芸術家の数(平成27年度国勢調査)

 平成27年度(2015年度)国勢調査に基づき、全国及び政令指定都市の芸術家の数を集計してみた。



 芸術家(著述家、画家、デザイナー、写真家、音楽家舞踊家、俳優など)全体の数は、京都市では、2010年度調査では8,630名、2015年度調査では8,320名で、310名(3.6%)の減。

 全国では16,830名(3.6%)の増、近隣の大都市(名古屋市大阪市、神戸市)でも増なので、京都市からは芸術家の流出が進んでいると言える。



 とりわけ「舞踊家、俳優、演出家、演芸家」は、全国では2,930名(5.7%)の増であるのに対し、京都市では330名(43.4%)の減と急激に減少している。

 KYOTO EXPERIMENTの開始(2010年)、アンダースローの開設(2013年)、あごうさとしのアトリエ劇研ディレクター就任(2014年)など、2010〜15年では、少なくとも小劇場演劇界隈では話題に事欠かなかったが、舞踊家や俳優の人口動態をプラスにする程の影響はなかった。

 一方、「個人教師(舞踊、俳優、演出、演芸)」の項目も、京都市では60名(15/4%)の減となっている。多くはバレエや邦舞の先生ではないかと思うが、例えば邦舞界で高齢化が進んでいることが一因なのかも知れない。



 全国で見ると、「彫刻家、画家、工芸美術家」が6,620名(21.2%)の増となっているのが目立つ。あいちトリエンナーレ、瀬戸内国際芸術祭が2010年に始まり、2010〜15年は国際芸術祭が定着から飽和に至る5年だったと言える。こういったことも影響しているかも知れない。



 20180312芸術家の数(国勢調査から).xls 直