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2017-02-12 本:新・観光立国論

[]新・観光立国論〜イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」 13:55 新・観光立国論〜イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」を含むブックマーク

人口が減少していく日本に必要なのは、「短期移民」だと著者が提案する。

「短期移民」とは、外国人観光客のこと。

できるだけ長い期間を日本で過ごし、多くのお金を落としてくれる観光客は、移民を受け入れる体質でない日本にとって、一過的に日本の人口を増やしてGDPをアップさせてくれるような存在となる。

日本人は、日本には観光客を取り込むための必須項目である「自然」「食べ物」「文化」「気候」の全てを備えている上に、「おもてなし」精神や治安の良さがあるから、「外国人が喜ぶに違いない」という自負さえ持っている。

ところが、これが大きな勘違い。

単なる内輪の自画自賛で、実際に海外から訪れた人たちの声に耳を傾けていないと説く。

ここまでの紹介を読んだだけでも、気を悪くする人もいるかもしれないけれど、本を読むと「なるほど」と思わざるを得ない個所が多い。


著者は、四半世紀も日本でアナリストとして活躍してきたイギリス人で、単に批判精神を振りかざすのではなく、本当に日本の将来を見据えての提言であることが、本の随所で理解できる。

茶道も嗜む(入門して茶名も持つ)著者は、欧米人と日本人の感覚を統計の数字だけでなく、習慣や文化も考え合わせて説いている。

ゴールドマン・サックスでアナリストとして勤務し、日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表して注目を集めた。

バブルがはじける前に、日本経済の債務を正確に見積もり、必要なメガバンクは3〜4つだけと分析したそうだ。

(この分析は、あまりにも当時の日本にとって都合が悪かったので、採用されなかったらしい)

現在は、国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社の会長兼社長。

日本の伝統文化を守りつつ、行政や業界へ旧習改革を提言しているそうだ。



例えば、日本のアニメや漫画は世界中で人気がある。

日本好きな若い外国人と話すと、「アニメが好き」と言ってくることがとても多い。

電車が分刻みで正確に到着することも誉められる。

でも、それらは観光の要素としては「おまけ」であって、とても大事ではあるけれど、主菜である「自然」「食べ物」「文化」「気候」が楽しめる状況でなければ意味はない。

「おもてなし」精神も同じ。

しかも、日本のサービスはかなりお店や業者目線であって、外国人の目には奇異に映ることが多いという事例を挙げている。

だんだんショックさえ感じてくる(笑)


交通費も高い。

先日、海外から来た友人がJRパスを購入して、日本での滞在に駆使していた。

約3万円で1週間、特急(乗車券+特急券...指定席もOK)や新幹線(のぞみは不可。他にも乗れないものが少しある...指定席OK)にも乗れる。

2週間用のもあるみたい。

これなら煩雑な切符購入のストレスからも解放されて移動できるよね。

著者が必要だと指摘するのは、こういう観点なんだね、きっと。

PASMOなどのカードもあるけど、そもそも切符売り場が外貨に対応しておらず、クレジット決済ができないという時点で観光大国とは言いかねると。

大自然のマチュピチュ行きの交通でさえクレジット決済に対応しているのに。

たしかに私自身が海外に行く時も「いざとなれば、カードを使おう」と考え、現金携帯を最小限に留めることができている気がする。

外国人目線の対応ができていなければ、いくら「おもてなし」精神を見せつけたって、観光地としての評価は低くなってしまうと著者は進言する。



更に、京都などの古都は外国人に大人気だけれど、観光地の魅力を最大限にアピールするガイドがあまりにも少ないことを挙げている。

ボランティアガイドを依頼するにしても、英語と中国語への対応は少しあるけど、他の言語となると、ほぼ不可。

そもそも日本の寺や文化には、見ただけでは分からない、説明されて初めて「そうなんだ!!」と驚かされるようなものが多い。なのに、その説明がないために、せっかく長いフライトを経てやってきても、箱のような室内とそっけない掲示の説明を読まされるだけでがっかりしたという声が多いとのこと。

文化財を見せてあげるのだから、そっと見て、記念撮影だけして帰ってねという気持ちが(日本人観光客に対しても)出てしまうのかもしれない。

著者は、拝観料や入場料を値上げしてでも、スマホの解説アプリを開発して、来場者がその場で自国の言葉で理解できるようにすべきだと言っている。

美術館や博物館で日本人も体験しているように、たしかに音声ガイドの力はすごい。

質問や更に知りたい気持ちも引き出してくれるよね。

たしかに他国の観光地では、3〜4言語でガイドツアーをしてる気がする。

外国人の観光本って、字がいっぱいで分厚いよね。

事前に勉強して、現地で「本当に知る」経験をしたいのだと思う。



富士山も「残念」なことの1つとのこと。

環境破壊につながる開発はできないけれど、登山の間をもっと快適に過ごせて、富士山の魅力を半減させない努力はできるのではないかと提案している。



オリンピックはもちろんのこと、イベントに来てもらいたいのであれば、現地の情報をもっと詳しく前倒しでwebサイトに掲載し、滞在をイメージできるようにするのも重要とのこと。

長い滞在をする観光客は、大体3カ月前あたりから計画を練り始めるそうだ。(私の場合、半年前w)


更に、日本には超高級ホテルがないことも指摘する。

海外で超高級とは、1泊400万円〜900万円のホテルを指す。

日本には、超富裕層がお金を落とせる場所があまりないという現実にもはっとする。



グローバルになったと思っていた日本が、まだまだこんなに思いこみをしていたんだと知って、結構ガックリくる。

でも、著者も言うように、それはまだまだこれから伸びることができるということ。


すごく納得する一方で、お金儲けのために既存の文化に手を加えることに積極的になれないという個人的な感情もあったりするのだけどね。

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2017-01-21 ラム男のつぶやきvol.71

[]vol.71お姫様ベッド 21:37 vol.71お姫様ベッドを含むブックマーク

名画にも映画にも出てくる天蓋付きベッド。


実はオレも使っている。

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ふっ。

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2017-01-02 日記:吉見百穴

uiui2017-01-02

[]吉見百穴 19:10 吉見百穴を含むブックマーク

埼玉県にある1300年前の横穴式墓群で、明治時代にやっと検証が始まり、当初はコロボックル人の住居だと考えられていたんだって。

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穴好きでトルコのカッパドキアにも行ってしまったワタシ、興奮中。(クリスマスに女性が一人で行く場所なのか?)

穴は家族などが追葬できるように、複数のベッド?があったり。

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当時すでに身分の高い人も「場所足りないから、古墳はやめようよ」的な流れが出てきたらしく、こういったお墓のマンションができた。

亡くなった人は来世で生き続けると考えられていた証拠に、たくさんの副葬品が出てきてる。

「ひゃくあな」とも「ひゃっけつ」とも読むらしい。

最寄りのバス停で降りたら、川の土手に大きく「百穴」と書いてあるので、迷いません。(最初、暴走族の落書きかと思った)

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敷地内(入場料300円)にお土産屋が2つあって、そのうち1つに出土品が展示してある。

なぜ、お土産屋の中にあるのか?


このお土産屋が百穴がある土地の所有者だかららしい。

店主さんは、お店に入るとあっという間に解説員に早変わり。

色んなお話をしてくれます。


「軍需工場跡の壕」は吉見百穴と同じ山の下部に掘られた。

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軍需工場が空爆を避けるための移転先として大急ぎで作ったのに、使用する前に終戦。

中島飛行機が移転される予定だったとか?

見学できるスペースは広いけど、全体は更にその数倍の広さらしい。

在日朝鮮人にひどい強制労働をさせて作ったので、出るとか出ないとか言われてるスポットみたい。

岩盤に色んな層が混じっているため、設計図を作れず、その都度ルートを決めて掘り進めていたとか。

内部を見ると、当時の鬼気迫る焦りが伝わってくる気がする。

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もう1つ注目すべき「ヒカリゴケ」は、あまりよく見えなかった。

温暖化で減ってきたとお土産屋の店主が言っておられました。

最寄駅は、東武東上線東松山駅。ここからバスで7〜8分。

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2017-01-01 映画:パリ・ルーブル美術館の秘密

[]パリ・ルーブル美術館の秘密 14:05 パリ・ルーブル美術館の秘密を含むブックマーク

パリ・ルーヴル美術館の秘密 [DVD]

パリ・ルーヴル美術館の秘密 [DVD]

ドキュメンタリーなのだけど、タイトルからは、中身の魅力が全く分からない(笑)

ナレーション一切なし。

登場する関係者たちが交わす普通の会話のみ。(たまに愚痴も)

それまで美術品の撮影は許可されてきたけど、美術館内部については潜入不可だったこの美術館に初めて取材が入る。

テーマは、美術館が1200名の様々な専門家に支えられていること。

改装を終えたルーブル美術館が美術品を館内に戻す工程。巨大な絵画をどのように運び、展示するか。

館員が絵の並べ方を議論していたり、工房で修復作業をしていたり。

新ユニフォームの試着シーンや職員食堂のキッチン、救護担当の応急措置訓練、警護担当の狙撃犯対応・・・

美術関係者以外にも、これらの職員や科学者までもが力を合わせて支えているんだね。

ルーブル美術館は、30万点の所蔵品があり、展示物されている数もかなり多い。改修工事前に1度だけ訪れたことがあるけれど、途方に暮れてしまうんだよね。

この数について、マネージャーが語ってる。

「観光客を満足させるだけなら、モナリザとヴィーナスを飾っておけばいい。でも、ここは美術を参照する書籍のような場所であってほしい。良い作品でないものも展示し、勉強できる場にしたいのだ」

なるほど!

映像の中に、絵のような美しくておもしろいアングルがいくつも出て来て、はっとするよ。

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2016-10-15 本:あの日

[]あの日 15:41 あの日を含むブックマーク

あの日

あの日

渦中の時は、報道から真実なんて出てこないと思っていたので、ほぼスルーしていた。

興味があったのは「STAP細胞って、ほんとにあるのかな」ということだけだった。

あの1件が落ち着いた今、何を信じるかは人それぞれとして、小保方さんの声をちゃんと聞ける機会ができてほんとに良かったと思う。

そして、この「解決」がまた考える部分が多い。


研究という分野にある、ロマンと背中合わせのドロドロ。

権威ある先生と若い研究員の溝。

マスコミの恐怖、凄まじさは記者の実名入りで記載されている。


仮説というストーリーに合った都合の良いデータだけを採用し、不安材料データはなかったことにする。

「ウソではない」というレベルを真実に祭り上げるまでの行程には、小さいのにあまりにも重大な事実たちが潜む。

これは小保方さんにも誰にも止められなかったのが理解できた。(納得したわけではなく)


見えない恐怖に追い詰められていく様子は、まるでホラー映画のよう。

いわゆる暴露本なのかもしれないけれど、研究の世界の常識や研究内容についての描写は興味深い。

小保方さんの感性もおもしろい。

真っ白な表紙には、タイトルと著者名だけ。

彼女がひどい衰弱に落ち込みながらも死を思いとどまってくれて、良かったと思う。

できることなら、彼女にもう一度、研究や実験をさせてあげたい。

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