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こんな映画は見ちゃいけない! このページをアンテナに追加 RSSフィード

2017-02-23 グレートウォール このエントリーを含むブックマーク

otello2017-02-23

グレートウォール THE GREAT WALL

監督 チャン・イーモウ
出演 マット・デイモン/ジンティエン/ペドロパスカル/ウィレム・デフォー/アンディ・ラウ
ナンバー 37
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

見上げんばかりの高い城壁尾根に沿って地平線の果てまで続いている。大地を埋め尽くす獣の大群が津波のごとく押し寄せる。圧倒的なスケール感は21世紀中国の勢いそのもの物語は60年に一度襲来する伝説の魔獣と人間の攻防を描く。決して退かない獣たちは死ぬまで攻撃をやめない。迎え撃つ兵士たちは命知らずの精鋭。投石機、石弓、空中戦白兵戦……。獰猛な牙をむく獣たちに対し、カラフルに色分けされた守備隊がそれぞれの特技を生かして城壁防衛する前半のクライマックスは、斬新な武器兵器戦術オンパレードだ。槍で突き、矢を射、剣を刺す洗練されたアクションはまさに血と死の美学ヌンチャク陣太鼓を打ち鳴らす青甲冑の女兵士たちの一糸乱れぬ動きは、戦場における至高の様式美昇華されていた。

火薬を探して砂漠を流れてきたウィリアムとトバールは長城の守備隊・禁軍に捕らわれる。そこに数万頭もの魔獣の群れが突撃してくるが、ウィリアムらは見張り兵の窮地を救い、指揮官となったリンから客人の扱いを受ける。

ウィリアムが持っていた磁石が魔獣を無力化したことから作戦を立て直す禁軍。1匹を生け捕りにし、おとなしくさせると首都皇帝のもとに送る。一方で進化した魔獣たちは長城の正面突破をあきらめ穴を穿って侵入、周辺の村を蹂躙しながら首都を目指す。その間、国に忠義を尽くすリン人生を知ったウィリアムは、傭兵として生きてきた己の過去省みる。そのあたり、個人主義西洋人国家第一中国人の考え方の相違が色濃く反映されていた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

リンウィリアム気球首都に駆け付け、統率のとれた集団戦法を取る魔獣の襲撃から皇帝を守ろうとする。そこで、禁軍兵たちが自ら命を投げ出す姿を見て、ウィリアム危険に身を投じる。生き残りを最優先させてきた傭兵時代とは異なり、死中に活を求める道を選ぶのだ。まだまだ壮大なファンタジー余地がある中国映画界の底力を見せられた作品だった。

オススメ度 ★★★*

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2017-02-22 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う このエントリーを含むブックマーク

otello2017-02-22

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う DEMOLITION

監督 ジャン=マルク・ヴァレ
出演 ジェイク・ギレンホール/ナオミ・ワッツ/クリス・クーパー/ジューダ・ルイス
ナンバー 41
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

妻が突然死んでしまった。己の不運や周囲の不手際に苛立ちは覚えるが、不思議と怒りや悲しみは湧いてこない。彼女を愛していたのだろうか。彼女の父が用意してくれた生活に満足していたのだろうか。物語交通事故で妻に先立たれた男が、理解できない反応を示す自分感情をパーツに分け、ひとつずつ検めていく過程を描く。この気持ちを誰かにわかってほしい、誰かと共有したい。そんな時かかってきたシングルマザーから電話。声と話し方に似た周波数を嗅ぎ取った彼は、彼女への興味を抑えきれなくなっていく。そして見つけた、胸の内をさらけ出せる安らぎ。それは高給取りには味わえない、人と人が本当に心を通わせられる関係だ。深い喪失感わずかな希望に変わるまでの遠い回り道は、人生必要ものは何かを教えてくれる。

妻が息を引き取った病院自販機不具合が出て、デイヴィスは管理会社に抗議を思い立つ。デイヴィスの身上と心境が綴られた数通の手紙顧客係・カレンに届けられ、深夜、デイヴィスのスマホが鳴る。

それをきっかけにふたり距離を縮めるが、カレンには息子のクリス恋人がいる。恋人出張中にカレンの家に出入りするようになると、むしろ大人びたクリス意気投合する。同時に、止まらない破壊衝動機械設備の分解だけでなく住宅解体に駆り立てる。家では妻、会社では彼女の父と、合理的な考え方の人々に囲まれた暮らしにずっと息苦しさを感じてきた。たまっていた鬱憤鬱屈を発散させる姿は、どっぷりつかった価値観をぶち壊すことでしか未来に進めないデイヴィスの不器用生き方象徴されていた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて自宅も壊し始めるデイヴィス。そこで妻の秘密発見し、彼女もまた同じ思いだったと知る。妻とはどうせ長続きしなかった。それでも、記憶を細かく浚うと、楽しかった笑顔や懐かしい思い出もたくさんある。今は消えてしまったが、あの頃の愛は本物だった。そう思えるからこそ人は前を向いて生きていけるとこの作品は訴える。

オススメ度 ★★*

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2017-02-21 世界でいちばんのイチゴミルクのつくり方 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-02-21

世界いちばんイチゴミルクのつくり方
QUATSCH UND DIE NASENBARBANDE

監督 ファイト・ヘルマー
出演 ベンノ・フユルマン/ロルフ・ツァハー/ジャスティン・ウィルク/ミオ・マティス・ワイズ
ナンバー 39
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

忙しいパパやママの代わりに、おじいちゃんやおばあちゃんは楽しい話をいっぱい聞かせてくれた。面白いものをいっぱい見せてくれた。幼稚園に通う子供たちは、想像力を働かせればなんでもできると信じて無理解大人たちに抵抗する。物語は、世界一普通で平凡な村で、新製品モニター会社に毒される大人たちの目を覚まさせようとする6人の幼稚園児と1頭のハナグマの奮闘を描く。自由な発想をする老人たちは養老院に閉じ込められた。残された大人たちは空気を読むのに精いっぱい。でも、おじいちゃんやおばあちゃんのことが大好きな子供たちは、規制だらけの生活なんか大嫌い。クレーンコースターから蒸気船潜水艦トラクター音楽マシンから清掃車の自転車製造まで、子供たちの発明社会を知らないからこそ浮かぶ珍奇なものばかり。豊かなイマジネーション童心に帰らせてくれる。

退屈で画一的になってしまった村を救うために6人の園児が立ち上がるが、あっさり制圧される。ハナグマのクアッチアイデア世界記録を作ろうと思い立った彼らは世界一長いソーセージを作り、記録員を呼ぶ。

次にパン牛乳を直接家に届けるシステムを実現しようとする子供たちは、大人たちを睡眠薬で眠らせ、その間に計画を実行に移す。だが所詮幼児の浅知恵、早々に破綻をきたすが、清掃車を横転させたのをきっかけに、子供たちは村のあらゆる乗り物を暴走させインフラ破壊して回る。追ってくる警官をきりきり舞いさせあっかんべーするようないたずらの数々は、合理性脈絡もなく、子供たちの空想の中の冒険の過ぎないけれど、まだまだ“現実”というもの理解できない彼らの発想力が鮮やかに投影されていた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

自分判断し行動するよりは、権威に従っているほうが結果に責任を負わずに済むだけ楽だ。しかしその思考停止状態為政者の狙うところ。誰もが理性的に考え発言する権利を持つのが民主主義の基本のはずなのに、現代ドイツではこんな寓話しなければならないほど危機を迎えているのだろうか。。。

オススメ度 ★★*

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2017-02-20 一週間フレンズ。 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-02-20

一週間フレンズ。

監督 村上正典
出演 川口春奈/山崎賢人/上杉柊平/高橋春織/古畑星夏/甲本雅裕/国生さゆり/戸次重幸
ナンバー 40
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

電車のドアが閉まるその一瞬に見せた笑顔が忘れられない! 彼女に一目ぼれした少年はさっそく友達になってくださいと頼むがあっさり撃沈、その後も追いかけ続けるがまったく相手にされない。そして教えられた秘密物語は、友人関係記憶けが1週間で消える心因性障害を持つクラスメイトを好きになった高校生が、彼女の心を開こう奮闘する姿を描く。困難なのはわかっている。でも、あきらめたら終わる。決して嫌われているわけではない、いつかは願いが叶うという希望にすがりつき彼はチャレンジを繰り返す。やっと努力が実りかけた時、明かされた彼女真実。惚れた女のために潔く身を引いて、顔で笑って心で涙を流す主人公背中は、「カサブランカ」を彷彿させるダンディズムが漂っていた。

高2の春、図書館出会った美少女・香織と同じクラスになった祐樹は思い切って告白するが「無理」としか返ってこない。事情を知った祐樹は、週末ごとにリセットされても思い出してくれるよう交換日記を申し込む。

自分の症状を理解したうえで気にかけてくれる祐樹に少しずつ表情が緩む香織。友達を傷つけたくなくてひとりでいたのに、やっぱり誰かと一緒いるのは楽しい。祐樹と交わした言葉を忘れても交換日記があるから大丈夫という思いが、高校生活をエンジョイする余裕を取り戻させる。昇降口ロッカーの裏、図書館テーブルの下、祐樹と秘め事を共有する香織のときめきに揺らぐ瞳が、彼女に芽生えた祐樹への恋を象徴する。ところが甘い時間は長続きしない。文化祭の夜、香織の過去を知る転校生九条一言彼女黒歴史封印を解いてしまう。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて卒後式、九条とは恋人同士のようにふるまっている香織に、祐樹はあえてメッセージをもらいに行く。最後の期待もむなしく祐樹には関心を示さない。それでも、祐樹の残したパラパラ漫画で香織が本当に大切なことを知るシーンは、青春の美しさとみずみずしさに満ちていた。

オススメ度 ★★★

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2017-02-18 エイミー、エイミー、エイミー! このエントリーを含むブックマーク

otello2017-02-18

エイミー、エイミー、エイミー!こじらせシングルライフの抜け出し方TRAINWRECK

監督 ジャド・アパトウ
出演 コリン・クイン/エイミー・シューマー/ジョン・シナ/ティルダ・スウィントン/ブリー・ラーソン/ビル・ヘイダー/レブロンジェイムズ
ナンバー 32
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

女癖の悪い父が幼い娘たちに離婚理由を分かりやすく言い聞かせる導入部にいきなり腹を抱え、その後も絶え間なく繰り出される小ネタ椅子から滑り落ちそうになる。さらに、ちょっと話題になった昔の映画トリビアコミカルに味付けされていたり、さりげなくスターが顔を出していたりする。そして寸止め下ネタ共感できるところもいっぱい。物語は、セックスには積極的でも交際は長続きしない三十女が初めて恋に落ち、戸惑いためらい遠回りしながら真実の愛を見つけるまでを描く。好奇心旺盛だけれど無計画で成り行き任せの彼女が、奥手なスポーツドクターと付き合ううちにトラウマを克服していく。その過程は、恥ずかしい部分を見せ合ってもそれを含めて好きになれることが結婚に至る条件であると訴える。

ゴシップ雑誌記者エイミーはアスリート専門医アーロン取材を申し込み食事に誘われる。ちょっと神経質そうなインテリアーロンは今までは相手にしてこなかったタイプ、お互いに気になる存在になっていく。

気に入った男とはすぐに寝ても一夜限りのエイミー。結婚妊娠とまっとうな人生を歩む妹とはケンカばかりの一方で、浮気性だった父とは似た者同士、老人ホームの彼を頻繁に見舞う。エイミーも父も彼らなりに一生懸命に生きてはいるが生真面目な人とはそりが合わず、本人は正直なつもりでも他人から皮肉屋に見えるのだ。そんな少し変わった父と娘のキャラクターが抱き締めたくなるほど愛しい。エイミーが披露する父の思い出話は、アホだけど憎めない彼への感謝に満ちていた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

ところがアーロン記事はあっさりボツにされたうえ、「国境なき医師団」に表彰されたアーロンスピーチ中に離席したため彼との仲も険悪になる。おまけにインターン高校生に手を出してクビになる。すべてを失ってやっと本当に大切なものに気づくエイミーだが、その思いを全身で表現するクライマックスもやっぱりカッコよく決まらない。期待以上に楽しませてせてくれるユニーク作品だった。

オススメ度 ★★★*

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