修学院離宮

2日目のメインは修学院離宮。最近はネットで宮内庁に申し込むと抽選で参観が許されるようになった(比較的簡単)。参観者は40名ほど、ガイドは京都御所から来たという中年の男性で物腰柔らかで貴人の付け人のよう。御幸門といっても質素な柿葺の屋根に透し彫りの板戸、神社仏閣の山門とは大違い。寿月観という数寄屋造の建物。竹を割った軒樋が優雅。庭を出ると、比叡山に連なる山々に囲まれた中に田んぼ(棚田)が広がり、東を向くと京都の街が一望される。田んぼの中に3つの離宮(下離宮、中離宮、上離宮)が点在。なんとものどか。客殿(中離宮)は華美にならず趣味の良い佇まい、霞だなと言われる棚や襖絵(応挙 )もいい。上離宮は借景と池、木々の配置も素晴らしい。秋にもう一度訪ねたい。
御幸門

竹を割った軒樋

寿月観

山懐に田んぼが広がる

霞だな

鯉の襖絵(応挙)

窮邃亭 肘掛窓からお庭を眺めたのだろう

浴龍池 借景も素晴らしい

千歳橋 中華風の石橋

宮内庁の軽4トラック 庶民的なトラック

枳殻邸

タクシーの運転手に渉成園(しょうせいえん)と言っても通じなかった。枳殻邸(きこくてい)と言ってわかってもらえた。東本願寺の飛地境内の庭園、江戸時代初期の造営。喧騒の洛中にあって広い緑のお庭と大きな池。西門を入ると高石垣、アブストラクトな石垣が面白い。臨池亭、滴翠軒の直線的な構成が気持ちいい。回遊庭園は残念ながら印月池が工事中で水抜きされていて風情に欠けた。珍しい二階建ての茶室(蘆庵)で休んでいると風が爽やかだった。邸内は植栽が素晴らしい。朴木に大きな実がなっていた。枳殻邸の枳穀とはからたちのこと、生垣だったのでその名があるが今は土塀が囲む。からたちは門を入ったところにわずかに残されていた。最後の将軍 徳川慶喜は二条城よりこちらを好んだそうだ。味わい深いいいお庭だった。
高石垣

臨池亭 滴翠軒

数寄屋造と京都タワー

朴木の大きな実

枳穀 (からたち)

京都鉄道博物館

残った時間を京都鉄道博物館で過ごした。昔梅小路の転車台(機関車の方向転換する装置 ターンテーブル)のあったところ。立派な鉄道博物館が整備されて実物が展示されている。本館には53両の機関車・客車、扇型の車庫(転車台跡地)にSLが20両あり世界的な鉄道博物館だ。イギリスで訪ねたヨークのNRM(National Railway Museum)に負けていない。内容的にはNRMの方がレベルが高い感じがした。そういえばNRMはクラシカルなSLが多かったし、鉄道文化の資料が豊富だったなあ。短い時間だったのでじっくりは見ていられなかった。また来たい。
京都鉄道博物館 玄関

本館展示場

ディーゼル機関車 A

ディーゼル機関車 B

SLたち A

SLたち B

木曽川鵜飼い

夏休みの終わりに家族で犬山の木曽川鵜飼い見物に出かけた。夕暮れに犬山城のシルエットが影絵のように美しい。この間の落雷で片側のシャチホコが失われている。これまで2回も大水やらなんやらで中止の憂き目に遭っていて、懸案の鵜飼い見物。陽がすっかり落ちると鵜飼いが始まる。川面に出ると風が涼しい。舳先に赤々と篝火をたいて鵜飼い船。一艘に鵜匠たち3人が巧みに鵜と船を操って降ってくる。総勢3艘。これはなかなか見事なエンターテイメント。
芭蕉の句に
おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな
というのがあるが、まさにその通り。鵜匠の掛け声、手さばき、鵜の動き、闇と篝火・・・・。大きな感激が残った。
犬山城 片側のシャチホコがない Photo by Maki

木曽川の夕暮れ

鵜匠の挨拶と説明

鵜飼いが始まった

鵜は10羽 巧みな綱さばき Photo by Maki

篝火と鵜 Photo by Maki