週8ドルの使い方


面白かったので一部訳してみた。


Real Time Economics : How $8 a Week Can Best Boost the Economy




一番経済を拡大する週8ドルの使い方は?


火曜日にオバマ大統領が署名した景気刺激策には、給与への課税が向こう2年控除される総額1,160億ドルに上る定額減税が含まれている。この減税は大半のアメリカ人の給料に週8ドル追加することになる。さて、もし毎週追加で8ドルを手に入れたとしたら、なににそのお金を使うべきだろうか?そしてその理由は?われわれは経済学者に質問してみた。

ロバート・ゴードン(ノースウエスタン大)
8ドルで映画に行ってはダメだ。それじゃ雇用が生まれない。3週間貯めて24ドルの食事に行こう。そうすれば、そのレストランがレイオフしたりつぶれたりするのを直接的に防ぐことになる。
マーチン・フェルドスタイン(ハーバード大
僕は人々がよき市民であろうという動機に基づいて消費の意思決定をするとは思わないけどね。もし彼らがこの8ドルが永続的な増加だと思えば、その分全体の予算に加えるだろう。でも、彼らはこのお金は一時的なものだと考えて、借金を返すのに使ったり、銀行に預けたりといった用途に使うっていうオチになるんじゃない?
トーマス・フィリポン(ニューヨーク大スターンスクール)
戦略的に考えたりせずに自分の必要なところにこの8ドルは使わせていただくよ。戦略的になると今より市場をゆがめてしまうだけだからね。ただし一つだけ例外がある。それはエネルギー効率に関してだ。この分野では市場の価格はどのような場合でも割安になっている。だから、僕としては自分の家の断熱とエネルギー効率改善に使うのが一番かな。こうすれば今回の景気後退でダメージを受けた建設業界にもいいしね。
ジェイムス・ハミルトン(カリフォルニア大サンディエゴ校)
みんなが急にリスクテイクをすることを控えるようになってしまったので、金融システムの一部が麻痺している。しかし今こそ抜群の投資機会が到来しているし、そして国民がこのチャンスを活用しだせば、それがアメリカの回復となる。私のアドバイスはこうだ。経済全体とあなた自身の経済的な成功の両方のために、毎月少しの金額でいいから今日から株への投資を始めるべきだ。
タイラー・コーエン(ジョージメイソン大)
僕の意見では、現在の景気を刺激することよりは銀行セクターを立て直すことのほうがが最重要課題だと思っているので、もしちょっとくらいなら損してもいいかなと思う人は、(破綻しかかっている)でかい銀行にいって、一番割高な金融サービスを見つけてそれを可能な限り買おう。こうすれば、あなたもアメリカの金融システムに資本注入をしたことになる。何を買っていいかわからないという向きは、別の銀行でATMを使い続けよう。そうすれば小額のお金を口座から下ろすだけで、高い手数料を払うことができる。もし必要なら引き出したお金をもう一度自分の口座に戻して、このプロセスを繰り返してもいい。
ジャスティン・ウォルファー(ウォートンスクール)
資金繰りに困っているスープ屋を見つけよう。そのお店がリストラをしようとしていたら、あなたのもらった8ドルの減税分は、まさに追加的な8ドルスープ一杯分の消費を生み出す。よいケインジアン学者ならこの追加的に支出された8ドルは乗数効果によって、さらなる景気刺激策になると指摘するだろう(対照的に、大学へ寄付しても目減りした基金を下支えするくらいにしかならないから景気刺激効果は低い)。しかしもっと重要なのは、あなたが空腹を満たすために使った8ドルは、食品への支出が急落し、失業率が上昇している現在、本当に支払った分の価値があるお金なのだ。
イーサン・ハリス(バークレイキャピタル)
散髪に行こう。これは高い付加価値を生み出す純粋な内需である。そして散髪は国外への流出が一切ない購買を意味する。これこそあらゆる貿易協定に違反しない「バイアメリカン」だ。そして高い付加価値を生む産業は雇用創出にも高い効果がある。最終的には、8ドルでの散髪は(100ドルの美容室とは違って)低所得の散髪屋にやってもらうことになるだろう。そして低所得の人たちは8ドルを貯金するよりは消費に回す傾向が強いので、この8ドルは二次的な支出効果を生み出す。こうやって景気回復を進めていこう。
ポール・カスリエル(ノーザントラスト)
新規に発行された資産担保付証券のヘッジファンドをはじめるために使おうかな。もちろんFRBのTALFを見込んだポジションに投資するよ。
リカルド・ライス(コロンビア大)
このお金は自分と自分の家族のために一番だと思うことに使うべきだ。貯金してもいいし使ってもいい。あれを買う、こっちの支払いに使うでもいい。自分のもっとも関心のあることにお金を使うことは、普通経済にとってもっともいいことだから。(もしそうじゃなかったら、経済政策担当者はあなたに8ドルを与えるか否か、またどのようして与えるかを決定した時にこのことを理解しておくべきだった。まあつまり欲しいものを買うって言うのが、みんなに対して一番の方法なんだよ)
リチャード・セイラー(シカゴ大ブースビジネススクール
その人の状況によるというのが答えだ。クレジットカードを一杯もってたり別の形での借金を抱えてたりしたら、それを返済するのに努めるというのが一番の優先事項であるべきだろう。幸運にもお金には困ってなくて、しかも愛国心に満ちたお金の使い方を望んでいるのであれば、「自宅インフラ」への投資を勧める。職を失った建設労働者があふれている。自宅のエネルギー効率をよくするための工事を入札にかけよう。これはこのご時世で割のいい投資案件だし、これで数人に職を与えることができる。
ケン・カットナー(ウィリアム大)
416ドル(一年間でもらえる額ね)あれば、雨漏りのする天窓を修理するには十分だ。そしてこれは経済を刺激するいいやり方だ。これは非貿易財の耐久消費財であり、そしてたぶん、この財を生産している産業は現在困っている分野だからだ。あ、貿易財を消費しても別にそれが間違いってわけではないからね。念のため。
ロバート・シラー(イェール大)
タクシーのチップをはずむのに使うってのはどうかな。タクシーの運ちゃんはいろんな人を乗っける。特に忙しいビジネスマンが多い。気前よくチップを払えばタクシーの運ちゃんも気分が明るくなるし、そういった景気のいい話を数多くのお客さんにも言ったりするだろう。そうすれば失った自信を取り戻す助けになる。もしタクシーには乗らないというのであれば美容師にチップをはずんでもいい。美容師も多くの人と話す商売だからだ。そしてチップをはずむというのはアメリカ人はお互いを思いやる国民だと感じる助けになる。決して金持ちだけに対してだけじゃないってことを。

で、オチはマンキュー先生。

グレゴリー・マンキュー(ハーバード大
いい経済学の教科書を買うってのはどうだろう?(編集注:この本の著者たちは、より効果的に景気を刺激するような印税に関する高い消費性向をこの本の著者よりも持っていただろうか?)


ちょwww編集注wwww


追記:なんかリンクの色がわかりにくいのでネタばれ


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Principles of Economics, Brief Edition

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