三ヶ月以上前に買ってたのをようやく一通り聴いたんで


 古代祐三 / BEST COLLECTION vol.1
http://www.7andy.jp/cd/detail?accd=R0256070
もう今ではプレ値が付いている入手困難となったタイトルが、こうして再録・新録という形でリリースされるというのはとてもありがたい。収録されているタイトルは「アクトレイザー」「ミスティ・ブルー」そして全曲初CD化となる「ストーリー オブ トア 〜光を継ぐ者〜」の3タイトル。SFC黎明期においていきなり高水準かつ決定打を放ったと言われるアクトレイザーのオーケストラサウンドは、ファイナルファンタジーIVを開発中だった植松氏がそのサウンドに驚き、急遽音色を差し替えるほど当時としてはとても衝撃的なサウンドだったそう。そういや先日のEXTRAでも「歳は下だけど当時からスターだった」って言ったなあ。アクトレイザーで一番人気のある曲は多分"フィルモア"なんだろうけど、これはどっちかっていうと古代サウンドでよく例えられるポップンロール調の曲で、あまりオーケストラ的ではないんだよな。分かりやすいくらいにドラキュラサウンドへのリスペクトが垣間見られる曲になっていて。あと個人的には「ミスティ・ブルー」がリマスターされて復刻してくれたのが嬉しい。ダンスミュージック路線の古代サウンドが好きなので、その先駆けとも言える「ザ・スキーム」でも展開していたベタベタなユーロビート路線や、所々に80年代のトレンディドラマを思わせる、日向敏文のような時代を感じさせる展開が聴けるのはとても面白い。ゲームはやったこと無いんだけどね。これって恋愛アドベンチャーなの?詳しくは知らんのだけど。なお「ミスティ・ブルー」だけが聴きたい人はEGG MUSICで買った方が良いかもしんない。完全版らしいので。なにそれ!


 Lucky Soul / The Great Unwanted
http://ban-be.jp/item/detail.php?item=RUF05CD
確かにカーディガンズを連想してしまう、60年代のソフトロックあたりを掘り起こしたかのようなサウンドで、だけど思ってたほどリバイバル臭さが感じられないのは好感。Morr Musicあたりから出ててもさほど違和感ないような気がするほど、とても今っぽいサウンドに昇華出来てると思う。まあでもこういうのって誰が聴くんだろう。なんかおっさんしか聴かないような気がしてならないんだけどははは。おっさんってこういうのに弱いと思う。なので買った。つーか半分ジャケ買い


 the Postmarks / the Postmarks
http://www.thepostmarks.com/media.html
Lucky Soulがそこそこ騒がれるならこのthe Postmarksもわーわー言われても良さげなんだけどなあ。同じ様なレトロ系ガールポップなんだし。まあLucky Soulと比較してこっちは古臭さがモロなんだけど。つーか半分ジャケ買い


 Apparat / Walls
http://www.juno.co.uk/products/269313-01.htm
去年にEllen Allienと共作という形でリリースした「Orchestra Of Bubbles」のテクノなアルバムとはまた一転、ラップトップ系エレクトロニカミュージシャンが生音系をフィーチャー!っていう路線で、まあそういうのって大抵ポストロック的な乾いた素っ気のないリズムにシューゲイザーサウンドで仰々しく覆うようなトラックが予想されるんだけど、あーTiki ObmarっぽいなあとかThe Album LeafUlrich Schnaussだなあとか、もろにRadioheadっぽいのもあるじゃんとか、まあそういったわりと想定内な感じではある。そういうよくある傾向の作品で最終的に決め手になるのは、なにげないちょっとした「質感」だったりするんかなあと聴きながら思った。スネアの鳴り方とか轟音の厚さとかそういうの。ってそこかなり重要な要素だし核心だよなわはは。サウンドは鮮やかでサイケデリックなんだが、内省的なメロディラインと抑制の利いたブレイクビーツにより、なんとも言えない閉塞感のあるアルバムになっています。なんか湿っぽいの。嫌いじゃないです。


 Aril Brikha / Ex Machina
http://www.cisco-records.co.jp/html/item/003/105/item360519.html
このライヴ映像でも分かりますけど、数多いるデトロイト系のフォロワーと呼ばれる人のなかで、彼はまた随分と端正にサウンドを組み立てる人なんだなあというのがこのアルバム全体を通しての印象。シンセストリングスのメロディやパッド系の音色は確かにデトロイティッシュなマナーで単純にそれだけでグッときてしまうんだけど、キレイに纏まりすぎているせいか雑味の無さがちょっと気にはなったりする。でもフォロワーな作品としてはまさに待望の一枚であるのは間違いない。それにしてもKOMPAKTからリリースされてるこの曲ってデトロイト的というにはちょっとメロウすぎてタイプが異なるけど、これはこれで単純に好きだわー。


 Joris Voorn / FROM A DEEP PLACE
http://www.cisco-records.co.jp/html/item/002/105/item232660.html
前作「Future History」にあった"Incident"のようなベタにアッパーなトラックは無いけれど、前作以上にディープさと耽美さに拍車が掛かったアルバムだと思う。1曲目の"REVELATION"とそれに続く"A THOUSAND LOST SOULS"はアルバム冒頭を飾るのに相応しいスケールの大きさを物語るようなトラックはもちろん、中盤にある"MPX 309"のようなアシッド/ミニマルなトラックもひっそり挟み込まれていたりと、効果的にアルバムの流れに緩急をつけて各トラックを引き立てることに成功している「通して聴ける」一枚になっていると思う。それにしても前作もそうだったけどやたらと曲数を多めにするよなあこの人。


 Bjorn Torske / Feil Knapp
http://www.cisco-records.co.jp/html/item/003/016/item271441.html
北欧系のディスコ・ダブという路線は確かにあるんだけどLindstromのような感じでもなく、ディープハウスだったりアンビエントだったりと結構色んなタイプの曲が並んでるなあと思った。1曲目の"Hemmelig Orkester"なんてジャーマンプログレによくあるような浮遊感あふれるノンビートなシンセサウンドで、とくに5曲目の"Loe Bar"は揺らめくシンセのリフだけで気持ちよくなれる一曲。アルバムではこの曲が一番良いなと思った。アルバム全体としてはどの曲も共通してかなり淡くぼんやりとした音像で統一されている印象が強い。のんびり&ぼんやり。よく分かんないところではあの「スペランカー」をレゲエ・ダブなスタイルでカバーしていたり。なかなか斬新なアレンジだなとは思うけど何故スペランカーなんだ?(;´Д`)


 COM.A / Coming of Age
http://www.cisco-records.co.jp/html/item/002/119/item246479.html
初めて聴いたときはあまりピンと来なかったんだが、繰り返し聴くうちに味わい深くなってきた一枚。一見荒削りで攻撃的なビートが飛び交っているんだけど、そのどれもが整然と並んでいてとても繊細なトラックが多いんだなあと思ったりした。そういうのがブレイクコアって言うんですかね?相変わらずその辺あまりよく分かってませんが。アルバム前半の爆音映えするようなトラックも良いんだけど、後半のドリーミーポップと言っても差し支えのない、しかし比較的抑えの効いたメロディアスなトラックがとても良い。あとジャケットも良いです。今年買ったアルバムのジャケットワークでは一番気に入った。


 Thomas Fehlmann / Honigpumpe
http://www.juno.co.uk/products/267914-01.htm
スタイルとしては四つ打ちが基本となっていて、ときにダブ、ときにクリックハウスといった特徴的な部分は見え隠れするんだけど、そういった要素を全て飲み込んで昇華したような、まあ無駄のないシンプルなトラックの数々。抑制されたビートとベースラインがノイジーで幻想的なサウンドに処理された上モノを際立たせ、中毒性の高いディープで奥行きのあるアルバムに仕立てている。ホント今年のKOMPAKTは総じてハズレがないわー。


 MARIA / You Go! 〜We are MARIA〜
MARIAについてはそのうち。