軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

管制ミス?立場違えば…

土曜から日曜日にかけて、「自衛隊が守るべきもの」と題して大阪の「関西防衛を支える会」で講演してきた。東京八王子を出るときはそこそこ寒かったから少し厚着して出たのだが、3時間で着いた大阪は生暖かく、地下鉄に乗り換える時、少し迷って歩いたため、汗びっしょりになってしまった。とにかく人が多いので驚いたのだが、さくらシーズンで、“外国”からの観光客が多いのだという。スーツケースを引っ張って右往左往する人が多かったのはそのせいか、と後で知った。
到着したホテルの前も大混雑、考えてみればこの周辺は桜の名所だった…。


さて前回は、ドイツ航空機の墜落について書いたが、帰宅後の日曜夜は、徳島空港で、JAL機が着陸復航した!としつこく報じていた。
今朝の産経は「管制業務一人だけ」だったことを問題視していたが、一人であろうと二人であろうと、ミスはミスである。
海自側には弁解しようがないミスだが、日曜日には訓練しないということからくる気のゆるみだったろう。日曜であれ休日であれ、管制業務にあたる自衛官を二人にせよ!というのであれば、自衛官の人員を増やすのが先決だろう。人減らし、代わりに仕事増やしじゃ、いくら鍛えられた自衛官だといえ、油断することは避けられまい。

もっとも空自の戦闘機部隊では24時間スクランブル待機についているから、海自のような管制状況ではないが…


朝日はこの事態をこう書いている。
徳島空港松茂町)で、滑走路に作業車両があるのに自衛隊管制官が着陸許可を出すミスをし、日航機が着陸をやり直した5日のトラブル。国土交通省は、事故につながりかねない「重大インシデント」に認定し、6日に調査を開始した。通常は4人態勢の管制官が当時、1人しかいなかったこともわかり、空港の利用者らは離着陸への不安を募らせた。

徳島空港は民間と自衛隊の共用。管制業務を担う海上自衛隊徳島教育航空群によると、管制室では当時、1人だけが管制業務にあたっていた(以下略)≫


私が現役時代には、いわゆる“民間空港”を自衛隊は使わせてはもらえなかった。緊急事態下にあっても、拒否されることがあったから、空自パイロットはそれが身に沁みついてしまい、宮崎の新田原基地で天候急変で着陸困難になったF4数機のパイロットが、周辺の“民間空港”に着陸することなど想定外だったせいか、100マイル離れた築城基地に振り分けられ、そのうちの2機が燃料が切れて墜落したが、この時も「お粗末、ガス欠で墜落!」などとメディアでは非難された。
徳島空港は海自の管轄、民間機が乗り入れている三沢は米軍管轄だが管制は空自、小松も百里も空自が管制しているが民間機が乗り入れている。

其の昔、昭和60年5月28日に、いわゆる民間空港として沖縄県運輸省が管轄している那覇空港で、これの逆バージョン事故があったがこの時朝日はこう書いた。


全日空ジャンボと自衛隊機が接触那覇空港
28日午前11時14分ごろ、沖縄那覇空港の滑走路上で、着陸した直後の羽田発沖縄行き全日空81便ボーイング747機(乗員乗客222人)と航空自衛隊那覇救難隊所属のMU2機が接触した。機体の損傷具合などは不明。けが人はいない模様。
運輸省に入った連絡によると、全日空のジャンボ機は北側から滑走路に進入、滑走路端から約1キロの地点で、離陸しようとして地上滑走しながら誘導路から斜めに滑走路に入ってきた自衛隊機に気づき、右側によけようとした。しかし、ジャンボ機左翼外側の第1エンジンが、自衛隊機の右翼端に接触した。全日空機はそのまま自力走行し、駐機場に着いた…≫

≪当時報道された接触図、那覇滑走度幅は45m。接触を避けようと右に回避したら、ジャンボの主車輪は5・1m脱輪していなければおかしい。いい加減な図だが、こんな素人のイラストに、大方の国民は騙されるのである。しかもこの図では管制塔の位置がぼかされているが、自衛隊管理地区のすぐ右の□がそうだ。つまり管制官の目の前で起きたのである!≫


朝日の記事は“淡々とした”書きぶりだったが、この事故調査には、多くの疑念があった。
その前に、今回の徳島空港ではJAL機パイロットは、1000〜1500m前方の障害物(作業車)を発見して直ちに復興して難を逃れたが、これがパイロットの常識である。
那覇のジャンボ機パイロットは、駐機場に着くまで接触したことに気が付いていなかった。勿論記事や事故調査報告書には≪目視していたが触しないと判断≫して、「回避した」ことになっているが、事故調査報告書の会話記録を子細に読めば、接触直前まで、いや、直後も全く気が付いていなかった節がある。しかし「回避したこと」にしなければ機長の責任を問われる。
事故調査では無理して滑走路上に残っていたタイヤ痕などを回避したという証拠に挙げたが、いささか無理があった。
交信記録には、「滑走路に入ってきた自衛隊機に気づき、右側によけようとした」筈の機長が、その直後であるにもかかわらず、冷静な声で管制官に「ただ今着陸、駐機場は?」と交信していた。
管制官の方があわててMU2と交信するよう指示すると、のんびりとMUを呼びこんできたが、そこからの交信記録はいささか場違いなおかしな会話が書き残されている。第一、「間一髪接触を回避した機長」の冷静な会話からは、接触を予期して回避した“興奮”がいささかも感じられないのである。


この時も、今回のように大事に至らなかったから不幸中の幸いだったが、事故調査は平等にするべきである。
この時の最大の問題点は、二人いた管制官の二人ともそろって、離陸許可が出たと勘違いして誘導路から滑走路に進入しようとしたMU2機を見ていなかったのである。接触に気が付いたMU2が管制塔に事態を告げると管制官はMU2に対して「入ったのですか?」と聞いたものだ。

この時は、管制官は二人いたが二人ともほかのことに気を取られていたのであって、最大の責任は管制官にあるのだが、彼らのバックには、反自衛隊労働組合がついている。事故調査の不備…とまでは言わぬまでも、誰かが保身のためにいい加減な報告書を書くと、それしか後に残らないので教訓は生かされないから事故はなくならないのだ!。


現在、那覇空港は沖合に滑走路を増設して2本にし、空自戦闘機部隊も進出する予定だが管制業務の輻輳は避けられまい。しかも管制塔の位置も悪い。2本目の滑走路を使用する航空機は旧滑走路上を横切る必要がある。
今度は、スペインで起きた事故のような、地上で大型機同士が接触する惨事も起きかねない。

だから私は空自の増強部隊を下地島に展開させて、錯綜するであろう管制業務を阻害しないようにする必要があると強調しているのだが、航空運輸事業に疎い素人の方々の発想には、悔やまれる雫石事故や、御巣鷹山事故、そして今回のドイツ機事故のように事故が起きて多数の犠牲者が出るまで誰も手を打たないという欠点がある。


無責任体制極まれりと思うのだが、一度政府高官か国会議員らが巻き込まれないと気が付かないらしい。○○につける薬はない…というべきか。


ところで話は変わって、シナの習近平周辺には、不穏な空気が漂っているという。ただでさえも腐敗追及で、極悪非道な江沢民一派を排除しようとして始まった政争は、民主主義国国民の常識を超えているが、シナの退役軍人らが、生活苦で反乱を計画していて、本部を米国内におく退役軍人連盟が、世界各地の退役軍人に対して、習政権転覆計画を推進し始めたという。
指導者は元北京軍区対外作戦秘書長で、民主化要求者を集めているらしい。
元々武器の扱いには慣れた元軍人らである。武器の流れにも詳しいから、相当隠匿しているのではないか?
毛沢東トウ小平江沢民習近平と続く共産党指導者は、民衆のことなど考慮外で、人民の生活は少しも改善されず苦しい。
「退役軍人を中心に蜂起の準備をせよ!」「外国に住む者も、大陸に残るものも、立ち上がって自由のために戦え!」というから“義和団事件”の到来か?シナ独特の軍事蜂起に注目しておきたい。


ところで危険なのは習近平自身だけではないらしい。米国に住む彼の娘はハーバード大卒業後、人民日報海外版ブログの「学習小組」に、父親の側近と共に「銘則」のペンネームで反腐敗論文を連載しているとうわさされている。
習明沢の「明沢」と「銘測」は発音が同じだからという。


≪大学卒業時、22歳の習明沢とされている写真=インターネットから≫


習近平派は「娘はハーバード大学にいる…」と暗に暗殺をほのめかしているというから不穏である。習近平周辺では≪娘は安全のために父親の傍にいるのがいいのじゃないか?≫といわれているが、多くの人民は習近平に対して、「何が今頃“抗日戦勝記念日”だ!」「天安門事件の被害者遺族に対する謝罪の方が最優先だろう!」「国民党政府軍は腐ってはいたがまだましだった。八路軍はその間、日本と戦うことなく麻薬を作っていたじゃないか!」などと怒りの声がネット上に溢れているという。


だからというわけでもあるまいが、シナでは「わが国自身が建造した巨艦大砲時代を迎える」と宣伝している。
3月25日には中共海軍の最新鋭艦052D型の建造が進んでおり、すでに10隻完成したと報道された。
その10隻に暗するデータ-が掲載されているからご紹介しておこう。

≪052D型艦1号艦:172昆明号。海水の色が素晴らしい!!=インターネットから≫

≪052D型艦に関するデータ=インターネットから≫

他方ミャンマー国境周辺の雲南省では、ミャンマー政府軍と、果敢地区彭家声の同盟軍との衝突が激しくなっていて、最後の決戦に出たという情報もあるが、陸戦には≪昆明号≫は使えないから、早くも“混迷”しているのじゃないか?
そのうちにどんどん情報が漏れてくることだろう。


何が起きてもおかしくない国際情勢下にあることを思えば、習近平暗殺事件が起きないとも限らない。
わが国民は、連日垂れ流されている低俗なオチャラカ番組ばかり見ていると、世界情勢に追随できなくなる。これらもメディアの誤った?意図的な情報操作かもしれず、十分気を付けておく必要があろう。
そんな中で、例のご高齢の村山、鳩山、菅という素晴らしい元日本国首相様たちがひたすらアジアの平和のために自国を非難しておられる姿を見ると、何とも哀れで痛々しく感じる。


届いた本のご紹介
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次は本の紹介:以下は福岡で活躍している高校の同級生らが出版している本である。TVの人気キャスターだった明石君は退職後、趣味の写真が嵩じて?今や書籍のグラビアなどを飾っている。
その見事な腕前の彼の作品をご紹介しておきたい。

本は未読だが、地方再生は既に福岡から始まっている観がする。


戦闘機パイロットという人生

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大東亞戦争は昭和50年4月30日に終結した

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自衛隊の「犯罪」-雫石事件の真相!

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