【冷戦復活!】から見るアメリカ大統領選挙【拭えない人種意識】☆分

soesan2008-08-27

我がブログ読者の知性溢れる皆さん コンニチワ 腹巻です。
コーヒーはデミタスに限りますね。


【国際】8/25 日経新聞
・ロイター通信 世論調査ゾグビー 8/20付け
マケイン氏が民主党オバマ氏を支持率で5ポイント上回る。
46㌫対41㌫。
ギャラップ社の調査でも44㌫対45㌫で接戦の様相。



☆若さと変化【Change】を武器にヒラリー・クリントン候補を破り民主党の大統領候補に承認されたバラク・オバマ氏がここに来て共和党大統領候補マケイン氏に猛烈な追撃をされています。

この背景にある様々な要因をCP分析してみたいと思います。1つに候補者レースから独走してきたオバマ旋風の小休止があるといえるでしょう。
オバマ疲れ」なる言葉も生まれてきたようです。
それを現すかのように、具体的なゴシップも散見されます。


【社会】アメリカ月刊誌 バニティフェア
・アフリカに住むオバマと腹違いの弟ジョージ・オンヤンゴ・オバマケニアのナイロビで1ヶ月の生活費1ドルという極貧生活をおくっているのに、オバマは知らぬ顔をしている。

【社会】シカゴトリビューン AP通信
オバマが左翼系テロリストだったウィリアム・アイヤーズと極めて親密な関係にあると報じた。

【引用】ハドソン研究所 日高義樹
(日高氏は共和党寄りの評論家ということを加味しておいてください)


外交が未熟と言われるオバマは副大統領候補にジョゼフ・バイデンを選びました。
白人で上院外交委員長も務めたバイデンはオバマの弱点である外交を補う人事です。
しかし、副大統領候補に漏れたヒラリー・クリントン支持者の反発を買い民主党の分裂も支持率に影響しています。

次の次の大統領選を狙う女傑ヒラリーは民主党支持者に建前的な「団結」を求めますが、実際の姿勢はオバマに対し非協力的です。
次の大統領選で共和党のマケインが勝てば次の次の選挙では民主党候補が圧倒的に有利になるからです。

そして、予断を許さない情勢のグルジア・ロシア紛争


【国際】
・ロシアのメドベージェフ大統領は26日、グルジアから分離独立を主張する南オセチア自治州アブハジア自治共和国の独立を承認する大統領令に署名した。各国は一斉に反発した。同大統領はロシア地元テレビで「新冷戦を恐れていない」と発言、欧米との緊張が一気に高まる恐れもある。

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080827NTE2INK0826082008.html


「新冷戦を恐れていない」

ここがポイントです。
冷戦構造が復活すれば保守政党である共和党には追い風が吹きます。
核兵器の撤廃」を綱領案に盛り込むオバマ陣営には逆風となります。
マケインはG8(サミット)からのロシア排除も公言するほどの「反ロシア」の急先鋒です。



第三次世界大戦の危険な匂いは石油から漂う・・ 】のエントリーでお伝えしたように、アメリカは欧州諸国を巻き込み、黒海に軍艦を派遣しロシアを刺激してロシアもまたその挑発に乗っています。

(この新冷戦構造発言が緊迫したものか、茶番の出来レースかはアメリカ大統領選挙後に判明するでしょう。ただ資源エネルギーが絡む以上、外交戦略が終ることはありません)

内政問題(サブプライムローン・失業問題・医療崩壊)が焦点だったアメリカ大統領選挙が新・冷戦構造によって外交問題に焦点を移しているのです。
オバマが選んだ副大統領候補バイデンの動きを見れば一目瞭然です。


【国際】8/24 産経新聞


・バイデン氏は8月中旬、グルジアの首都トビリシを訪れた。サーカシビリ大統領からの招きに応じたものだが、他の有力候補が米国内にとどまるなか、外交に通じていることを内外に印象づけた。


なによりも、「ロシア」が相手というのは長年、冷戦構造が身体に染み込んだアメリカ人にとっては譲歩できない外交問題なのです。

これはアメリカ人の「保守回帰」を強烈に促します。
歴史の時計が逆行するのです。

☆コミューン・プロスペクタス(CP)ではオバマ候補の厳しい現状をこう分析します。


・冷戦時代のアメリカでもし「黒人大統領候補」がいたならばどうなるか?


新・冷戦構造が活発になればなるほどアメリカ人の保守思考が強まり「黒人」である、オバマには「冷戦時代の黒人への目線」が投影されてしまうのです。
オバマが「大物の白人」であるバイデンを指名したのも当然の戦略です。

25日の民主党大会のTV中継ではオバマ夫人のミッシェル夫人がオバマの【庶民的な】私生活を強くアピールしました。

「夫オバマは体臭が強い」「夫オバマは寝相が悪い」など。

そのミッシェル夫人も超1流の稼ぎを出すエリートであり「黒人」です。

前述の日高氏の記事によれば「オバマアメリカきってのセレブになった」
とあります。
バニティフェアなどで金銭に関するゴシップが出るあたりアメリカ大衆の認識はそうなのでしょう。

・冷戦回帰の中、「黒人」が有名になり潤沢な資金を持っている。

これらの妬み・やっかみ・嫉妬を意識してのミッシェル夫人の発言と分析します。
アメリカ人の「有名願望・セレブリティ」は日本人の想像をはるかに超えるものです)



21世紀になっても、いまだに冷戦(戦争)、人種問題が内政よりも台頭することはとても悲しいことであり、また人類の悲しい性なのでしょう。

しかし、オバマ候補がマケイン候補に勝つ要素は十分にあります。

ケネディニクソンの大統領候補戦のTV演説でケネディは「若さ」を戦略にし、ニクソンの「老い」を際立たせ、時代を変えた【Change】という歴史があります。

今後、マケインが「老い」を見せるような失点を犯せば、それはオバマにとって十分な反撃材料となるでしょう。そこをどう突くかが大統領選挙戦のカギです。


今後もCP分析を続けていきたいと思います。