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京都からすま和田クリニック 和田洋巳の相談室 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2016-07-15 講座:新しい概念を用いたがん治療16 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今回は、本講座の最後のまとめとなります。

がん細胞の特性とそのコントロールについては、何度もお話していますが、ブドウ糖の制限と塩分の制限がとても重要である、ということです。

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がん治療においては、自分の身体と向き合うこと、そしてがんになってしまった生活習慣をきちんと改善してから、抗がん剤などによる治療を行うことがとても重要です。

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このような治療の概念は、ハーバード大出身のケリーターナー博士が、劇的にがんが寛解した患者さんの事例について約1000例くまなく調査してまとめた著書「Radical Remission」において紹介されているものととてもよく似ています。劇的寛解した患者さんの多くが、生活習慣の改善や、ハーブ・サプリメントを取り入れるなど、私のクリニックの方針と似たようなことを行っていたようです。

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ケリーターナー氏の著書は日本語訳もされていますので、ご興味のある方はぜひ読んでみてください。

ここまで治療の具体的な方法と事例について紹介してきましたが、私が提案する治療においては、がんを恐れず穏やかな心・気持ちで治療を行っていくように患者さんにお話しています。心や気持ちの持ち様はとても重要なのですが、これも軽視されがちです。がんと向き合うときに混乱するのは当然のことです。迷ったときには、ぜひ一度今回の話を思い出していただいて、落ち着いてよく考えて行動するようにしてみて欲しいと思います。

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本講座などの内容については、下の図のように書籍にもなっていますので、ぜひこちらも読んでみてもらえれば理解が深まると思います。

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これまで本講座では、がん治療の新しい概念について説明してきましたが、がんに対する理解を深めていただくことはできたでしょうか?

また次回以降も、新しい講座をはじめていきますので、ぜひそちらもご覧いただければ幸いです。

ご覧頂いた皆さまにはこの場をお借りしまして、御礼申し上げます。ありがとうございました。

2016-07-01 講座:新しい概念を用いたがん治療15 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

今回も、これまでのおさらいをしていきたいと思います。

がん細胞は、たくさんのブドウ糖を取り込むことで、エネルギーを獲得します。また、エネルギーを獲得することで、高まる細胞内の酸性度を低下させるために、ナトリウムをはじめとするアルカリ性イオンを取り込みます。さらにがんは炎症が体内に起きている状態ではどんどん進行していきます。

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こうしたがん細胞の特徴を踏まえると、単にがんを攻撃・切除すれば直るというものでもないことがおわかりになるかと思います。むしろ、がん細胞をたたくのみだと、がんは”変装”し、より強い浸潤性を獲得して、転移・増殖してしまうことも知られています。

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下の図のように、がんを攻撃すると、周囲に血小板が集まり、NK細胞からの攻撃を守るようになります。また好中球が動員されることで血管内皮細胞が活性化します。このとき、血中の指標として、血小板・好中球の増加が認められ、CRPも上昇していることが多いです。

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さらに、がん細胞は、サイトカインやケモカインといった免疫応答を活性化させる物質により、単球を動員し、血管内皮をさらに活性化させます。これががん細胞が遠位に転移を進める準備段階にあたると言え、実際にさらに状態が進むと、転移が体内に拡大していきます。

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ただ単にがんを攻撃するのではなく、がんの代謝を抑えるように生活習慣を変え、一定の改善が認められた段階で、抗がん剤や分子標的薬を使用することで、薬剤は少量でも効果を発揮します。すなわち、生活習慣の改善はがん治療においては必須であると私は思います。具体的には、糖分・塩分の摂取を抑え、カリウムを豊富に取れるような野菜中心の食生活と、さらに梅エキスのようなサプリメントを摂る、ということになろうかと思います。

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ここまで、2回にわけておさらいをしてきましたが、次回は本講座の最後のまとめをしたいと思います。

2016-06-17 講座:新しい概念を用いたがん治療14 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

前回は、がん治療における食事療法の重要性についておわかりいただけたかと思います。

今回から3回は、これまでのおさらいをして、最後のまとめに入っていきます。

炎症については前回少しおさらいをしましたが、非常に簡単に言うと、からだの中で火事が起きているような状態を言います。がんや糖尿病のような疾患時には、この炎症が慢性的に起こっており、長期間、火がくすぶりつづけているイメージになります。

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がんは炎症が続くことによって進行するわけですが、肥満も常に増えすぎた脂肪を燃やそうと炎症状態が続いている慢性炎症の一例で、肥満の方はがんになる確率が高いことが知られています。体内でどの程度の炎症が起きているかを把握する上では、CRPという血液検査の項目が指標になります。このCRPが0.05mg/dl以下になっていることが望ましい状態です。

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がんは、自分のからだで生まれたものですので、生まれた原因は、食事や運動、睡眠といった生活習慣や、仕事によるストレスなどさまざまな要因が関与していると考えられます。がんの治療ではこのような自分のこれまでの生活について振り返ることが大切で、それはご自身でしか知り得ない情報です。

治療をする際には、まず自分の生活を振り返り、その上で医師と相談し、患者さんが主体的に取り組むことが何より重要です。医師は、その取り組みに全力でサポートするのが役目ですから、ぜひ、患者さん自身の生活について親身に聞いてくれるような医師を信頼するようにしてください。逆に言えば、あまり話を聞いてくれないような方は、患者さんの体質などを考慮してくれない可能性もあるかもしれませんので、良く医師を見るようにされると良いと思います。

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次回も引き続きおさらいをしていきたいと思います。