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こんな映画は見ちゃいけない! このページをアンテナに追加 RSSフィード

2018-01-17 はじめてのおもてなし このエントリーを含むブックマーク

otello2018-01-17

はじめてのおもてなし WILLKOMMEN BEI DEN HARTMANNS

監督 サイモン・バーホーベン
出演 センタ・バーガー/ハイナー・ラウターバッハ/フロリアン・ダーヴィト・フィッツ/パリーナ・ロジンスキ/エリヤス・エンバレク/エリック・カボンゴ
ナンバー 10
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

“現役” にしがみつき若作りに余念のない父。定年退職後の空白を埋めるために人助けをしたい母。いまだ進むべき道を見つけられない娘。金儲けに走るワーカホリックの息子。家族とは名ばかりで、それぞれが自分のことで頭がいっぱい。。。物語は、そんな一家アフリカから政治難民を受け入れたのをきっかけに、少しずつ周りの人々にも目を配れるようになっていく過程を描く。異人種で異教徒テロリストかもしれない。社会としては難民に寛容でも、いざ個人のレベルで直面すると偏見を隠しきれない。それでもリベラルに振舞うのがドイツ人の理性。エクササイズを欠かさずプチ整形しているのにクラブ若い女を紹介されても下半身が反応しない、職場でも家庭でも暴君のごとき態度をとる父の、家族に打ち明けられない悩みがリアルでほほえましい。

子供独立し、広い家を持て余すアンゲリカは、夫のリヒャルトに難民ホストファミリーになると宣言する。娘のゾフィと息子のフィリップの里帰りを機にナイジェリア難民ディアロを迎える。

常識良識もきちんと備えているディアロはすぐに一家になじむが、同時に彼らが空中分解しているのを見抜く。確かに自由保障され女性の権利確立しているけれど、夫婦親子兄妹の絆をおろそかにしている彼らが信じられない。物質的な豊かさと精神的な豊かさに相関関係はないとわからせようとするが、合理主義の前では説得力に乏しい。この家に預けられたフィリップの息子の気持ちを汲み取り、ゾフィに焦らなくてもいいとアドバイスするディアロ。悲しい過去を持つがゆえに己の考えを押し付けるは間違っていると知るディアロの慎み深さが印象的だ。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

やがて排外主義者たちがディアロへの敵意をむき出しにし始める。ディアロを守らなければと力を合わせる一家。もはや損得勘定抜き、時に危険覚悟ディアロのために行動する。他人と関わって生きるのは煩わしい、だがそれが人生醍醐味でもあるとこの作品は教えてくれる。

オススメ度 ★★★

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2018-01-16 ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! このエントリーを含むブックマーク

otello2018-01-16

ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! RENEGADES

監督 スティーヴン・クォーレ
出演 サリバンステイプルトン/チャーリー・ビューリー/シルヴィア・フークス/ジョシュアヘンリー/ディアミッド・マルタ/ディミトリーレオニダス/J・K・シモンズ
ナンバー 9
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

命がけの戦闘に勝つのが己の存在価値。絶体絶命のピンチを切り抜けるのが生きる喜び。敵陣深く潜入し大切なものを奪って戻る、男たちはそんな不可能と思える任務に挑み続ける。物語紛争時代の旧ユーゴ、米海軍特殊部隊のはぐれ者たちが湖底に眠る金塊を回収すべく極秘裏に起こした作戦行動を描く。正式命令ではない独自ミッション、大掛かりな支援は期待できず失敗しても助けは呼べない。もちろん報酬目当てだが、半分は地元難民還元する。決して正義漢ではないが私利私欲では動かない、ただただ知力体力を総動員して死と隣り合わせのスリルを楽しむのみ。味方は死なず傷つかず、銃弾に倒れるのはひたすら敵ばかり、男たちの刹那的楽天主義に彩られた映像は、悲惨国際紛争の場をビデオゲームのようなリアリティの薄い世界に変換する。

セルビア軍の将軍誘拐成功したマット率いる5人組は、酒場のウエイトレスから第二次大戦中にドイツ軍が持ち込んだ金塊の話を聞かされる。今は水没した村に隠された金塊、5人は巨大バルーンで運び出す計画を練る。

装備担当兵を言いくるめ備品調達パイロットを買収して準備を進める5人。しかし彼らに異動の辞令が出たため急遽実行に移す羽目になる。酔っぱらった頭に喝を入れ、協力者にゲキ飛ばし輸送機から湖にダイブする。ほとんど下調べもせず行き当たりばったりなのに、目的教会にたどり着き、建物内部に酸素を送り込んで作業場を確保する。ところが金庫をこじ開けると中は空、なのに偶然見つけたヒントから金塊のありかを特定する。ご都合主義もここまで徹底すればむしろ潔い。

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そして金塊を浮上させるために大量の酸素でバルーンを膨らませる。その間、セルビア軍に攻撃されるもあっさり一蹴、結局大した山場もなく5人とウエイトレスは金塊と共に生還する。あまりにもストレートな展開、アクションミステリー部分にもひねりはない。B級映画はいえ、何らかのユニークアイデアを見せてほしかった。

オススメ度 ★★

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2018-01-15 伊藤くん A to E このエントリーを含むブックマーク

otello2018-01-15

伊藤くん A to E

監督 廣木隆一
出演 岡田将生/木村文乃/佐々木希/志田未来/池田エライザ/夏帆/田口トモロヲ/中村倫也/田中圭
ナンバー 8
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

自信満々で自己中心的、でもイケメンで憎いほど女心の急所を突いてくるから、放っておけない。物語は、そんなサイテー男に翻弄された5人の女が、本当は何を求めていたかに気づくまでを描く。女たちはみな “好き” という気持ちを上手に表現できない恋愛下手、それ以前に他人との距離感をうまく取れず悩んでいる。魅力的な外見と一風変わった話術で女たちの間を飛び回る男も、実は異性問題で重大な欠陥を抱えている。仕事人間関係も停滞気味の日常彼女たちが彼の瞳に映る自らの姿に真実を見つけていく過程ディテール豊かで、いまだ生き方に迷う若者たちの苦悩と不安が浮き彫りにされていた。傷つくのが怖くて、懸命に頑張る女たちを安全地帯からシニカル視線で見下している主人公岡田将生が怪演、時折見せる卑しい笑顔人間の本性を象徴していた。

脚本家の莉桜は講演会アンケートをもとに新たなプロットづくりを始める。5年付き合ってもセックスしてもらえない女、同僚に付きまとわれている女、処女を捨てたい女とその親友etc. 彼女たちは共通の男・伊藤と絡んでいた。

莉桜は近年ヒット作に恵まれず、女たちから聞き取った話で復活を目論んでいる。深く聞くほど彼女たちの赤裸々な思いと感情共鳴し、己の中にある不器用だけれども必死な部分と重ね合わせていく。結局莉桜もまた人生に迷う女でしかない。失敗を恐れて挑戦しないのは最悪の選択、時に期待した結果が得られずボロボロになっても、自分を全てさらけ出す覚悟で行動に移すことが大切と思い返す。

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ただ、伊藤キャラクターいまいち理解できなかった。とりあえず関わった女5人中3人が好意を持ったわけだからそれなりのモテ男、なのに28歳まで童貞だったのはいかにも不自然だ。恋愛関係になった後でこじらせたくなかったのかもしれないが、20代の男があれほど性欲を抑制できるものだろうか。少年時代トラウマセックス恐怖症になっていたなどの裏話があれば納得できたのだが。。。

オススメ度 ★★*

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2018-01-13 ザ・シークレットマン このエントリーを含むブックマーク

otello2018-01-13

ザ・シークレットマン
MARK FELT: THE MAN WHO BROUGHT DOWN THE WHITE HOUSE

監督 ピーター・ランデズマン
出演 リーアム・ニーソン/ダイアン・レイン
ナンバー 262
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

ボスに忠誠を誓い長年組織に尽くしてきたのに、後ろ盾がなくなった途端に権限を奪われ冷遇される。ならば意趣返しに、知りえた秘密リークしてやろう。物語米国史上最大のスキャンダルの発信源となった男の苦悩と葛藤を描く。政治家プライバシーを調べ上げ陰で政府を操るまでに肥大したFBIと、影響力を削ぎたいホワイトハウス権力闘争を繰り広げる男たちは国民権利などそっちのけで我欲に走る。大統領不正暴露すべく立ち上がった主人公も、動機正義感ではなく単なる仕返しにすぎない。それが逆に、世のため人のために汗を流す公務員政治家などという偽善の顔を浮き彫りにする。出世の道を絶たれた恨みを晴らしたい、そんな卑小な男の怒りをリーアム・ニーソンがげっそりとやつれた頬と落ちくぼんだ目で表現する。

FBI長官フェルトニクソン大統領の側近と対立長官の死後司法省から送り込まれた長官代理・グレイは彼を蚊帳の外に置く。折しもウォーターゲートビル不審侵入者逮捕される。

侵入者たちが元工作員だったことからフェルト選挙を控えたニクソン大統領の関与に気づくが、グレイは捜査の中止を命令する。長官椅子を期待していたのにもはやFBIに居場所がないフェルト新聞にタレ込み、マスコミを通じて世論を動かそうとする。同時に情報漏れを疑われると部下に濡れ衣を着せようとしたりと、ばれないように抜かりはない。たったひとりの反乱、カネ目当てでもなく弱みを握られての裏切りでもないが、実名告発するほどの勇気覚悟もない。裏取り調査新聞記者頼り。そのあたりの“矢面に立たず逃げ切ろう”と考えるフェルトは自ら危機を引き受けるヒーローとは程遠く、魅力の乏しさかえって人間臭い

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やがてグレイが長官に就くと、フェルトFBIを去る。その後ニクソン大統領を辞任。30数年後フェルトディープスロートだと名乗り出たのは、人生で一度くらいスポットライトを浴びたいという名誉欲だったのだろうか。。。

オススメ度 ★★★

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2018-01-12 ローズの秘密の頁 このエントリーを含むブックマーク

otello2018-01-12

ローズ秘密の頁 THE SECRET SCRIPTURE

監督 ジム・シェリダン
出演 ルーニー・マーラ/バネッサレッドグレーブ/エリック・バナ/ジャックレイナー/テオ・ジェームズ
ナンバー 277
批評 ネタばれ注意! 結末に触れています

魅力的なのは罪なのか。愛し合った証は罰なのか。保守的宗教観民族意識が残る町、他所から来た女は男たちの気を惹きつけ、惑わせ、嫉妬させる。物語は、子殺し汚名を着せられて50年もの自由を奪われた老婆の過去をひもといていく。まだまだ女性地位が低かった第二次世界大戦中のアイルランド神父は人々の生活の細部に口をはさみ、反英愛国者市民を見張っている。世界中戦火が広がっている時代中立国といえどもまったく無関係はいられず、英国に加勢する者は白眼視される。そんな息苦しいまでに閉鎖的なコミュニティでひと際目立つ、若くて自己主張の強いヒロインに向けられた男たちの羨望の眼差し。やがてそれは憎しみと敵意に変わっていく。有力者の一存で個人権利が踏みにじられる旧弊が恐ろしかった。

叔母の経営するカフェで働き始めたローズはゴーント神父に付きまとわれる一方、さわやかなマイケルと恋に落ちる。だがマイケル英空軍に志願した地元裏切り者、人目を気にする叔母はローズを追い出す。

町はずれの小屋に転居したローズは、そこでマイケルと濃密な時を過ごす。バイクで駆け抜けた海岸、砂浜での戯れ、簡素結婚式。それらローズの脳裏に刻まれた記憶はしっとりとした美しさで彩られ、彼女人生で最も充実したひとときを再現する。ところが幸せは長く続かず、“婚外子”を宿したローズ施設収容される。和を乱す者は排除される、それでも己の信念を曲げないローズ生き方は切ないほど誇り高い。

ネタばれ注意! 以下 結末に触れています

そして50年後、立ち退きが決まった精神科病棟でひとり転院を拒むローズ担当となったグリーン医師は、彼女が持っていた聖書に書きこまれたメモとともに、昔語りに耳を傾ける。「息子を殺していないと」何度も訴えるローズ病院から受けた差別的扱いにも言及し、偏見に満ちたゴーントの報告書も見つかる。愛を貫いたゆえの不幸、失われた時間は空白のまま。しかしそれを埋めて余りある奇跡が驚き以上に心地よかった。

オススメ度 ★★★*

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