環境モデル都市、下川町のナスケンさんに聞く地域ぐるみの森林活用術

あんじゅです。
ずいぶん、報告が遅くなってしまいましたが、
9月25日に北海道下川町のナスケンさんから、
森についてのお話をいろいろうかがいました。

こんな内容です↓

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〜環境モデル都市、下川町のナスケンさんに聞く
地域ぐるみの森林活用術〜

環境モデル都市であり、森林を使ったまちづくりの取り組みが
先進的な北海道下川町でご活躍のNPO法人森の生活の代表
奈須憲一郎氏(ナスケンさん)をお招きして、下川町の取り組み
トランジション運動の情報交換会の場を設けました。

奈須氏は、1999年に下川町へ移住後、役場や森林組合に勤め
ながら、地元とのつながりを深め、北海道モミを間伐した枝葉を
利用したアロマオイルなどの製造、販売を事業化されたり、
森林療法や林業体験などをプログラム化されたり、各地で講演
活動をされたりと、森の多面的利用や地域づくりを中心にご活躍
されています。

最近は、町営の宿泊施設の一部のパーマカルチャー菜園化を
手がけられたり、森の幼稚園や環境教育にも力を入れるなど、
森林を巡る幅広い分野へ活動を広げられています。

また、下川町は去年8月、政府が選定した「環境モデル都市」
6都市の一つであり、先進的な森林経営や木質バイオマス
エネルギーの活用に取り組むと共に、「クラスタ事業」という
多彩なアイデアによる町づくりを官民一体となって進めている
ことでも知られています。

参考)ナスケンさんのインタビュー記事

■ スケジュール

16:00〜18:00くらい
トランジション藤野・相模湖と下川町ナスケンさんの交流会
・下川での取り組みのお話(森林関係のお話)
トランジション藤野の取り組み
トランジション相模湖の取り組み

19:00〜21:00くらい
コモンミール(みんなでご飯)
*食事は一品持ち寄り

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ナスケンさんとの出会いは、3~4年ほど前。
日本ホリスティック医学協会の会報誌に
パーマカルチャーの記事を投稿したことをきっかけに、
私の北海道出張の際に、会うことになりました。
そして、私が仕事でお世話になっている赤坂溜池クリニックの
降矢先生とナスケンさんが、ともに森林療法の実践者として
活動していることもあって、森林療法を介してのつながりもありました。

ナスケンさんは下川町のヨックルという施設の庭で、
パーマカルチャーガーデン作りもはじめています。
今年の5月に私と主人は、ずっと訪問してみたかった下川町を訪れ、
たくさんの魅力的な人たちを紹介していただき、
素敵な場所日連れて行っていただき、
そして、トランジションタウンのお話を、
ナスケンさんの仲間の皆さんにお話させていただく機会を得ました。

*ナスケンさんの運営するNPO法人森の生活
http://forestlife.dreamblog.jp/

その時に、9月に関東に来る機会があるので、
是非相模湖を訪問したいという申し出を受けました。
一方の、相模湖や藤野は森がたくさんあり、
森林を利用した教育などにも積極的な方たちもいらっしゃるので、
是非、ナスケンさんのお話をみんなで聞けたら、ということと、
トランジション相模湖と藤野の皆さんと交流できたらということで、
今回の会を企画しました。

次の日には、森林療法協会の大会もあり、草津へ出かけなければいけないという
ハードスケジュールの中、25日はお昼すぎに相模湖に到着されました。

それから、藤野の里カフェでランチ→パーマカルチャーセンターの畑見学
→パーマカルチャーセンターでの交流会とコモンミール
という感じで、予定いっぱいな1日となりました。

最初は、トランジション藤野と相模湖の活動をこちらからプレゼン。

藤野では今、地域通貨とてんぷら油カーが盛り上がっているそう!

一方、相模湖では五右衛門風呂作りが今熱い所!

地域通貨についてはナスケンさんも下川で取り組んだことがあり、
うまく行ったこと、行かなかったことなどについての意見がかわされました。
藤野のほうでは通帳方式の地域通貨を検討していて、
「でも、マイナスが重なった人がもし逃げちゃったらどうするの?」
というメンバーからの質問に、地域通貨の講師をやってくれた人が、
「だれも困る人は無いからいいじゃない」と言ったそうです。
地域通貨の詳しいことは、以前NHKで放送された、
エンデの遺言」がわかりやすいと思います(書籍もでています)が、
藤野のブログにも、ワークショップの報告がありますので、
関心がある方はどうぞ!
http://blog.canpan.info/team-80/

そして、ナスケンさんからは、環境モデル都市としての下川町の取り組みのお話がありました。
林業を持続可能にする取り組み(FSC認証)、
バイオマスや地元材を使ったエコハウスの取り組みなど、
行政レベルならではの取り組みの紹介から、
草の根的に、主婦達が取り組んでいるという「シモカバ」
の紹介などがありました。

モカバ、というのは、家で眠っているカバンや手提げ袋を、
街の商店やスーパーに設置して、マイバックを忘れたら、
それを使えるというシステム。
そして、返す時もどこに返してもいいのです。
http://ameblo.jp/harukoro-kikaku/entry-10326824056.html

私の日頃からの疑問で、なんでエコバックわざわざ買うの?
家にあまってるバックあるじゃん、というのがありました。
かわいいのとか、スタイリッシュなのを買いたいという
そこにはやはり消費欲求があり、なんだか矛盾なエコロジーと思ったりして。

なので、このシモカバの取り組みは拍手です!
私たちもすぐ取り組めそうですよね。

そして、こちらも関心の高い、森林療法や森林環境教育のお話もありました。
下川町の森は、林業の森ですが、手入れされて美しく良い香りのトドマツが
元気に育っています。トドマツは針葉樹の中で最もフィトンチッドが多い木です。
新芽のころに私たちは森に行ったのですが、緑のとても美しい新芽をみることができました。

森の中の教育の話では、子供たちの楽しい姿がとても印象的。
これから森林環境教育にも力を入れていくそうです。

参加者の皆さんからも、素晴らしい取り組みへの関心の声や、
相模湖・藤野でもそういうまちづくりがしたいという声がありました。

夜は少人数でしたが、持ち寄りでご飯を食べながら、
森のこと、トランジションのこと語り合い、
楽しい時間を過ごしました。

今回、参加したいけど予定が・・・という方からは、
また、相模湖・藤野に来て欲しいという声があったので、
こういう機会、またつくれたらなと思っています。

離れていても同じ方向をめざす人たちで情報交換したり、
語り合うことは、お互いに勇気づけられることになると思うし、
遠く離れた地に、同じ志の友人達がいるのは、
本当にいいことだなと思う今日この頃です。

安珠