日本語版セカンドライフが登場したらしい
■日本語β公開
自分が普段見ている範囲では非常に受けが悪いセカンドライフですが、ついにと言うかようやくと言うか日本語版が公開されたようです。まぁ、βなんですけどね。
ちなみに、この日本語版サイトは「jp.secondlife.com」となっていて、普通に「secodlife」でググると「[http: //secondlife.com/world/jp/]」の方が上に来てしまいます。そっちに行くと「英語版はこちら。今すぐはじめよう!」とか「日本語版、まもなく公開!」とか書かれていて、何だよ公開されてないじゃねーかよとか思ってしまうのでお気を付けて。
春頃に、仕事絡みで少し試したことはあるものの、個人的にはさっぱり惹かれるものがなかったSecondLifeですが、実際には日本語は使えるんですよね。Unicode対応したMSゴシックさえ入っていれば、翻訳は怪しいながらもメニューも日本語になるし、チャットも日本語で普通に出来ていました。なので、日本語βといっても何が違うのかはよく分かりませんが、正式に(βだけど)対応したというのはSecondLifeを盛り上げようとしている方々には大きなニュースのはずです。「正式に日本語版が出ればSLは一気にブレイクする!」という主張もよく見られたように記憶しています。
ところが、これがどうにも SLをやっている人々にもあまり認知されていないらしく、SL関連のサイトやブログを軽く覗いてみてもほとんど取り上げられていません。全く認知されていない訳ではないようですが、皆さん大して興味がないのかそもそも知らないのか、あまり反応はないようです。普段見てないから実際のところどうなのかは分からないけど。とはいえ、ニュースのタイトルに「ひっそりと」と出てしまうぐらいだから、認知度は高くはないのでしょう。
メディアに対して、リンデン・ラボから特別な告知がなかったこともあって、(日本語ベータも)「いよいよ登場」「まもなく登場」などと騒いでいたメディアも、まだほとんど取り上げていない状況だ。
とあるので、やっぱり日本語版のリリースは周知徹底されていなかったようです。実際のところ「日本語版」なのかも怪しいところですが(単に対応を謳っただけで中身は変わっていない可能性も高い)。そもそもワールドワイドな方の公式サイトでは日本語版はまだって扱いだし。ちょこちょこ調べてみると、今回の日本語β公開より少し前から、自分が触っていた3〜4月頃に比べれば日本語対応(というか国際化)は進んでいたようです。ずっとやっている人にとってはあまり明確な区切りでは無かったのかも知れません。
新しいユーザ層を取り込もうと思うなら、こういうところで盛り上げておかないとマズいんじゃないのかな…
■SecondLifeの現状
時を同じくして、INTERNET Watchでトラコスの説明会が紹介されていました。
メディアが取り上げるSecodLifeはバラ色のフィルタがかけられている感が強いのですが、この説明会はかなり冷静に現状を捉えているように見受けられます。まとめると、
- パブリシティ効果はあるけど、集客はない
- 参入企業が増えるとパブリシティ効果もなくなる
- 仕掛けを用意してもユーザは興味がなく、お金をかけてもムダ
- 相性のいい業種やターゲットの絞り込みなどの見極めが必要
といったことが述べられています。言ってしまえば、そりゃそうでしょ的なことばかりですが、こういう普通のことを参入支援企業が話すようになったというのは一歩前進と考えてもいいんじゃないでしょうか。
少し前にはTVでも取り上げられたりしていましたが、そんな時のウチの嫁の反応は「キモすぎる」と一刀両断でした。曰く、そんなことで現実逃避してないでちゃんと生活しろと。普通に生活してたら1日に何時間も仮想世界で遊んでいられる訳がないだろうと。まぁ、TVで取り上げられるような場面では極端なクローズアップをされるのが世の常なので、拒否反応が強いのは当然と言えば当然ですが、世間一般の反応としては遠からずといったところでしょう。
さて、そんなSecondLife。海外では受け入れられているようにも見えましたが、
企業のマーケティング担当者はSecond Lifeを見限り、撤退し始めたと言う。その理由の一つは、公式発表で800万人以上とされるSecond Lifeのユーザ数がひどく誇張されたもので、多くはサインインはするもののそのまま戻ってこないということのようだ。
という記事が出ているようで、あちらでも順風満帆とは行かないご様子。はてさて、今後はどうなるんでしょう。
■どうしてSecondLifeは風当たりが強いのか
自分自身は3D酔いするのと、時間の投資対効果がひどく悪いので恐らくこの先も(今のSLである限り)触れることはありませんが、こういうものが出てくること自体は歓迎です。新しく出てきたものを否定するのは簡単ですが、可能性が広がるのは非常にいいことです。例えその時点ではダメなものであったとしても、それがまた別の新たな可能性を生み出すことで化けるのはよくある話です。ペルソナウェアが無ければ偽春菜も生まれなかったことですし。はてなスターだってそのうちいい感じの着地点を見付けてくれればいいなと思います。
ただ、それにしてもSecondLifeに対する風当たりは強すぎるように見えます。ブログや2chを中心としたネット界がそうだからそう感じてしまうだけかも知れませんが、SLが好評なのはSLの中だけなんじゃないかと思ってしまうほどです。ここまで叩かれる理由を自分なりにまとめてみることにします。
作られた「流行ってる」感
ネットの世界では企業先導型のマーケティングは嫌われます。ユーザが指示することで発展していくことをよしとする世界では、流行を煽ろうとすると反発が起きるのはごく自然なことです。アルファブロガーなどの影響力のある人が先導する形になりつつあるWeb界も、必ずしもCGM的集合論が成り立たなくなっている気はしますがそれはまた別のお話ということで。
「数年後には当たり前になってるよ」論
一部の熱心な層が支えている現状では仕方ない気もしますが、SL推進派の人はこういう主張をしがちな印象があります。「SLやらないなんておかしいよ」的なスタンスで寄られると、拒否反応も起きようというものです。Webの世界では数年先のことなんて誰にも分かりません。ある日突然新しい物が出現して、瞬く間に世界を席巻するようなことが日常的に起こっている世界で「今はダメだけど数年後には皆これを使うことになるよ」的な論調は風当たりが強くても仕方ないでしょう。しかも何故か上から目線。
「IBM が、電通が力を入れているからSLは絶対に普及する」みたいな論調も聞かれますが、大企業が推したからといって必ずしも普及する訳はないですよね。「1つ 20万円の島を100個買えば島代だけでも200万円の投資が必要」なんて計算をしている人も見られましたが、自分がリンデンの人間だったらIBMが使ってくれるなら島代なんて取らないよなぁ、なんてことも考えたり。
「3Dだから進化してるよ」論
ゲームを語る上でもよくある「2D vs 3D」の論争です。3Dだからといって必ずしも優れているわけではない、ということで。しかもSecondLifeのグラフィックは少なくとも現時点では自慢できるようなレベルではないので、あまりそこを前面に出すのはよろしいないように思われます。
「SL的は新しい」論
仮想世界という発想自体は既に古典レベルですし、その中で物を作れるというのも正直目新しさはありません。自分たちが過去を知らないだけなのに「こんなの今まで無かったYo!」と喜ぶだけならまだいいのですが、それを必要以上に誇るのもよろしくありません。リンデンスクリプトも少しは触ってみましたが、自分にとっては「これで自由だと思えるなんて幸せな人たちだなぁ」という印象しかありません。
こんなところでしょうか。あまり否定的なことは書きたくないのですが、どうしてもあまりいい印象がありません。でもこれってSecondLifeが特別に悪いということでもないんですよね。自分がいいと思うものを人に話す時にこういった態度になっていないか振り返ると、反省すべき点も多々あるように思います。自戒自戒。
phpでCSSを動的変換する「Smart*CSS」をリリースしました。
CSSを構造化して記述できるようにする「Smart*CSS」をリリースしました。こいつを導入すると、
#content { p { margin:0; } ul { margin:10px 0; li { padding:10px; } } }
てな感じにCSSが書けるようになります。php+Smarty+mod_rewriteで動作します。プログラムを書ける人間にとって、CSSの記述というのは非常に面倒なのですが、これで少しでも楽に書けるようになれば幸いです。
しばらく前からこのブログのCSSなんかをこいつで書くようにしていて、それなりに(自分の書き方の範囲ですが)使えるレベルになってきたと思うので、公開してみます。よかったら試してみてくださいな。