大阪モーターショー2007〜トヨタグループ編

11月30日〜12月2日のわずか3日間のみ開催されている「大阪モーターショー2007」ですが、見所たくさん故に全会場を廻るのに3時間以上掛かりました!しかも、ほとんどスムーズに観覧出来た金曜日でこれですから、多くの人たちでごった返すであろう週末となれば、ほぼ一日掛かりになりそうです!
そんな会場からのレポート2日目は・・・今年ついにアメリカのGMを抜いて、世界No1の自動車メーカーになることが確実視されている「世界の巨人」・トヨタ自動車と、その強力なパートナーともいえるダイハツ工業、そして、新たに「世界の巨人」グループ入りを果たした、我が愛車・レガシィB4の生みの親でもあるスバルの富士重工の、いわゆる「トヨタグループ」のブースからお届け致します!
 
Vol.3 トヨタブース(4号館)
東京モーターショーでもそうでしたが、トヨタが今年のモーターショーでやたらと強調していたのが、やっぱりハイブリッド!正に、「ハイブリッド展示会」と化した感がするのはここ数年の傾向なのですが、今年はさらにこのハイブリッド指向が高まっているような気がします!何しろ世界では、かつての「VHS vs ベータ」の主導権争いを彷彿とさせる、「ハイブリッド vs ディーゼル」の、いわゆるエコカー主導権争いが展開されている訳で、欧州車勢がクリーンディーゼル車を次々とリリースしているのに対し、トヨタ最大の武器・ハイブリッドの魅力と可能性を大々的にアピールするには、世界のモーターショーは絶好のチャンスなんでしょう。
今年は、ついにあの「泣く子も黙る伝統のブランド」にもハイブリッド車が登場!
 
TOYOTA CROWN HYBRID CONCEPT

誕生から50年を超え、今もなお絶対的地位を築いている「陸の王者」クラウン!恐らく日本車で最も確固たる地位を築いたブランドともいえる「日本の高級車の代名詞」は、多くの固定顧客の支えもあって4年に1度というハイペースのフルモデルチェンジを今もなお継続しています!そして、来年の年明け早々に13代目となる新型がデビューする訳ですが、それに先駆けて、ほぼ100%「13代目クラウン」となるであろう今回の展示車は、トヨタ得意のハイブリッドシステムを搭載してお披露目されました!

システム的には、去年既に発売されている「レクサスGS450h」のメカニズムがベースとなっており、3.5LのV6エンジンにモーターを組み合わせたシステムは、決して全くの新規開発ではありません。とはいえ、レクサスだと手を伸ばすのに躊躇している人たちも、無敵のクラウンとなればきっと興味を示すはず!そして、高級ハイブリッド車の間口を拡げる可能性を秘めたクラウンハイブリッドですが、実は旧型クラウンで一度ハイブリッドをやっていたのでした!但し当時は「マイルドハイブリッド」という、何とも中途半端なシステム故に人気を獲得するには至りませんでした。なので、改めてハイブリッドに挑戦する新型クラウンの動向に注目したいと思います!
ちなみに、僕は新型クラウンのメーターに注目しています!何と、パソコンの液晶ディスプレイでも活用されているTFTディスプレイを全面的に使用し、アナログメーターのような表示からナイトビジョンの映像、さらにはナビ画面(だったと思う・・・)まで多彩に表示する新開発「ファイングラフィックメーター」は、かつてデジタルメーターが好きだった僕にとっては魅力的なアイテム!その辺も含めて、13代目クラウンが発表された際はこのブログでも取り上げてみようと思います!
 
・・・が、今回写真を撮ったトヨタブースのクルマは、このクラウンのみ。次期アルファードのコンセプトモデル「FT-MV」(もちろんハイブリッド!)や、未来型ハイブリッドの一つである、家庭用電源で充電可能なプラグインハイブリッド車「Hi-CT」も目を引くものがありました!・・・が、何かの手違いで画像を消してしまったのだ!ごめんなさい・・・。この2台を見たいと思われている方は、ぜひ会場へGO!
  
Vol.4 レクサスブース(4号館)
2005年の日本展開以来、トヨタは「トヨタ・ブランド」と「レクサス・ブランド」を持つことになり、当然ながらモーターショーも「レクサス」としての専用ブースが登場!正に僕にとって憧れのブランド・・・それがレクサス!故に、レクサスの展示車の写真をやたらと撮りまくったような気がします!
その中でも、僕的には日産GT-Rと同じ位注目している「モンスターセダン」の実車を見れたのは嬉しい限りだ!
 
LEXUS IS-F
クラウンより一回り小さいクラスに該当するモデルでありながら、普通は2〜3L程度が妥当なエンジンは何と5000cc!「どこにすっ飛んでいくか分からない」と思わせるモンスター仕様でありながら、足回りもしっかりと強化し、さらには安全性も極限まで高めた、レクサスの新しい挑戦・・・それが「IS-F」!

まるで研ぎ澄まされた日本刀のような19インチのアルミホイールを与えられたタイヤ周りは、今までのトヨタ車では決して見たことのない足回りの存在感が素晴らしい!トヨタ同様、レクサスの「ブランドイメージの切り札」は、やっぱりハイブリッド!・・・ですが、決して「走る歓びの追求をあきらめていない!」という強烈な意志表示だといえる1台です!

もっとも、レクサスが挑戦している欧州定番ブランドであるメルセデス・ベンツBMWアウディの「ドイツ(プレミアムブランド)御三家」は、既にこの手の「2〜3Lクラスのセダンに5〜6Lの大排気量エンジンを詰め込んだモンスターセダン」をずいぶん昔から発表し続けており、最大のライバルとして掲げたBMW・M3などの定番車種に戦いを挑む初めての日本車として、どこまで健闘出来るのか、期待したいと思います!
・・・とは言え、まだ実績のない「F」というブランドに本当のカリスマ性が宿るようになる為には・・・やはりトヨタがF1で優勝することが必須条件なのでしょうか?その辺も含めて、動向を見守って行きたいと思います!(もっとも、僕達一般庶民には無縁の世界における話、なのですが・・・)
 
LEXUS LF-A
LS600h、IS-F・・・日本車にとって未踏の領域に次々と魅力的モデルを送り込んできたレクサスが次に目論んでいるのが、フェラーリやポルシェといったスーパーカーのカテゴリーへの進出!そして、トヨタF1の技術をモロに盛り込んで開発が進められている「LF-A」も、これで3代目となりました!

これは正に、GT-R以上に「LF-A専用!」といったサラブレット的開発が進められている正真正銘のスーパーカー!そして、テストカーはニュルブルクリンクで走り続けるなど、2009年と言われている市販化に向けて改良が続けられている中での今回のモデルは、室内の雰囲気も分かるなど少しずつ現実味を帯びた形となって参りました!

果たして、GT-RやホンダNSXのような、多くの人の憧れになれるのか?次のモーターショーでは、市販モデルがついに公開されるのか?これまた今後が楽しみです!
 
LEXUS LF-Xh

こちらは、次期ハリアースタディモデル・・・ですが、もともと日本を除く全ての国では「レクサスRX」という車名で発売されていた訳で、ようやく日本仕様も次回から「レクサスRX」という本来の姿になれる模様です!
早ければ2008年にもデビューか?と言われているレクサスRXの予告編とも言うべきこのクルマは、SUVの力強さと高級車の優美さが十分に表現されており、これまでのハリアーに比べてもデザインの質感がさらに向上したように思えます!
もともと、この高級SUVのジャンルを最初に開拓したのがレクサスRX(=ハリアー)なので、「レクサスブランドを築いたモデル」の新作への期待はさらに高まります!
 
 
Vol.5 ダイハツブース(4号館)
今のトヨタグループの飛ぶ鳥落とす勢いは、ダイハツなしでは語れない!軽自動車開発という、ダイハツが担う役割を十分過ぎるほどに果たしている結果生まれたモデルは非常に魅力的で、「本当に軽?」と思わせるクルマが続々登場しています!
(特に現行ムーブ・カスタムの最上級仕様はフルオプションだととてつもないハイスペックだ!)
そして、ダイハツの地元・大阪での開催となった今回のショーにおいても、軽自動車の可能性をさらに拡げてくれるコンセプトカーを3台送り込んできました!
 
DAIHATSU OFC-1

ダイハツのエンジニアが「作りたいものを作った!」と自信満々に世に送り込んだコペン。これは正に軽自動車の可能性を拡げる、夢の1台として多くのファンを獲得することに成功しました!
さすがに直接収益に繋がる訳ではないが故、「コペンも一代限りか?」と思っていたのですが・・・ダイハツはしっかり、次世代コペンスタディモデルともいうべき1台を用意してくれたのです!
現行モデルが何となく可愛らしい表情をしていたのとは一転、何となくオーソドックスな造形ではありますが、コペンの美点である電動ハードトップはもちろん搭載されており、質感が増したインテリアや、軽自動車初17インチ(!)タイヤ、さらには7速パドルシフトなど、やっぱりダイハツはやってくれます!
ダイハツの役割・・・それは、軽自動車の常識を覆すこと!それをさらに具現化してくれる1台として市販化されることを心待ちにしたいと思います!
 
DAIHATSU OAKLEY

こんなワイルドな軽自動車は初めて見ました!マウンテンバイクが2台すっぽり入るラゲッジを持ち、いかにも悪路走破性が高そうなクロスカントリー仕様の車体で道なき道を突っ走る!日産エクストレイルのような「遊びの為のタフギア」として、市販化されたらきっと楽しいクルマになること間違いない!
もっとも、どうあがいても660ccで定められている軽自動車のエンジンでは、道なき道を突っ走れるだけのパワーを確保するのは困難だとは思いますが、それをも覆す技術革新をダイハツのエンジニアに期待したい!
 
 
Vol.6 スバルブース(6号館B)
スバルがトヨタグループ・・・未だ信じられない、ていうか、その事実を認めるのには相当の時間が掛かりそうですが、やはりスバルはスバルの道を行く!
そんなスバルブースで今回最も注目を集めると思われるクルマ・・・それは、定番モデルとなったインプレッサWRXSTiの新作でしょう!
 
SUBARU IMPREZA WRX STi
今年デビューした3代目から、セダン&ワゴンという構成から5ドアHB一本に絞るという冒険に出たスバルですが、やはりその反応は賛否両論、というより否定派の方が多いようで、その影響がSTiモデルにどう及ぶかが気になるところですが、その姿は正にWRC直系の戦闘マシンそのもの!

最近のWRCは、ハッチバックスタイルのマシンが主流となっており、スバルもそんなラリーのトレンドに乗っ取った形でこのボディ形状を選んだのでしょう!そして、走る為の機能を詰め込んだ新型は、やはりSTiならではの迫力を秘めた仕上がり!特に18インチのタイヤとエアスクープを組み合わせた足元の迫力は、機能性の中に美意識さえも感じさせてくれます!

ただ、明日紹介するインプレッサ最大のライバルでもあるランエボ同様、テーマは「脱・戦闘機」だそうで、いかにも「戦闘機」だった先代からすると、やはり大人しい感じがします。室内も本革コンビシートを採用するなど、落ち着いた大人向けに舵取りを行ったモデルの評価や如何に?
その一方で、正真正銘の「戦闘機」もしっかり展示されていました!

正に来年のWRCを闘うモデルがコレ!おなじみのWRブルー(だったっけ?)に身を包み、大型リアウイングを装着した「弾丸ライナー」のイメージも漂うこのマシンで、再び頂点を目指します!故に「限界性能」と「商品価値」の両方を磨く今後のSTiモデルの熟成過程を見守って行きたいと思います!
 
SUBARU EXIGA CONCEPT
実は今まで、スバルオリジナルで3列シートを持ったモデルは、何度かは出たもののほとんど僕達の記憶に残らないものばかりでした。
(トライベッカB9という、市販化が待ち望まれていた3列シートのSUVは、アメリカでは発売されているのですが・・・)
そんな中、正に市販化を前提に作られたコンセプトモデルとして持ち込んで来たのがコレ!

とてもスマート&スタイリッシュ!しかも、ワゴンを作らせたら右に出るものがいない程の絶対的ノウハウを持つスバルが生み出す低床タイプのミニバン(というより3列シートのワゴン、と言うべきか?)の仕上がりは、きっと多くのファンを獲得するにふさわしいものになると思います!

そしてこのモデルが、次期レガシィの開発にも大きな影響を与えるかもしれません!エクシーガでトライしている技術やパッケージングが、そのまま活用されることもある!そういった意味でも、このクルマの今後の動向は要注目です!

 
さすがは世界的リーディングカンパニーだけあって、いろんな提案を盛り込んだクルマがたくさん!しかし、特にトヨタブースにおいては、東京モーターショーで出展されたコンセプトカーのうち、注目していたものが出展されてなかったりと、少々不満が残ったのも事実。だから間違えて写真を消してしまったのかもしれません。その一方で、レクサスとダイハツの出展車が非常に興味深かった!故にグループトータルで見れば、やはり見所満載と言えそうです!
 
明日は第3弾。マツダと三菱、そして、「富山の小さな夢工房」から生み出された究極のファンカー(?)を特集します!