思考の遊戯・続

「雑読雑感」の管理人・レグルスの読書メモ、映画のネタバレ感想など

アーマーモデリング 2012年 03月号』
☆☆☆★
陸自特集。ただし、アーカイブスと言う割には、正式配備したばかりの10式を始め、近作キットの作例をいくつか、と言う感じなのが残念。
ま、あくまでも後のドイツ連邦軍とかイギリス戦車の特集と比べて、と言う話だが。
中では、『タクティカル・モデリング…』に収録の89式高射砲の岡プロの製作ガイドが素晴らしい。
巻末の作例も地味に凄いのが並ぶ。ミグのドイツ偵察車、ツェメリット・コーティング仕様のL/70、エニグマなど。
さらには高石誠の履帯の種類別攻略法も地味に役立つ、必見の内容。これは是非とも『戦車模型の始め方』に収録して欲しかったなぁ…。

Armour Modelling (アーマーモデリング) 2012年 03月号 [雑誌]Armour Modelling (アーマーモデリング) 2012年 03月号 [雑誌]

大日本絵画 2012-02-13


『死の鳥』
☆☆☆★
短編集。何より驚いたのは、作者がまだ存命だということ(^_^;)

『「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった』
☆☆☆
ハーレクインロマンスなんてクソだ!という話ではなく(^_^;)道化師と、未来の管理社会を描いたもの。

『竜討つものにまぼろしを』
☆☆☆
『世界の中心で…』と同じく、一見ファンタジー風だが、よく分からない話。

『おれには口がない、それでもおれは叫ぶ』
☆☆☆★
ネタバレ注「人類絶滅後の未来、人工知能によって生かされている4人のうちの一人」を描いたディストピアもの。タイトルの意味はラストに明らかになるが、それだけでなく、全編に渡って主人公をいたぶるあたり、小林泰三的なブラックさが痛快。

『プリティ・マギー・マネーアイズ』
☆☆☆★
スロットマシンに少女の地縛霊が憑き、気に入った人(とりあえずの主人公)を連続大当たりさせてくれる。『世にも奇妙な物語』的な話。特にどんでん返しもなく(オチはあるが)、基本的には主人公と少女の過去が順に明かされて行くだけ、という構成のミステリー。

『世界の縁にたつ都市をさまよう者』
☆☆☆★
切り裂きジャックが、未来の都市に連れて来られて、好き放題の殺戮を許される。すぐに連想したのが『都市と星』のダイアスパー。その道化師だ。

『死の鳥』
☆☆☆★
キリスト教を素材に、懐疑やら皮肉やらを、試験問題や作者の幼少期のエピソードなど、あらゆる素材を駆使して描いた。結論的なものは、一読読み取れなかったが、よく読めば浮かび上がって来るのかも。円城塔なんかが好きな人にはオススメかも。

『鞭打たれた犬たちのうめき』
☆☆☆
暴力と幻覚にあふれたスラム街系短編、という以外、私には理解できません(@_@)いわゆるノワール系?

『ランゲルハンス島沖を漂流中』
☆☆☆
自分のホログラム・コピーが自分の死体内を探検する、という設定こそ奇想天外なものの、物語的には『ミクロの決死圏』である。

『ジェフティは五つ』
☆☆☆★
懐かしいSFらしい一遍。色々物理学は出てくるが、それらは目くらましで、広義のミステリーと言える。子供の頃に終わったはずのラジオ番組の新作が、いま聴ける。そんな特異体質のジェフティを友人に持つ主人公の話。皮肉かつ予想の範囲内の結末も『世にも不思議な物語』っぽい。

『ソフト・モンキー』
☆☆★
人種差別とか、アメリカの風俗を知らないとよく分からない感じの作品。もちろん、イントロに手がかりはあるのだが…。そもそも「バッグ・レディ」って何?