春のおばはんまつり

saga


京都シネマに行ってきた。今日からイ・ビョンホンの「甘い人生」がスタートとのことで映画館はおばはんばっかりであった。イ・ビョンホンは「JSA」の演技がよかったのでチェックしときたい俳優さんなんだが、おばはんいっぱいの劇場はなあ。。おばはんは映画の最中でも喋るしね。こないだ「ひとまず走れ!」見てきた時もおばはんばっかりで横でずっとおばはんが喋ってる。若い奴らも厭だが年入っても社会通念がないおばはんってイヤね。とおばはん、おばはんと何回も書いておりますがあんまりおばはん、おばはんと書いてるとおばはんも気い、悪なるやろし。。なあ、おばはん。「甘い人生」ですが本人が代表作だと自負するように黒社会を舞台にしたヤクザ映画らしい。行きたいんだが、おばはんがなあ。。(また言うてしもた)

「カナリア」を見てきた

で何を見てきたか、と言うと「カナリア」なんであります。塩田明彦の映画ってのははずれがないですな。「害虫」に比べると後味はいいですが、やはり頭一つ抜けてる。最も次回作が気になる映画監督の一人です。濃厚なつぐみのレズシーンもあるよ。主演の石田法嗣谷村美月は平成生まれ。我々が年食うわけだ。いつかは雑誌に「昭和生まれは燃えないゴミ!」とか書かれるんだろう。谷村美月ちゃんはしんどい役でしたがよく頑張りました。西島秀俊はいるだけで映画に深みが出るような俳優になってきた。昨年から出演作がラッシュだ。

「銀色の道」よかったなあ。。サントラ買おうかしら

このサイトで聴けるよ
↓ ↓
http://www.hi-ho.ne.jp/~momose/mu_title/ginirono_michi.htm

書けば!なるほど、パイロット♪パイロット♪

実はパイロットのCMにハマっているというか相武紗季にハマってるんだけど。はじめ見た時は本上まなみだと思ったぞ。「Beat Kids」はやっぱ見ておくべきだったか。

http://www.pilot.co.jp/tvcm/index.html

相武紗季 2005年度 カレンダー

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ビートキッズ オリジナル・サウンドトラック・アルバム

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【瑳峨三智子主演】こつまなんきん〜わしのかわいいこつまなんきんや〜

 今日、紹介するのは「こつまなんきん」。河内出身の坊さんで後に参議員にもなった今東光の原作を映画化したものです。河内を舞台にした小説が得意で「悪名」が有名で勝新太郎主演で映画化されて大ヒット作になったことでも有名ですね。この作品も河内が舞台で河内女を生き様を描いています。言うならば、河内版「風と共に去りぬ」。嘘やごわへん(船場言葉)ホンマだっせ。

 こつまなんきんというのは西成の玉出で取れたかぼちゃの名前で漢字は勝間南瓜。果実は小さいのですが、味のよいかぼちゃで実がしまっている。それをさして小づくりでムチムチっとした女の子を河内では「こつまなんきん」と呼んだそうです。今で言うと。。矢口真理みたいな女の子か?

 河内のある村でのお話。盆踊りの夜に「こつまなんきん」とあだなされるお市(瑳峨三智子)は地主の息子の達吉(藤山寛美)に強引に犯された。達吉は良家の娘との婚約が決まっていたのに、勢いで犯してしまったのだ。腹を立てたお市は達吉の結婚式に乗り込むと全てを破談にしてしまう。当然、達吉の親父である永之助(アチャコ)は大激怒、が、そこは商売人でお市の父親(菅井一郎)が急死してしまうとお市と達吉を一緒にさせて家を乗っ取ってしまう。河内のもんは転んでもただではおきない。それはお市も同じこと。お市は自分の霊感を頼りに天理教に続けとばかり、宗教を起こす。いいことばかりでなく、厳しいこともズバズバ言う(細木数子みてえだな)ところに加えて、あの美貌。多いにお布施が集まった。相場師の多吉(曽我廼家明蝶)もその一人で熱心に通ってきていた。当初も達吉も喜んでいたが、増長していくお市に愛想をつかして去ってしまった。お市には小五郎(安井昌二)という好きな人ができていたのだ。

 ある日、永之助が蒸発してしまった。多吉に誘われて、相場に手を出したのが原因だった。海千山千の商売人に言いようにされてしまい、見事にすってんてん。家は破産で教団の財産まで差し押さえられた。永之助の妻のおみね(浪花千栄子)は発狂し、お市のせいだと言い募り、教団に火をつけてしまった。

 それから数年後。最愛の人、小五郎を探すために易者をしていたお市は多吉に再会し、小五郎の消息を知る。小五郎は小さな商店を営んでおり、お市が訪れると大変に喜んだ。が、お市を妻にするつもりはなくて店の二階に住んでもいいが、家賃を払えと言う始末。愛想をつかしたお市は、大金持ちになっていた多吉の妾となって相場に手を出し始めたが。。

 「こつまなんきん」を演じたのは瑳峨三智子。これは彼女あっての映画です。ぽちゃっとして色気たっぷりでどことなく愛嬌のある、いい女でございます。名女優、山田五十鈴の娘でしたが離婚して父親(山田五十鈴の最初の夫)に引き取られたので母親とはほとんど面識はありませんでした。やがて瑳峨三智子が女優になる際に清川虹子の計らいで二人は会いますが、山田は娘を新人女優として扱って芸能界の厳しさを諭したそうです。その後、二人は共演することもありましたが生涯、母と娘との関係が築けたとは言えません。スキャンダルにまみれながらも(実に6回も同棲、離婚を繰り返した)女優であり続けた母親に対して、瑳峨三智子はスキャンダルを起こすたびに仕事を無くしていった。派手な男関係に飽き足らず、薬物中毒、失踪騒ぎも起こした。安藤昇とも二年ほど同棲してたことがあったらしく、ヤクザ映画で共演もしています。1992年、クモ膜下出血のためにタイで客死。映画では色っぽくも気丈な女を好演。これと「江戸へ百七十里」のわがままなお姫様役がよかった。「イヤ!」とだだをこねて回りを引きずり回す。そうした役をやっても厭な女に見えなかったのは女優としての力でしょう。写真は「江戸へ百七十里」でお姫様をやったときのです

 展開がどんどん変わるストーリーが面白い。お市の激しい生き様にいろんな登場人物が色を添える。アチャコ藤山寛美の掛け合いが楽しい。因業な親父に世間を知らないアホなボンボンとのやり取りで「話がわかるな ムフン」と寛美の笑うシーンは傑作。浪花千栄子の狂いっぷりもステキだ。乙羽信子さんの愛らしさも健在です。ただ河内を舞台にしてる割には雰囲気が船場みたいで「悪名」みたいな早口の河内弁はあまり出てきません。松竹新喜劇の俳優が多いんでそうなったんかな。

 高槻松竹セントラルで見たのですがフィルム状態は最悪。フィルムの欠損はなかったけど、ずっと赤みがかっててカラーフィルムにはとても見えませんでした。ちなみに「こつまなんきん」は小ぶりでいい女という意味の他によく「しまる」女という意味もありますが、何がしまるのか、私にはさっぱりわかりません。

監督:酒井辰雄、原作:今東光、脚色:富田義朗、撮影:倉持友一
出演:瑳峨三智子、藤山寛美安井昌二アチャコ乙羽信子河津清三郎曽我廼家明蝶浪花千栄子、菅井一郎、小田切みき