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Golf My Wonderland

2017-07-24 *映画「グレイテスト・ゲーム」と「実話」について 〔Part 2〕

映画「グレイテスト・ゲーム」と「実話」について 〔Part 2〕



❖ 7月23日の夜、最終日の「全英オープン」は我々を眠らせなかった。松山英樹の活躍はもう一歩というところだったが、日本人として活躍してくれた姿に拍手を送りたい。前回、映画「グレイテスト・ゲーム」について記事にしたが、前回に引き続き書いてみよう。ボビー・ジョウンズが登場する前、アメリカ・ゴルフ界の一大転機をもたらした主役「フランシス・ウィメット」というアメリカのアマチュア・ゴルファーの1913年の実話を映画化したのが「グレーテスト・ゲーム」である。

❖ 「全米オープン」という晴れ舞台で、無名のアマチュア・ゴルファーがスーパースター「ハリー・バードン」(1913年時点で「全英オープン」5回優勝、後にもう1回)と名手「テッド・レイ」を迎え撃った実話は、全米ゴルフ界に自信と勇気を与え、映画はその事実を忠実に描いてゴルフファンを虜にする。

❖ さて、最終日まで3人は決着がつかず、翌日プレイオフとなる。3人は雨の中をプレイ開始する。この辺りの状況を、かの有名な英国のゴルフ評論家バーナード・ダーウィンの回顧録にみえる。彼は偶然プレイオフの日に観戦した見聞記を、「ミスター・ウィメット、歴史をつくる」と題して記事に残している。彼はチャールズ・ダーウィンの孫で弁護士、ゴルフ好きが高じて高名なゴルフ評論家となった。書籍も37冊も出版、英国のゴルフ評論家として大きな影響力を持つ人だった。

❖ 回想録には「3人とも順調な滑り出で波乱もなく・・・前半をそれぞれ38のスコアで終わった」と。スタート時点では昨日に続き雨模様で、後半に入りようやく上がり、3人は黙々とプレイをつづけた。「インの10番は、湖水の島をグリーンとしたショートホールで、3人とも見事に一打で乗せたが、グリーンが酷く湿っていたため、バードンとレイは不覚にも3パットし、これを2パットでおさめたウィメットが始めてリードした。そしてこれがこのプレイオフのターニング・ポイントであった」と。

❖ 結果はウィメット72、バードン77、レイ78で終わり、ウィメットの圧勝だった。バードンは後年自伝の中で「わたしはレイを破れば優勝できると思って、ずっとレイのプレイばかり見て、この青年には目もくれなかった。ところが終わりに近づくころになって、レイよりもこの青年が手ごわいのに気づいて、矛先を転じたが、時すでに遅かった・・・」と。
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❖ このドラマのもう一つの立役者、ウィメットのキャディーを務めた10歳のエディ・ロワリーは驚くべき才能を発揮する。上述ダーウィンの記述では「スタートはくじ引きでウィメットがオナーになった。1番ホールの両側を垣のごとく埋めたギャラリーを前に・・・さすがのウィメットもこのときばかりは緊張のため蒼白となった。するとそのとき10歳の幼いキャディーのエディ・ロワリーが、ドライバーをウィメットにわたしながら、世にもひたむきな顔をして“しっかり!目をボールからはなさないで!”といった。青年は黙ってうなずいた。」と書いている。

❖ プレイ中ウィメットは、この少年から幾度も冷静になる言葉をかけられている。後年綴ったウィメットの回顧録にも「エディは終始私に、ボールから目をはなすなといいつづけた。そして焦らずにゆっくり時間をかけるよう注意してくれた。また、いろいろな方法で私を激励した」と書いている。この様子を映画は見事に再現してくれている。

❖エディ・ロワリー少年はその後自動車販売業で成功し、ゴルフ・トーナメントのスポンサーとなり、米国のゴルフ発展に貢献した。なお、USGAの役員にもなったそうである。また、ウィメットの優勝は全米において「英国中心」のゴルフから「米国中心」のゴルフへ舵を切らせたエポックな出来事となり、大きな影響力を果たしたのである。

❖ ウィメットはその後生涯アマチュア・ゴルファーとして過ごし、ゴルフの高潔な精神を貫き通した。ゴルフの総本山英国の「R&A」のキャプテンに迎えられるという事実からもうかがえる。球聖ボビー・ジョーンズが登場する10年も前に、すでにアマチュア・ゴルファーとして全米に轟く清廉な人が活躍していたことを、我々は改めて覚えておきたいものである。(了)

※ 参考資料:摂津茂和コレクション「ゴルフ異聞記」より
※ 「R&A」とはRoyal Ancient Golf Club of St.Andrewsの略。英国ゴルフ協会の役割を果たすと同時にゴルフ発祥地にある競技団体でもある。現在世界のゴルフルールの改定はR&Aと全米ゴルフ協会(USGA)で行われている。




2017-07-19 *全米オープンで思い出した映画「グレイテスト・ゲーム」

全米オープンで思い出した映画「グレイテスト・ゲーム」〔Part 1〕


❖ 明日7月20日からの「全英オープン」と8月10日からの「全米プロゴルフ選手権」とメジャーが続く。松山英樹の活躍を期待したいところだ。英樹の「全米オープン」2位という記録は、青木功と並んで日本人最高位の成績だが、何と37年振りというから大したものである。メジャー制覇も見えてきた。ゴルファーの期待が高まるばかりである。

❖ ところで、先の「全米オープン」をTVで見ていて思い出したのが映画「グレイテスト・ゲーム」(2005年Disney製作)。今から104年前の「全米オープン」の勝者、フランシス・ウィメット(当時20歳)のゴルフ史に残る名勝負を描いたもの。対戦相手は全盛期を誇る英国のハリー・バートンと名手テッド・レイ。ゴルフ史上名勝負として語り継がれているものだが、まだ映画を見ていないゴルファーのために少しご紹介しよう。

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❖ 時は1913年、場所はマサチューセッツ州ブルックラインにある「ザ・カントリー・クラブ」(名門コース)。主人公ウィメットは植木職人の子として生まれ、幼い時からこのゴルフ場の近くに育ち、学校へ通いながらキャディのアルバイトもしていた。その甲斐あってゴルフコースとプレイには滅法詳しく上手くなり、高校時代には州のゴルフ大会で好成績を上げるまでになっていた。(当時のゴルフは上流社会中心のスポーツだったことがよく描かれている。)

❖ 高校卒業後は父との約束もあり、ゴルフから離れて「スポーツ店」に勤めた。1913年「全米オープン」が自分の親しんだ「ザ・カントリー・クラブ」で開催されることになり、英国から、かの「ハリー・バードン」と気鋭「テッド・レイ」、米国のトップゴルファたちがやって来る。そんな中、USGA会長に地元ゴルフコースの強みを買われて、ウィメットにトーナメント出場の誘いが舞い込む。悩んだ末に参加を決める。

❖ ゴルフからは離れていたウィメットは、急遽特訓を乗り越え大会に臨む。その時自分のキャディがおらず、友人の弟10歳の少年に頼むことになる。映画は、前半を彼が大会に参加するまでの様子を描き、後半は歴史に残るハリー・バートンとウィメットのプレイ展開を活写する。結果は無名のウィメットがバートンとプレイオフの末に優勝を果たし、米ゴルフ界の寵児となる。弱冠20歳であった。

❖ ゴルフファンにとって、映画の魅力は、米国における20世紀初頭の階級社会の中でゴルフを続けることの難しさ、ゴルフ界の雰囲気、あるいはゴルフ用具、スポーツとしての集中力と精神力の強さなど、細かいところまで遺憾なく描かれていて、ゴルフファンにとって見落とせないシーンばかりである。この映画のもうひとつの魅力は、実話であった10歳のキャディ、エディ・ロワリーがプレイ中のウィメットに心理的重圧を取り除き、はやる心を落ち着かせる有能なキャディ振りが描かれ、映画の面白さを浮き立たせている。

❖ 詳しく記すスペースはないが、ぜひ映画「グレイテスト・ゲーム」を見ていただきたい。長いゴルフ生活を持つ方にもゴルフの奥深さを一層感じられるだろう。この記念すべき「全米オープン」とウィメットの実話について、次回にもう少し触れたみたい。(了)




2017-07-11 人気シニアツア「ファンケル クラシック」記者発表!

人気シニアツア「ファンケル クラシック」記者発表!
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会場に駆け付けたベテラン選手、室田淳、中島常幸、芹澤信雄、崎山武志、鈴木亨の面々

❖ このところ、シニアツアが話題にのぼる。その先頭を走る大会が「ファンケル クラシック」だ。男子ツアが足踏みしている間、シニアの方が元気で前進している。「シニアの元気が日本の元気!!」というスローガンを掲げて開かれる「ファンケル クラシック」はその象徴だ。当大会の記者会見が、7月10日東京プリンスホテルで開かれた。

❖ 会場にはPGAの倉本昌弘会長をはじめ中島常幸ほか6名のベテラン選手が駈けつけ、参戦の抱負をそれぞれ意識しながら語っていた。記者発表にして名の知れたベテランプロが足を運ぶ。このプロ気遣いこそ一般ゴルファーに伝わる。今年の「ファンケル クラシック」大会も賑わいそうだ。

❖ 「ファンケル クラシック」は来る8月18日(金)から3日間、静岡県裾野市の裾野ガントリー倶楽部で、75名の強豪選手によって争われる。今年の賞金総額は7200万円、優勝賞金1500万円のほか、昨年より取り入れられた特別賞、60歳以上のプロ選手上位3名に600万円、50歳代のプロ選手上位3名に600万円は今年も与えられる。賞金総額はPGA主管のシニアツアの中でもトップである。  

❖ シニアツアの中でもギャラリー数は最も多のもこの大会、3日間で20,000人超えを7年続けている。大会運営面では、地元を中心としたボランティアスタッフ延べ700人余と主催のファンケルグループ従業員延べ600人余によってギャラリーサービスが行われる。プロ選手の愛用品のオークションなどもその1つで評判だ。

❖ もうひとつ、この大会で注目されるのは「ファンケル クラシック基金」を通じて寄付活動を行っていること。この活動はすでに10年を経過しているが、目的は?地域とのつながり、?ハンシキャップを持つ人人々の応援、がコンセプトで、集まった寄付先を選定しているという。昨年の寄付金は約500万円、日本赤十字社熊本地震災害義援金)、裾野市社会福祉法人訪問の家ほかに寄付されている。

❖ 男子プロツアの人気が今一という現状は、ゴルフファンにとって残念至極だが、「ファンケル クラシック」に象徴されるように、選手自らゴルフファンへのサービスが大切である。その昔、プロといわれるゴルファーは、クラブハウスの正面玄関から入ることが許されなかった時代がある。今とは隔世の感があるが、この厳しい時代を越えて現在があることを、もう一度振り返ってほしいものだ。プロゴルファーも謙虚さを忘れず自覚してほしい。(了)





2017-07-03

「ゴルフ」と「言い訳」の関係性!


❖ ゴルフ・シーズン真っただ中・・・。調子のよい日と思わしくない日と、ゴルファーは悲喜交々の日々を送っているに違いない。さて、「ゴルフ」と「言い訳」は、切っても切り離せない関係にあるらしい。先日プレイした折り、シングルの同伴者が思いがけない不調を来たし、90近くも叩いた。その時のセリフが可笑しかった。「今日のキャディは色気があり過ぎて参ったよ!プレイにはほどほどが良いね!」それ程でもなかったのになぁと思いつつ、彼の「言い訳」に感心した。

❖ ジャック・ニクラウスリー・トレビノもよく使った「言い訳」に、「初めて使うパターだよ!さてどんな具合だろう」と。名選手の中にはパターを2本入れていた人もあるという。「言い訳」には事前・本番・事後の3つがあるという。ニクラウスやトレビノは前もって予防線を張っておく事前の言い訳になる。
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❖ ゴルフ・エッセイストの夏坂健の著作は多いが、その中にこの「言い訳」を取り上げている文がある。例を取り上げると「仕事の多忙」「寝不足」「虫刺され」「頑固な痔」「改造中のスウィング」「その日のパートナー」「合わないコース」「気に入らないキャディ」「前の組のスロープレイ」などなど35の言い訳を上げている。

❖ 氏の分析によると〈1〉プレイする環境のせい、〈2〉仕事関係のせい、〈3〉パートナーやキャディのせい、〈4〉クラブのせい、〈5〉体調に関するせい、などに分けられるのではないか、と。日本オープン初代のチャンピオンである赤星六郎は、当時のゴルフ誌に「言い訳」についての一文を載せている。

❖ 「ぼくの知っているゴルファーは、アリバイ(口実)が多過ぎた。真のスポーツマンは絶対にこのようなアリバイを拒否する。たとえコンディションが悪かったにせよ、いかなる事情にも条件づけられたにせよ、ひとたびトーナメントに出場したら、ベストを尽くし、勝って傲らず、負けて恥じず、虚心坦懐、一切の弁解をしないものこそ、真のスポーツマンと言えよう。」

❖ 明治生まれの気骨が滲み出ているセリフだが、この文のタイトルは「チャンピオンシップに出場する方々へ」という。公式の試合へ参加するゴルファーを対象としているものだが、我々アベレージ・ゴルファーにとっても本来のゴルフ精神に則るならば、この含蓄のある言葉、姿勢を、心の底にしっかりと息づかせる大切さを教えてくれる。(了)





2017-06-26 *14年振り‼ JGTOの日本マッチプレー開催へ

14年振り‼ JGTOの日本マッチプレー開催へ


❖ ゴルフ倶楽部の会員なら、倶楽部の競技試合で、マッチプレーを経験されている方も多いに違いない。1ホールずつ緊張して戦うプレーは、また格別なものだ。日本のトーナメントでのマッチプレーが14年間も開かれていなかったのは、何とも惜しい限りである。その理由は、マッチプレーの勝敗が何時終わるか分からず、テレビ放映に不向きなのでスポンサーが提供しないという。プロの競技はテレビがないと始まらないのか?

❖ その、ゴルフプレーの原点“マッチプレー選手権”がこのほど14年ぶりに開催の運びとなった。記者会見が去る6月21日、ANAコンチネンタル・ホテルで開かれたので、概要を伝えよう。主催はISPS(一般社団法人国際スポーツ振興協会)、共催がJGTO(日本ゴルフツア機構=代表青木功)、大会名は「ISPSハンダマチプレー選手権」。開催日は8月と9月に渡り104名のプロゴルファー千葉・浜野ゴルフクラブで競う。
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❖ この大会はJGTO唯一のマッチプレーで、プロ104人参加は、過去マッチプレー競技の最多出場人数という。賞金総額2億1000万円、優勝賞金は5000万円で国内最高額となる。また出場者は新たに設定された「ISPSマッチプレー賞金ランキング」による資格者で、出場者の内、ランク上位者池田勇太谷原秀人小平智ら8名がシート選手として3回戦から出場。1回戦2回戦は96名で争う。

❖ 開催会場は井上誠一設計の浜野ゴルフクラブ。1・2回戦は、来る8月1日・2日に、決勝戦は9月6日・7日・8日・10日の予定である。なお、1・2回戦が行われる8月1日・2日は、入場無料となり、多くのゴルフファンに楽しんでもらいたいという。当大会の駐車場は会場付近にギャラリー駐車場が用意される。都心から60分で、千葉蘇我ICで下り、30分程の場所にある。電車は蘇我駅外房線誉田駅が最寄りの駅。輸送に関しては現在調整中という。

❖ 主催の「一般社団法人国際スポーツ振興協会(ISPS)」は、“チャリティーを進化させ、スポーツの力で社会をより良く”をキャッチフレーズにした公益団体で、これまでゴルフだけでなく、多くのスポーツを支援している。ゴルフでは世界で年間65試合をスポンサードしている。今年の「ISPS HANDA ニュージーランド女子オープン」で野村敏京が優勝したことは記憶の新しい。

❖ ISPSは本田晴久氏(現会長)の提唱で設立され、スポーツを通じて社会貢献を実践し、また障がい者スポーツの幅広い振興を図ることを指針としている。。協賛企業、団体は650社、個人会員は4400人余にのぼる。半田晴久氏(別名:深見東州)の職業は幅広く、実業家、芸術家(画家・書家・歌手・能楽師詩人作曲家)、慈善活動家、そして宗教家同志社大学経済学部卒業ほか別の大学で芸術分野を学んだという。宗教活動としては2012年法人格を得て、神道系の新興宗教ワールドメイト」の名で行っている。(了)

□ 参考資料:雑誌「AERA」2016年1月28日記事〈電車広告で見かける「深見東州」は何者?〉に、取材記事が掲載されている。