乱射するテロリストたち。彼らに婚約者を惨殺された男は復讐を誓い、単身仇敵アジトに乗り込む。物語は、CIAスカウトされた主人公が厳しい訓練の後に現場に出て、壮大な陰謀を阻止せんと活躍する姿を描く。ごく普通若者が怒りと憎しみを糧に己を鍛え上げ、プロ集団にもできなかったミッション単独遂行する。だが、より大きな敵と戦うにはチームで臨まなければならない。一匹狼を貫きたい彼と命令に従わせたい教官は時に衝突し、時に協力し、時にお互いの命を救う。心を許しているわけではないが信頼はしている。そんな男同士の微妙距離感が新鮮だ。一度陥没した海面がすさまじい勢いで水蒸気を噴出し巨大な波を発生させるクライマックス核兵器破壊力を実感させる。

イスラム系テロ組織尋問されていたところを米国特殊部隊に救出されたミッチは、元ネイビーシールズのスタンからスパイノウハウを教わる。優秀だが精神面が未熟なミッチにスタン不安を覚える。

キャンプ場での特訓が終わると生活空間を模したセットでの実戦的練習に移る。ホログラムを使って敵を見分け素早く対処するVRシミュレーターリアルな状況を再現、対費用効果に優れ説得力があった。その後ミッチは盗まれたプルトニウムを奪還する初任務に就く。ローマに飛んだミッチとスタンは、事件の裏にゴーストと呼ばれる男が暗躍していると知る。ホテルや裏路地マンションの一室など日常的な場所で繰り広げられる諜報戦は、決して表には出ない工作員たちの地道な活動世界を守っていると教えてくれる。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがてゴースト核兵器を完成させる。それはひとりで持ち運べるほどコンパクトだが、大都市を壊滅させる威力がある。そして地中海に展開する米国艦隊ターゲットと察知したミッチはゴーストに挑む。ミッチもゴーストも、平気で人を殺せるようになった原因や動機が、政治的大義などではなく個人的な恨みだったあたりが、人間的で共感できた。

オススメ度 ★★★*

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2018-04-19 子どもが教えてくれたこと このエントリーを含むブックマーク

otello2018-04-19

子どもが教えてくれたこと ET LES MISTRALS GAGNANTS

監督 アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン
出演
ナンバー 81
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

リュック医療器具を忍ばせている子、包帯やサポーターで全身を覆っている子、鼻にチューブ差した度の強い眼鏡の子、左右の目の色が違う子、スキンヘッドの子。まだ10歳にも満たない子どもたち、それぞれ専門的なケア必要難病を患っている。映画はそんな彼らに密着、何を思いどう生きていこうとしているのかに迫る。物心ついたときには病魔に侵されていて、“健康自分” の記憶はない。症状が出ている時と出ていないときだけで、むしろ具合が悪いのが普通状態と捉えているのか、不運や不幸を嘆いたり卑屈になったりはしない。そして親や医師から言い聞かされているからなのか、5歳の子ですら己の病名を言葉にできる。きちんと伝えることで、子どもたちに自身の病状を知ってもらおうとするフランス人姿勢が好ましい。

アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアルの5人は、小児性疾病にかかりながらも子どもらしい日々を送っている。演劇サッカー宿題、でもそのあい間に憂鬱治療も受けなければならない。

長期入院者用に病院内にも先生がいて授業をしている。当然ながら勉強が得意な子もそうでない子もいる。大人たちは、外の世界にあまり触れる機会のない彼らができるかぎり子どもらしく過ごせるように腐心する。たまの帰宅を心待ちにする子、消防署見学笑顔を見せる子、学芸会プリンセスを演じる子、皆、精一杯かけがえのない子ども時代を楽しんでいる姿がまぶしい。皮膚が弱いシャルルが入浴後につらそうにするが、彼はそれもまた人生と割り切っている。なにより、カメラが彼らの闘病ではなく日常に寄り添っているところが心地よい。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

5人の子供たちに悲壮感はない。体への負担を伴う手術や副作用、涙の別れなどのセンチメンタリズム排除した映像希望にあふれている。だからこそ、成人前に命尽きる子どもや、成人できてもずっと病気と付き合わざるをえない子ども未来想像させ、彼らの苦悩や悲しみが浮き彫りにされるのだ。

オススメ度 ★★★

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2018-04-18 女は二度決断する このエントリーを含むブックマーク

otello2018-04-18

女は二度決断する AUS DEM NICHTS

監督 ファティ・アキン
出演 ダイアン・クルーガー/デニス・モシット/ヨハネス・クリシュ/サミア・ムリエル・シャンクラン/ヌーマン・アチャル/ウルリッヒ・トゥクール
ナンバー 86
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

夫のみならず、最愛の息子まで奪われた。悲しみと怒り、受け止められない現実、心が整理できないまま彼女麻薬に手を出し、手首を切ってしまう。物語爆弾テロ家族を喪った女の戦いを描く。確かに夫は服役していた。外国出身でもある。非合法な裏人脈と繋がっている気配もあった。なるほど極右が嫌う要素はたくさんある。でも、それが殺されなければならないほどの理由なのか。容疑者が拘束されたと知ったとき、まっとうな裁きを受けさせるべく、自らを叱咤して法廷に入る。ヒロインに寄り添った映像は、時に混乱し、時に揺らぎ、時に緊張し、時に確固たる意志を持ち、彼女感情を代弁する。単独で行動するうちに謎が謎を呼ぶようなミステリー仕立てにはせず、意外な真犯人も登場しないし驚愕真実もない。そんなシンプル復讐譚はかえって心地よいテンポでまとまっていた。

夫の事務所に息子を預けたカティアは自転車を停めた女に声をかける。その後、爆破された建物から夫と子供死体発見される。カティアの証言実行犯写真作成され、犯人はほどなく逮捕される。

ネオナチ移民排斥爆弾製造etc. 裁判が始まると、さまざまな証拠物件証言のおかげで、被告・メラー夫婦犯行証明されていく。ところが、カティアが被告弁護士戦術にはまってしまい、証言有効性を疑われる。心象は圧倒的にクロ、だが100%ではない。そして下された判決。“正義” とは相いれないが “疑わしきは罰せず” を貫くドイツ裁判官は極めて民主的客観的証拠もなく被害者証言だけで有罪になった「それでもボクはやってない」とは大違いだ。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

自分で決着をつける決心をしたカティアは、メラー夫婦足跡を追う。その際も、特に洗練されたテクニックを使うわけではない。爆弾製造法もネットが教えてくれる。平凡な暮らしを営んできた女でも動機と固い決意があればテロリストになりうる現代社会の恐ろしさ。止まっていたカティアの生理が戻るシーンは、血は血でしか贖えないことを象徴していた。

オススメ度 ★★*

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2018-04-17 リアル このエントリーを含むブックマーク

otello2018-04-17

リアル

監督 イ・サラン
出演 キム・スヒョン/チェ・ジンリ/ソン・ドンイル/イ・ソンミン/チョ・ウジン
ナンバー 85
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

乖離人格障害の症状なのか、ドラッグによる妄想なのか。同じ顔、同じ体格、同じ名前を持った2人の男は、お互いに相手の中に己の真実を見つけ、彼我の境界線あいまいになっていく。その結果、繰り広げられる混沌物語は、他人の肉体に乗り移った二重人格の片人格が、元の本人の前に現れたことから起きる、アイデンティティのゆらぎを描く。交通事故死した男の体に徹底的に手を加え以前とそっくりに整形する主人公の執念が彼の狂気象徴し、余分な人格を追い出したもう一人の主人公はむしろ冷静な思考を失いピンチに陥る。誰もが心に宿している二面性は極端な行動に走らないための安全弁、ゆえに分離すると暴走する。その過程は、ゲームのような駆け引きから流麗な格闘アクションまで、スタイリッシュかつスピーディな映像昇華されていた。

カジノ経営に乗り出した実業家テヨンは、地元ボス・チェに過大な要求を突きつけられる一方、銀色仮面をつけた男と知り合う。仮面の男テヨンと名乗るが、彼はテヨンの中にあった記者人格他人に憑依した姿だった。

自分を抹消しようとした実業家人格に近づく記者人格は、短気で暴力的実業家人格を徐々に追い詰めていく。実業家人格麻薬取引を巡ってロシアマフィアとチェの板挟みになっている。仮面をはずした記者人格実業家人格とまったく同じ外見になり、違いは眼鏡のあるなしだけ、第三者には見分けられない。同時に記者人格が追っていたロシアがらみの麻薬密売ルートも浮かび上がってくる。このあたり2人の男の葛藤以上に様々な要素が複雑に絡み合い、何が起きているのかを理解する前に話が先に進んでいく。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

その後、2人の立場が入れ替わったり、麻薬でブッ飛んだ記者人格が赤いスーツで華麗なダンス披露したりと、直接感覚に訴える表現が多用され、ミュージッククリップを見ているよう。作品としては破たんしていたが、洗練されたショットの数々は、未来に “再発見” される可能性を秘めていた。

オススメ度 ★★

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2018-04-16 パシフィック・リム:アップライジング このエントリーを含むブックマーク

otello2018-04-16

パシフィック・リム:アップライジング
PACIFIC RIM: UPRISING

監督 スティーヴン・S・デナイト
出演 ジョン・ボイエガ/スコット・イーストウッド/ジン・ティエン/ケイリー・スピーニー/菊地凛子
ナンバー 84
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

操縦室に陣取ったパイロットたちは、パートナーとぴったりと息を合わせ動きをシンクロさせる。人型メカの関節はしなやかに稼働し、機械のぎこちなさを全く感じさせずに走り、飛び、パンチを繰り出す。物語は、異次元の扉をかいくぐって攻撃を仕掛けてきた怪獣と闘う巨大戦闘ロボット乗りたちの活躍を描く。1体当たり基本2人組で制御する戦闘ロボも、技術進化コスト削減のあおりを受けて自立型に世代交代しつつある。そこに付け込んで世界破滅させようとする悪党がいる。やはり最後に頼れるのはマンパワー、隊員たちの平和への使命感とお互いへの信頼が地球を救う。まるで立ち技格闘技試合を見るような戦闘ロボ同士のバトルから破壊の限りを尽くす超巨大怪獣との死闘まで、圧倒的な情報量ヴィジュアルは見る者を思考停止に追い込む。

ジャンク泥棒逮捕されたジェイクとアマーラはイェーガー養成学校に送られる。ジェイクはネイトとのコンビを復活させ、アマーラは優秀な成績でパイロットになる。だが新たに配備された自立型イェーガー暴走を始める。

集中コントロールされる自立型はハッキングされると歯止めがきかず、3匹の怪獣たちを太平洋に呼び込んでしまう。迎え撃つイェーガーは4体のみ、ジェイクとネイト、訓練生たちはそれぞれのイェーガーを操り、怪獣結集した東京に出動する。超高層建築が密集する近未来東京、狭い通りを駆け巡り、時にビルをなぎ倒し、怪獣イェーガーも心置きなく街をぶっ壊す。重量感や距離感などにこだわらず目まぐるしく展開する映像は、かえって潔い。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて3匹の怪獣は合体して富士山を目指し、唯一可動するジェイクたちのイェーガーが行く手を阻もうとする。太平洋から富士山に向かうなら駿河湾から上陸すべきやろとツッコミたくもなったが、やっぱり日常蹂躙され人々が逃げ惑うシーンは必須。ただ、東京市街地が実物を元にリアル再現されていたら、もっと映画に入り込めたのだが。。。

オススメ度 ★★*

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