マリス・ヤンソンス&バイエルン放送交響楽団@サントリーホール
指揮者のマリス・ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団の組み合わせは、ゲルギエフ&マリインスキーと並んでわたしの中で横綱格であります。
ゲルギエフは何度も見ているのに、ヤンソンス&バイエルンのコンサートは実は初めて〜!!のビッグイベントです。
バイエルンの作りだす音というのは、CDやDVDでもその繊細さと優雅さが伝わってくるものですが、ライブで聴いたときにはそれに柔らかさと温かさが加わってなんとも優しいとろけるような音なんです。
ブラームス:ピアノ協奏曲第1番 ニ短調 作品15 <ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン>
Brahms : Piano Concerto No.1 D minor Op.15 (Piano: Krystian Zimerman)R.シュトラウス:交響詩 「ドン・ファン」 作品20
R.Strauss: "Don Juan", Tondichtung nach Nicolaus Lenau Op. 20
最初のブラームスは弦楽器と木管中心なので特に柔らかく感じました。なので、最初はなんだかピアノと音の質が合ってないような違和感を感じましたが、2楽章の途中からは一つにまとまって素晴らしい演奏でした。
協奏曲というのは「オーケストラ&何かの楽器のソロ」の共同演奏なので、ソロの演奏をオケが支えるという構造になっている演奏が多いと思う。これほどひとつにまとまっている協奏曲を聴いたのははじめてです。
ドンファンはわたしの大好きな曲。この出だしにはいつも鳥肌が立つ!R・シュトラウスの華やかさにぴったりで、R・シュトラウスの演奏はこのコンビが一番好きかも。最初から最後まで聴きほれました。
ばらの騎士組曲は、ちょうど先週末に録画していたザルツブルク音楽祭の「ばらの騎士」のオペラを見たばかり。音楽だけでなく舞台や衣装がとても美しいオペラでしたが、その場面を思いだしながら聴きました。
R・シュトラウスの金管の独特な表現にもバイエルンの音はぴったりなんですね。
以前、ゲルギエフ&マリインスキーでドンファンを聴いたことがあります。緊張感があってシャープで、華やかな色彩感のある音。今年のNHK音楽祭でのサロメなど緊張感のあるシュトラウスの曲にはゲルギエフたちの音もすごく合う。
同じシュトラウスでも、「ばらの騎士組曲」や「ドンファン」は、バイエルンのような柔らかく華やかな音もいいなあ。
大好きな曲をいろんな指揮者やオケで聴き比べてみるのも、クラシック音楽の楽しみのひとつです。
ヤンソンスはちょっとお疲れのようで足も痛そうで、何度もカーテンコールは気の毒でした。なのに、サイン会まで!?すごいなあ。わたしは今回は泊まりではないので断念。(サインが欲しいかっていうとそうでもないかも)
今回のコンサートでのもうひとつのお楽しみは、バイエルンのコンマス、アントン・バラコフスキーを見ること!DVDでみては、少女漫画に出てくる王子様みたい〜〜!とうっとりしておりました。
なにをどうやっても素敵なんですよねえ。
彼がソロパートをひくときなんて、後ろに薔薇がたくさん飛んでますから!!
アンコールの「ルーマニア協奏曲」知らない曲でしたが、バイオリンのソロパートがあり、すごい、すごい!バイオリンでこんなことができるなんて!!と感動しまくり。
あー、今日も生きていてよかったと思える一日でした。