ブログパーツ&読書術


 あれ? UNIQLOCKブログパーツ、昼間は図書館でおなじみの四人組の新ヴァージョンだと思ったら、なんか夜は新四人組? しかも前の四人組の白木あゆみ嬢だけでているような気が? 8人に増えたのかな? (追記)あ、1時間交替なんだ


 さて「田中は速読術を体得しているのですか?」という質問を複数いただきましたので、すでにsunafkinさんにコメント欄で応答しましたが、ついでに佐藤優氏の読書術を紹介。彼の『週刊東洋経済』の連載「知の技法/出世の作法」はめったに記事を切り抜いて保存しない僕にしてはめずらしくほぼすべてとってある。

 彼はそこで速読法として

1 基礎知識のない本は速読できない→基礎的知識を得る本を熟読してないと速読は不可能
2 目次、まえがきのざっと見。筆記具とぽすといっとの利用(僕も実は同じだけども面倒だと折る)。重要箇所は線で囲む(これも同じ。面倒だと頁の半分を折ったり、重要な箇所は二重折)*1
3 速読そのものではないが、記憶補強と知識体得のためにコメント&抜書きをノートに(僕はこのブログに! 笑→これをやるとブログ読者は限定されてくるので冷却効果の点でもいい。)。

 他にはコメント欄で書いたけれども、眼の動き、問題意識というよりも読書している動作の中で自分がいまどの位置を読んでいるかを意識しておく、パターン認識などがあるかもしれない。ちなみにいままでの一日の最高記録は200ページのを10冊超ぐらいかなあ。それぐらいは凡庸な速読能力なんじゃなかろうか?


 それと読書術の本でただひとつ参考になったのは、以下の本。


読書術 (岩波現代文庫)

読書術 (岩波現代文庫)

*1:図書館の本折る不届けものがたまにいるが絶対やらないように。不思議と身銭をきった本ほど理解するものなのである。図書館の本は読むよりも「見た」程度の利用の仕方がいいと思う。必要ならば当該箇所だけコピーする程度がベスト。なお「不届けもの」についてはこのやりとり面白しhttp://q.hatena.ne.jp/1125421828

本山美彦『金融権力』


 ケインズの不確実性がサブプライム危機に直面する世界経済を覆っている。しかしこの危機は今般のグローバリズムの進展が必然的にもたらした、リスクテイキングの行き過ぎ(投機経済)に基づく。この投機経済のイデオロギー的背景は、ミルトン・フリードマンを中心とするシカゴ学派経済学にある。しかもシカゴ学派経済学はノーベル経済学賞というノーベル賞ならぬ制度によって権威付けられている。この金儲けや投機に走る、「ワシントンコンセンサス」=金融権力の申し子たちをいかに規制するかが課題だ。そのためには生産のため、生活のための金融のあり方が必要である。参考にすべきは、人民銀行、NPO銀行、グラミン銀行、ESOP(従業員持株制度)などである。これらによって「労働によって得られるはずの人間社会の意義」を回復し、「「自由」の美名の下で金融ゲームに走る金融権力」を規制すべきだ‥‥‥以上が本書の主張である。読書に要した時間、約10分。


金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス (岩波新書)

金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス (岩波新書)


 本書には若田部昌澄さんが『経済政策形成の研究』の中で、認知バイアスとして列挙した、1)反市場バイアス:市場で需給関係で価格が決まるのではなく、「儲けよう」とする企業の「強欲」が価格や市場の成果に反映されていると解釈する。2)反外国バイアス:外国との取引からもたらされる利益を過小評価し、むしろ外国との取引が国内経済を不安定化してしまうと理解する傾向があること、3)もの作り・仕事バイアス:「汗水垂らす仕事」が尊く、「雇用への影響」を過大視するバイアス。これは反面で技術革新やダウンサイジングなどを過大に評価する傾向とも結び付く。もちろんバブル経済批判(例として野口悠紀雄『バブルの経済学』参照)にも関連。4)悲観バイアス:文字通り悲観する傾向に思考がバイアス、を念頭にして本書を読むと早く読みこなすことが可能である。

以上。