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2017-01-20 本能寺ホテル このエントリーを含むブックマーク

otello2017-01-20

本能寺ホテル

監督 鈴木雅之
出演 綾瀬はるか/堤真一/濱田岳/平山浩行/田口浩正/高嶋政宏/近藤正臣/風間杜夫
ナンバー 13
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

エレベーターを降りたらそこは明智謀反前日の本能寺最初は夢を見ているのかとわが目を疑った。だがその世界の人々のリアル息遣いに、徐々に状況が飲み込めていく。物語は、現在戦国時代を往来できるエレベーターに乗ったヒロインが、織田信長や小姓・森蘭丸と知り合い、彼らの生き方に触れるうちに人生省みる姿を描く。やりたいこと、一生懸命になれることが特にない失業中のOLが、天下統一に向かって突き進む信長純粋な一面に魅力を覚え、人間として尊敬していく。そして、確実に迫りくる運命を告げるべきか、教えて歴史を変えたらどうなるのかの葛藤を通じ、己の道を見つけていく。その過程は、人の一生は短い、ならば日一日を精一杯頑張るべしと訴える。

京都を訪れた繭子は予約していたホテルに泊まれず、不思議なたたずまいのホテルチェックインする。エレベーターの中で金平糖をかむと、過去タイムスリップ、偶然見かけた信長の横暴につい口出ししてしまう。

狼藉者と捕らえられそうになるが間一髪で現在に戻る繭子。成り行きで婚約した恋人との仲は不満ではないが物足りなさも感じていた彼女は、戦に明け暮れた男たちの命運が手中にあると知って、責任感以上の「生」の実感を自覚していく。なんでもお膳立てしてくれる恋人ではなく、自分の話に耳を傾けてくれる信長に、信頼されることで心を開いていくのだ。一方で、珍しいもの好きの信長も、奔放な彼女物言いに乱世を終わらせようと決意した若き日の初心を思い出す。自己評価の低かった繭子が自信を深めていく、誰かに注目され期待されてこそ人は成長すると彼女体現する。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

ただ、現在過去を何度も行き来するのはよいが、それぞれの時間軸の続きに都合よく着地するのはいかがなものか。パラドックスを云々するのは野暮の極みだが、それでも子供だまし的な発想と思える。風間杜夫八嶋智人無駄にタメを作った大げさな演技も鼻についた。。。

オススメ度 ★★

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2017-01-19 ラ・ラ・ランド このエントリーを含むブックマーク

otello2017-01-19

ラ・ラ・ランド LA LA LAND

監督 デイミアン・チャゼル
出演 ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン/キャリー・ヘルナンデス/ジェシカローゼンバーグ/ソノヤ・ミズノ
ナンバー 12
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

渋滞で動きが取れなくなったハイウェイ、しびれを切らしたドライバーたちが次々とクルマを降り、歌い踊りだす。車間を縫って移動するカメラは数十人にも及ぶダンサーたちひとりひとりに寄っては引き、彼らの解放感を掬い取っていく。まるでマジックのごときめくるめく映像、ワンショットに収められたこのプロローグは、これぞハリウッドというべきミュージカル世界にいざなってくれる。物語女優の卵としがないピアニストが恋に落ち、互いに目標を追いながらもやがてすれ違っていく過程を描く。甘美なメロディと軽やかな振り付けは、ふたりでいるだけでロマンティックな時間が流れる恋の高揚と愛の喜びを全身で表現する。それらのシーンは、映画の持つ“観客を幸せにする力”に満ちていた。

オーディションに落ち続けるミアは定職のないジャズピアニストのセブとパーティ帰りに意気投合する。その後、セブと映画を見る約束をしながら他の男との食事に出かけたミアは、途中で席を立って映画館に駆け付ける。

出会いは最悪、だが二度三度と再会するうちに必然に思えてくる。話してみると似た境遇相手立場自分のことのように理解できる。ほどなく恋人同士になったふたりは一緒に暮らし始めるが、セブが加入したバンドが売れ出すと微妙な隙間風が吹く。忙しくて会う間がない上に、ミアにはセブが妥協したように見えるのだ。あくま理想を追求すべきか、現実と折り合いをつけるべきか。彼らが言い争う姿は今も昔も変わらぬアーティストジレンマ。目まぐるしく表情が変化するエマ・ストーンの顔の筋肉の柔らかさが、女優という職業の奥深さを教えてくれる。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

そして訪れた終焉の時。それでも運命残酷なだけではなく、努力している者にチャンスを与えてくれる。あのときああしていればよかった、もっと気を利かせていれば傷つけ合わなくて済んだかもしれない。叶わなかった夢ほど甘く切ない、だからこそ人生は美しいと思わせてくれる作品だった。

オススメ度 ★★★★

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2017-01-18 セル このエントリーを含むブックマーク

otello2017-01-18

セル CELL

監督 トッド・ウィリアムズ
出演 ジョン・キューザック/サミュエル・L・ジャクソン/イザベル・ファーマン/オーウェンティーグ/アンソニー・レイモンズ/エリンエリザベスバーンズ/ステイシー・キーチ
ナンバー 8
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

携帯電話使用中の人々が突然発狂し、襲い掛かってくる。難を逃れた主人公わずかなの正常者と共に脱出しようとするが、あちこちで狂人たちの群れが徘徊している。もはや安全場所はない。ならばせめて離れたところにいる我が子を助けたい。物語は、秩序を失ってしまった世界に取り残された人々がかすかな希望を求めてさまよう姿を描く。一方で、最初は殺しあっていた狂人たちが組織的に行動するようになり、意識集団で共有し始める。個人思考意味をなさなくなり、電波塔から発せられるパルスの指示に従うのみ。人類の次なるステージなのか、これからもっと洗練された生き物になっていくのか。夜を過ごすごとに、ゾンビのような存在から統率のとれた携帯人に“再起動”していく過程が恐怖を駆り立てる。

空港から息子のジョニー電話したクレイは、電池切れ公衆電話からかけなおす。その直後、強烈な電波が発信され空港パニック、圏外だった地下鉄構内に退避したクレイ車掌のトムと一緒に地上に出るが、すでに修羅場と化していた。

一番身近なコミュニケーション手段として常時持ち歩いているスマホが使えない。情報は人づてにしか手に入らず、どこに逃げればよいかもわからない。携帯人たちはお互いの目や耳から得た情報テレパシーで交換している。その後クレイとトムは数人の男女と合流するが、今や正常者は少数派となり、いたるところに携帯人がいる。同時にクレイたちの脳内の中にも共通イメージが送り込まれ、精神的に追い込まれていく。圧倒的な力を持つ得体のしれないものに追い詰められていくクレイたちの焦燥と不安リアル再現されていた。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

ジョニーと再会したクレイ携帯人を一掃するためのミッションに旅立つが、そこにあるのは絶望だけ。原作が発売され10年前はAIの脅威は議論されなかったが、現在ならば人間こそが地球破壊する元凶と判断したAIが起こした反乱ととらえることもできる。携帯電話なしでは生きられない現代人の弱点を見事についた作品だった。

オススメ度 ★★★

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2017-01-17 逆行 このエントリーを含むブックマーク

otello2017-01-17

逆行 RIVER

監督 ジェイミー・M・ダグ
出演 ロッシフ・サザーランド/サラ・ボッツフォード/ドゥアンマニー・ソリパン/ヴィタヤ・パンスリンガム/パトリック・リアドン/テッド・アザートン
ナンバー 6
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

気が付くと手が血塗れていた。助けようとした女に暴行犯と間違われた。我を忘れて現場を立ち去った以上、話を信じてもらえないのは確か。物語は、ほとんど言葉がわからない異国で人を殺めてしまった男の逃走を描く。所持品はパスポートわずかな現金、身振りと単語意思疎通を図ろうとするが、なかなか現地人には通じない。なんとかボートバスを乗り継ぎ盗難車やヒッチハイク大都会に紛れ込もうとするが、待っていたのは指名手配孤立無援、四面楚歌状態で生き延びるためには走り続けるしかない。カメラはそんな主人公に密着し、彼の不安・緊張・焦燥に寄り添う。逮捕されたらまともな裁判は受けさせてもらえない、いまだ近代化途上の社会主義国で重犯罪に関わった外国人が味わう恐怖がリアル再現されていた。

ラオス奥地で医療活動従事する米国人医師・ジョンは、バカンスで訪れたリゾート等でレイプ犯を殴り殺して逃亡する。死んだのは豪州議員の息子、懸賞を賭けられたジョンは首都を目指し米国大使館に援助を求める。

だが、大使館員は匿ってくれず、再び逃亡者となったジョンは隣国タイに逃げようとする。医療センターの顔見知りを頼り、国境の川を泳いで渡るが、見返りにドラッグを託される。ラオス労働者賃金では高度な医療享受できず、非合法にカネを稼ぐラオス人の貧しさが印象的だった。一方で、ジョンが、犯罪者はい酔った勢い相手の命を奪ったのも事実映画は、その呵責に対峙せず逃げ回る彼に安易共感を抱かせない。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

タイに入ったところで警備兵に拘束されたジョンは、処分が出るまでの間勾留される。ラオス政府からは身柄の引き渡しを要求されるがタイ側は応じない。米国豪州タイラオス間の外交的駆け引きがあったのだろう、ジョンは文字通り「うまくやりおおせた」と思える結果を得る。圧倒的な国力を背景に特権的に扱われる米国人嫌悪感を覚えたが、ジョンが良心を失っていないことに救われた。

オススメ度 ★★★

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2017-01-16 天使にショパンの歌声を このエントリーを含むブックマーク

otello2017-01-16

天使ショパン歌声を LA PASSION D'AUGUSTINE

監督 レアプール
出演 セリーヌ・ボニエ/ライサンダー・メナード/ディアーヌ・ラヴァリー/ヴァレリーブレイズ/ピエレット・ロビテーユ/マリー・ティフォ/エリザベス・ギャニオン
ナンバー 10
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

朝の礼拝質素な朝食、そして神をたたえる歌。清貧を旨とする修道院、そこで学ぶ少女たちは厳格なシスターたちと寝食を共にしている。だが、世俗とは距離を置く聖域にも近代化の波は押し寄せ変化を余儀なくされる。物語は、経営危機にある修道会系の音楽専門女子校で、教員と生徒たちが一丸となって学校存在価値を訴える姿を描く。音楽は神の意志だと信じている、ところが本部良妻賢母を育てよという。一方で、公立学校との競争を勝ち抜くためには寄付を集め補助金を獲得しなければならない。そんなとき現れた転校生は超絶テクニックで周囲を魅了する。自由権利を得るためとは違う、学園の独立を守る彼女たちの戦いは、ピアノ歌声武器に受け継ぐべき伝統と捨てるべき因習をふるいにかけていく。

政府による教育改革あおりを受け生徒が減少、廃校瀬戸際に立たされている学校校長シモーヌは、コンクールでの入賞実績を作り、地元住民相手のミニコンサートで運営資金を集めようとする。

姪のアリス特別な才能を見出しシモーヌ彼女に特訓を施すが、奔放なアリスはなかなか素直になってくれない。それでも根気よく手ほどきするうちに、アリスも自らの夢に近づこうとする。同時に教職員意識変革を進め、そりの合わない上司との交渉にも臨む。校長という職務忙殺されながらも教育者として音楽人生をささげるシモーヌ背中は、上に立つ者の責任とは何かを教えてくれる。お堅い修道服とベールを脱いだ修道女たちが新しい制服に着替え髪を露出したときの表情は、個性こそが人間らしさの第一であると再認識させてくれる。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

奮闘むなしく存続運動挫折、学園を去ったシモーヌアリス弟子として鍛え上げ、フリー立場コンクールに出場させる。演奏するのは神ではなく人間に捧げる音楽。それは、芸術とはあくま個人の崇高な精神によって創造されるものである宣言していた。本国以上にフランス人ぽいカナダ仏語カトリック風俗習慣考え方が印象的だった。

オススメ度 ★★★

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