トーチャンとキンドト(金魚)

prader-willi2005-01-09

今日は伊丹市立美術館で「ジャック・カロ版画展」を観る。お昼をJR伊丹駅の近くの豆腐料理店「さらら」でいただく。伊丹周辺知らなくて、ぶらっと立ち寄っただけだったけれど、かなり美味しかったですね。HPあったので紹介しておきます。

http://www.tajimaya-foods.co.jp/tofuan/index_tofuan.htm
豆富庵さらら

アーチャン用に出してくれたコップはアンパンマンの絵が書いてある。その中にドキンチャン見つけて、トーチャンだ、と言っている。もう随分前の、療育園での運動会で、僕がドキンチャンのお面かぶった事、よく憶えていたね。http://d.hatena.ne.jp/prader-willi/20031023#p1
PWSさんは長期記憶は優れているが(こだわりの内容はいつまでも覚えているらしい)短期記憶は、あまり良くないらしい。
そのことと関連して、今朝の朝日新聞朝刊読書欄読んで、紹介されていた2冊の本の内容が気に掛かる。
ニコラス・ハンフリー著「喪失と獲得」評者山形浩生さんの書評に、「かつて人は驚異的な記憶力を持っていた。それが文字の浸透と同時に失われる。絵画能力の喪失と言語の獲得、記憶力の喪失と文字の獲得。(中略)それは一歩後退することで、二歩進むという、進化的なステップだった」とあった。

喪失と獲得―進化心理学から見た心と体

喪失と獲得―進化心理学から見た心と体

もう一冊、池谷裕二著「進化しすぎた脳」評者天外伺朗さんの書評に、意識の条件として「表現を選択できる」「短期記憶がある」「経験により脳の状態が変化する(可塑的)」の三つがあると書かれていた。

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線

進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線

評者の天外伺朗さんという方も初めてお聞きした御名前ですが、ユニークな方ですね。

http://www.holotropic-net.org/jikuuan/index.htm
HPのプロフィールから引用
CDの共同発明者。ワークステーションNEWSやエンターテイメントロボットAIBOの開発者。

長期記憶が優れているという部分は、時として、こだわり内容に修正が効かないという事でもあるだろうし、何か人間の能力の中で、充分には獲得できない部分があるんでしょうね。やはり言語を中心としたコミュニケーションの部分に、未発達な部分があって、シンボル化や抽象的なものを考える事は難しいのでしょうね。その事を踏まえて、接する必要があるんだろうな、と想像する。

ジャック・カロ版画展を観る

20数年前にガレリア・グラフィカで、ジャック・カロの版画見て以来、敬愛してきたから、久々に観れて嬉しかったですね。カロの版画の魅力を言葉に置き換えるのは、難しいですね。ゆっくりと今日のイメージを解いていってみたいと思うし、そこが楽しみの部分ですね。
カロは日本ではあまり知られていないようだし、内容も、戦争の惨禍、乞食、ゴッビ達と正月早々に見るには、かなり重い内容だし、案の定、開幕最初の日曜日というのに、1時間ほど観た間の観客は、僕達家族と、男性1名+おば様グループ3名(足早に立ち去る)だった。少し悲しいが、こんなもんでしょうね。でも、できるだけ多くの人にカロの実物見て欲しいと思います。
ただ、今回の展示物は神奈川県立近代美術館のコレクションらしいのですが、かなり保存状態が悪いエディションと感じるし、展示方法も、納得のいかない(額の中に日本語の説明文挟み込んでいる!)ものがあり、そのような部分は想像力と愛情で消しながら、僕は観ていたけれど、カロに興味なく、初めて見る人には辛いものでしょうね。今からでも、改善できる部分ですから、僕は美術館に改善要望のメール送りたいと思います。
カロの作品は、当時、出版物として出されたものも、多いようなので、せめてどのような形で出版されていたのか知りたいところですね。カロの生まれ故郷のナンシー博物館に行かないと見れないのでしょうか?
僕はこんな風に想像する、彼の作品の道化師達を描いた作品「バリ・ディ・スフェサーニア」などは出版物の形式で、パラパラとめくるうちにアニメーションのような動画的効果を生んでいたんではないのだろうかと。

http://plaza.harmonix.ne.jp/~artnavi/12publicty/170306-itami-callot/00-itami-callot.html
ジャック・カロ版画展 伊丹市立美術館 会期2005年1月4日(火)〜3月6日(日)

ジャック・カロの作品のあるHP
http://homepage.mac.com/dmhart/WarArt/StudyGuides/Callot.html
例えばこの中の「Military Exercises」のシリーズをプリントして、壁に自由に並べてみると、きっと楽しい感じになると思います。

http://www.relewis.com/Callotdirectory.html
R.E. Lewis & Daughter specializes in fine prints
戦争の惨禍シリーズ画像美しいです。
この中のPlate 9: Découverte des malfaiteurs (Discovering the malefactors)「悪人の発見」は、右側の茂みに4人、左側に2人隠れています。よく見るとみえてくる。
こちらの画廊でカロの版画購入できるようです。バラ売りはイカンナ、でも欲しい。

http://www.pitt.edu/~arthome/callot/home/home.htm
GobbiのシリーズのあるHP

http://www.nga.gov/cgi-bin/pinfo?Object=123940+1+none
アメリカナショナルギャラリー
カロのスケッチは初めて見ました。Gobbiのイメージは、ほとんど頭足人ですね。描かれたGobbiのイメージを交互に繰り返して見つめると動きが感じられますね。これは新しい発見、探してみるもんですね。