教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する

まだ読みかけの本ですが、教育に役立つ面白い考え方があったので、引用します。ゴールデンウィークに勉強をする人は参考になるかもしれません。

教育×破壊的イノベーション~教育現場を抜本的に変革する

教育×破壊的イノベーション~教育現場を抜本的に変革する

知能と学び方について再考する。
ハーバード大学の心理学者ハワード・ガードナーは、多元的知能の分野の先駆的存在である。ガードナーが「多元的知能理論」を初めて紹介し、多様な知能という考え方を提唱したのは、1980年代初めのことだった。ガードナーによる知能の定義と分類方法を簡単に見ていこう。かれは人によってなぜ得意分野が違うのか、どうすればその違いに合わせて学習経験を調整できるかを示した。ガードナーは知能を次のように定義している。

  • 実生活で遭遇する問題を解決する能力
  • 解決すべき新たな問題を考えだす能力
  • 自らの分化の中で尊重される物やサービスを生み出す能力

この定義は、IQ値という狭い定義を逃れる。ガードナーは知的能力を研究するうちに、観察可能な知能が、かれの分類方法の中で独自の地位を与えられてしかるべき重要な知能かどうかを判定するための判断基準を確立した。かれの基準は、「それぞれの知能は発達的特徴を持ち、特定の母集団、例えば神童や”サヴァン”に認められ、脳の特定の部位に存在するという何らかの証拠を示し、象徴システムまたは表記システムを裏づけるものでなくてはならない」というものだ。この考え方を基に、ガードナーは当初七つのタイプの知能を提唱した。その後、このリストに第八の知能を加え、さらに二つの知能を検討した。


ガードナーの八つの知能の簡単な説明と、それぞれの知能に優れた典型的な人物を挙げる。

  • 言語的知能 言葉で考え、言語を使って複雑な意味を表現する能力。ウォルト・ホイットマン(詩人、随筆家)
  • 数学・論理的知能 計算や数値化を行ない、定数や過程を考慮し、複雑な数学的操作を行なう能力。アルバート・アインシュタイン
  • 空間的能力 三次元で考え、内的・外的イメージを認識し、さまざまなイメージを再現、変換、修正し、自らまたはものを使って空間を航行し、図形情報を生み出す、または解読する能力。フランク・ロイド・ライト
  • 運動感覚的知能 物体を操作し、身体的能力を微調整する能力。マイケル・ジョーダン
  • 音楽的知能 調子や和声、音律、音色を聞き分け、生み出す能力。ウォルフガング・アマデウスモーツアルト
  • 対人的知能 他者を理解し、人間的関係を巧みに築く能力。マザー・テレサ
  • 内省的知能 正確な自己認識を確立し、その認識を基に自分の人生を計画し、方向づける能力。ジークムント・フロイト
  • 博物学的知能 自然におけるパターンを観察し、観察対象を特定、分類して、自然体系や人工の体系を理解する能力。レイチェル・カールソン

これが指導や学習とどのような関係があるのだろうか?教育方法が生徒の知能や適性とよく調和しているとき、生徒はより簡単により意欲的に理解することができる。言い換えれば、自発的動機付けを持って学習することができる。本章の冒頭のミニドラマで言えば、教師が論理的、数学的な方法で教材を教えたとき、ロブはなかなか理解することができなかった。このタイプの知能をかれが得意としていないことは、ほぼ間違いない。かれの同級生のマリアは論理・数学的知能に優れているため、即座に理解した。だがロブの父親が同じ概念を、かれの学び方と調和した空間的な方法で実演してみせたところ、かれはそれを理解したばかりか面白いとさえ感じたのだ。

知能には種類があり、得意不得意があるということです。自分に合う知能を使うと上達が早い。あなたがよく使う知能はどれですか?それがあなたの知能の特性ですね。

そして、知能を

  • 実生活で遭遇する問題を解決する能力
  • 解決すべき新たな問題を考えだす能力
  • 自らの分化の中で尊重される物やサービスを生み出す能力

これらの能力のどれか(あるいは全部)に結びつけることを目指せばいいですね。知能が8で能力が3なので、24通りの組み合わせがあります。

自分の得意・不得意を知っておくと将来設計に役立ちます。おのれを知るということです。


松浦彰夫 拝


人気ブログランキングに参加しています。下記リンクのクリックをお願いします。
人気ブログランキングへ